見出し画像

キャリアコンサルタント試験を独学で一発合格するまで〜実技編〜

受験してからすでに4ヶ月経ってしまいましたが、2024年7月第26回キャリアコンサルタント試験を受験し、見事独学で合格することができました。

キャリアコンサルタント試験は、養成講習を終了するか、キャリア面談の実務経験が3年以上あることが受験要件となっています。私は、新卒エンジニア就活のキャリアアドバイザーの経験が5年あったため、養成講習を受講せず実務要件でJCDAにて受験しました。

[論述] 36点(A)
[面接] 56点
⑴主訴・問題の把握:B、具体的展開:B、傾聴:B
⑵振り返り:A、将来展望:A

ギリギリ合格の実技試験結果(論述・面接の合計が90点以上で合格)

今回は、独学でキャリアコンサルタント実技試験をギリギリで合格した経験談をお伝えします。養成講習を受講せずに受験するのに不安がある方に、少しでも参考になれば幸いです。


キャリアコンサルタント実技試験の独学合格率

学科試験の合格点は100点満点で70点以上に対し、実技試験では150点満点で90点以上の得点が必要になります。ただし、論述試験単体での得点が40点以上、かつ面接試験の評価区分である「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のすべてにおいて満点の40%以上が必要です。

実施団体は、CC協議会と私が受験したJCDAの2団体。どちらも合格率に大差はないと言われていますが、口頭試問が異なるため、一度その違いを知ってから申し込むと良いでしょう。

気になる合格率は、だいたい60〜70%!結構高い合格率です。
しかし、私が受験した第26回の養成講習修了者の合格率が約74%に対し、実務経験者(独学)は46%と、合格率に大きな差があることがわかります。

▼第26回キャリアコンサルタント試験 試験結果
https://www.jcda-careerex.org/files/result/583summary.pdf

養成講習では、みっちりロープレをするそうなので、そこで鍛えられているのかな?と予想しています。だた、独学だとしても私みたく合格することはもちろん可能ですので、やるべきことを整理していきましょう!

参考書

私が購入した参考書はこの一冊!

この参考書は、実技事件に特化した内容になっていて、高等試験の答え方や論述の書き方を把握することができます。
実務経験を積んできたため、実技面接試験にあまり不安はありませんでしたが、改めて読んでみると試験対策として抑えるポイントがあるのだと気づきました。

JCDA実技試験対策👉論述✏️

論述試験対策としては、3ステップで対策を進めました。

  1. 参考書やキャリアコン対策サイトで一通り抑えるポイントを把握する!
    上記参考書を1冊、その他参考サイトを適当に2〜3つ見て、YouTubeも2つほど見てみましたが、9割同じ内容だったので、本読めば事足りそうな印象です。

  2. 記述フレーズを洗い出し、自分なりの論述のパターンを作る!
    論述試験の問いは毎回同じだと言われています。それぞれの問いに対してどのような構成で記述するか、そしてどのような言い回しをするかをある程度事前に決めておくと楽です。詳細は【私の論述パターン】へ▼▼▼

  3. 過去問練習し、模範解答と見比べて書き方のパターンを増やす!
    2で考えた自分なりのパターンに当てはめて過去問を解きます。私は5問くらい解いて本番を迎えました。模範解答はサイトごとに全然異なったアプローチ方法をとっているので、全然ダメだと思う必要はありません。もし構成から異なっている場合は、論述コアポイントはどこにあるのか・自分の書き方に当てはめるとどう言えるかに落とし込めればOK!

【私の論述パターン】

[問1]
事例Ⅰでは、〜〜〜と見受けられる。一方、事例Ⅱでは、〜〜〜が見られる。そのため、CL(クライエント)が〜〜〜になっていると思われる。

[問2]
事例Ⅰ:CLに対し〜〜〜が見受けられ、〜〜〜が出来ていないため。
事例Ⅱ:CLに対し〜〜〜することにより、〜〜〜と思われるため。

[問3]
〜〜〜の可能性が考えられる。また、〜〜〜が必要であると考える。さらに、〜〜〜という状況の中で〜〜〜のため、〜〜〜が必要だと思われる。

[問4]
〜〜〜なCLの気持ちに寄り添い、〜〜〜を大切にしつつ〜〜〜接していく。また、〜〜〜と働きかけることで〜〜〜を進めていく。加えて、〜〜〜をすることで〜〜〜できるよう適切に支援していく。

【論述ストックフレーズ】

あくまで一例です。実務をする中でも、ケースに応じた対応が必要になると思います。試験対策で終わらせることなく、ぜひ実務を想定した問題になりうることと方策を考えていきましょう。

  • 👉キーワード

    • 自己肯定感

    • 自己効力感

    • 一般化

    • 寄り添い

    • 思い込み

  • 👉問題点(解決案)

    • 自己理解不足(ジョブカード)

    • 仕事理解不足

    • コミュニケーション不足

    • 情報収集不足(労働市場、雇用情勢、求人情報など)

    • 中長期的な視野の不足(ライフキャリアシート、ライフプランニング)

    • 自己効力感の低下

  • 👉方策

    • 振り返りを通して、〜を整理する支援

    • 職場のロールモデルに話を聞く

    • 経験、スキルの棚卸しによる理解

    • 成功体験、振り返りによる自己効力感の向上

JCDA実技試験対策👉面接👥

面接対策も、ほぼ論述と同様に3ステップの対策をしました。

  1. 参考書やサイトを見て、全体の流れや注意点を把握する!

