空き缶
電車
山手線外回り
座席に座ると、向かいの席の足元奥にレッドブルの空き缶が転がっている
きっと誰かが放置した、空き缶
数駅過ぎ、列車はカーブ
転がってくる空き缶
隣の席のお兄さんの足元に転がりつく
また数駅過ぎ
目的の駅に到着
私が立ち上がるとそのお兄さんも同じ駅で降りるようだった
向かいに座る男性が、なにやらお兄さんを見ている
なにかと思い隣を見ると、足元の空き缶を拾って立つお兄さん
みんな見てた
みんな転がるの見てた
お兄さんの空き缶じゃないのみんな知ってた
それでもお兄さん空き缶拾ってた
それを見て私
私って自分が思うより善人じゃないのかもな、なんて思ってしまった
だって同じことできないから
お兄さんがしたみたいに空き缶拾えないから
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