15年の手紙
15年前(ねんまえ)のわたしへ
15ねんまえのわたしは、5さいだね。
ようちえんの ねんちょうさんかな。
しょうがっこう、ふあんなきもちだよね。
それでもね、たくさんおともだちができて
ひろいこうていで めいっぱい あそぶんだよ。
おべんきょうも、うんどうも、あなたは がんばりやさんだから、たくさん ほめてもらえるよ。
たのしみに していてね。
15ねんって、どれくらいだと おもう?
あなたの、りょううでをひろげてみて。
それくらいの ながさです。
おおきいとおもうかな?ちいさいとおもうかな?
いまのわたしがいるのは これからおおきくなるあなたが がんばってくれたからなんだよ。
ありがとうね。
うれしいことも、かなしいことも、おこったり ないたり わらったり、 いっぱい けいけんして だいじなものが できるからね。
おまじないのことばを あげるよ。
「きょうじゃ ない」
いちばんたいへんなのも、うれしいのも、かなしいのも、そのつぎがあって
きょうがいちばん、なんてことはないんだ。
だからね、なみだがとまらなくても
もっとたのしいひがある
もっとかなしいひもある
だから、ダメだ、とおもうのは
あきらめるのは きょうじゃ、ないんだよ。
わすれないで、めいっぱい、たのしんでね。
かぞくと ともだちを たいせつにね。
だいすきだよ。
20歳(さい)のわたしより
15年後の私へ
15年後の私は、何をしているでしょうか。
35歳ですね。
楽しいこと沢山ありましたか?
悲しいことと同じ分だけあったでしょう。
それでも笑っていられたらそれ以上幸せなことはないと思います。
この世界では、あなただけが今の私の苦しみを知っていますね。
どうか大丈夫だと言ってください。
そうじゃないと私は
私は
諦めてしまいそうなんです。
なんだか、高校生あたりまで全力で努力して生きてきたら その反動で疲れてしまって
何もできなくなって、薬を飲んで毎日をやり過ごしています。
忘れていたかもしれませんが、高校なんて、最後は学年2位の成績で卒業したんですよ。1位にはなれないのが私らしくて気に入っています。自動車学校も、校内テストが満点で表彰までされたんですよ。素敵な大学(草木が多くて図書館の美術コーナーの蔵書が豊富で気に入っています)にも入ることができました。側から見ると、かなり、頑張っていたかなぁ。わからない。
ただそんな私のことも忘れないでいてほしいです。
いま私は
友達の作り方も忘れてしまって、いつも独りです。もう独りで生きるのも慣れてきてしまいました。なんだかうまく笑えません。それでも人知れず泣くのはうまくなりました。
生きていて、よかったですか?
今、生きていて、よかったと思いますか?
声が聞けたら良いのだけれど。返事を聞けたら良いのだけれど。叶いませんね。
生きているなら、どうかお元気で。
笑っていてくださいね。
20歳の私より