  2. 自分なりの解答構成を考えておく!(課題点や方策は論述対策と同じなので、論述でまとめたストックフレーズも参考にしてください)

  3. ロープレ!私は、「いけるっしょ!」と思い面接試験の1週間前にキャリアスタディさんの無料ロープレ会に参加しました。そしたら、意外と実務と違う空気感にのまれてしまい、また言葉が全然出てこないことに焦りました。Xでロープレやってくれる方を探し、試験日2日前に2回目のロープレをしました。1回目では、他の方のロープレを見ることで言葉節や雰囲気を学ぶことができ、自分の口癖に気がつくことができました。2回目は、問いに対する回答を丁寧にしすぎたために、資格の活かし方を伝える時間が不足してしまいました。解答時間があるため、一つの問いに対し1分以内に答える必要性があることを教えてもらいました。

【私の口頭試問構成】

▼良かった点▼
①〜〜というCLの気持ちに寄り添い、特にうなづきを意識することで安心して話せる雰囲気にすることができました。
②その結果、CLから〜〜について語ってもらうことができました

▼悪かった点▼
①15分の面談の中で、〜〜ということは語ってもらえましたが、なぜ〜〜なのかという価値観までは語ってもらうことができませんでした。
②CLのありたい姿について話を進めることができませんでした。

▼来談目的▼
〜〜を相談することだと思います。

▼主訴▼
〜〜という状況の中で、〜〜と感じていることだと考えます。

▼問題点▼
〜〜ということから、〜〜が問題点だと考えます。

▼今後の展開▼
①引き続き、CLの〜〜な気持ちに寄り添いながら、私が感じた問題点とCLの意向が合致しているか確認しながら面談を進めていきます。
②具体的には、〜(問題点)〜に対し、〜(方策)〜サポートしていきたいと考えています。(2つほど)
③〜〜で悩むCLが真に求める働き方の実現を支援していきます。

▼資格の活かし方▼
①現在、〜〜の業務をしていて、その中で〜〜の課題を感じています。
②キャリアコンサルタント試験の学習を通して、様々なキャリア理論や意思決定プロセスを知ることで、今まで感覚的だったものが言語化されました。
③プランド・ハプスタンス理論やキャリアアンカー理論などをわかりやすい形で面談に取り入れ、主体的にキャリアを考えられる支援をしていきたいと考えています。

【ロープレでのフィードバック】

私が参加させてもらったのは、キャリコンスタディの無料ロープレ会です!毎週火曜日の夜に開催されていて、スタッフの皆さんはとても親切なので、いろいろ質問されると良きです。

  • 「なるほど、なるほど」というのが口癖になっていて多く感じる。

  • CLが感情に関する発言をしたら深掘りする

  • 回答に時間をかけると、一番A評価が取りやすい「今後の展望」の時間がなくなる可能性がある

  • JCDAでは、経験代謝がめっちゃ大事!

経験代謝とは、経験を心に(自己概念)に取り入れ、「経験代謝」サイクルを繰り返して、キャリアを形成するという自己概念の発達のモデル。
・「経験の再現」→過去の出来事を再現し、その時どう思い、感じ、行動したか
・「意味の出現」→経験をどうとらえたのか(自己概念化したか)
・「意味の実現」→自己概念で選択、決断、行動する

キャリアコンサルタント実技試験当日の思い出

思い出と称し、私が勝手に意識したことをまとめました。本当に参考になることからならないことまであるので、適度に参考にしてください。

  • 当日はランダムに呼ばれます。案内係の方に引率され、CL役の方と一緒に部屋の前で待機しました。

  • 正直、私は面接試験に自信がありませんでした。これはCL役の方を味方につけるしかない。相手も人間だから、この人は受からせたい。と少しでも思ってもらえればラッキーと思い、超絶丁寧に接し、めっちゃ緊張している風を醸し出していました。

  • 15分の面談中は、沈黙が少しあるくらいがちょうどいい、という気持ちで挑みました。

  • 私は35歳で受験しまして、おそらく若い方だと思います。なので、緊張している風で口頭試問を展開しました

  • 全然メモが取れません。ロープレもメモを取らずに練習すると良かったと思いました。

  • 質問が曖昧すぎた時、「どういうことですか?」と聞き返され、めっちゃ焦りました。

  • 「来談目的は?」に対する回答が短すぎたせいか、その後「どんな課題があると感じましたか?」と追い質問がきて、心の中ではやばーーーーってなりましたが、自分の考える課題を1分程度でストックフレーズを元に組み立てていきました。

  • 「展望」を話し終わった時、なぜか笑みをくださいました。これは、「よく最後頑張ったね、リベンジしてね」という意味なのか、「そんなに緊張しなくていいよ、ちゃんと伝わったよ」なのか、わからなすぎて合否が出るまで不安すぎました。

まとめ

知っててもいざやってみるとできないのが実技試験です。

私は、文章を書く仕事をしていることもあり、論述は構成さえ決まってしまえばいける感覚がありました。しかし、普段文章を書く習慣がない人にとっては少し戸惑ってしまうかもしれません。
また、面接は実務と似て非なるところがあるため、ポイントをしっかり抑えることが合格への鍵です。実務の経験がある方も、ぜひ1回はロープレをすることをおすすめします。傾聴、反復、言い換え、経験代謝など、キャリコン試験ならではのポイントがあるので、意識して出せるようにしておきましょう!

正直、私は面接はズタボロだったと思います。面接は全てB評価でしたが、口頭試問は構成決めていて挑めましたし、論述もそこそこ点数をもらえたかなと思います。面接がズタボロでも、口頭試問はいける!論述で稼ぐ!だから大丈夫!と自信を持って挑んでみてください。

いいなと思ったら応援しよう!