猫を描く
小さい頃から、落書きばかりしていて、身近なものをネタにして描いていた。
中学生の時、突然我が家に猫がやってきて、家族の中に新しい住人が増えた。
自然と落書きのネタは猫になり、猫ばかり描くようになった。
丸っこくてのんびりしていて、なんか自由な猫に憧れもあった。
高校でも大学でもバイト先でも、
何かと落書きで人とコミュニケーションをとったり、
何か頼まれると猫を描いたりして
「絵=猫を描く奴」というキャラだったかもしれない。
26歳の時、職場の先輩の勧めでアートイベントに出た時も猫を描いた。
決して絵は得意じゃないけど、猫だったら気楽に自然に自分らしく絵を描けた。
自分が何を描きたいのか分からないでいる時、嫁さんに
「あんたは、その猫だけを描けばいいんダヨ」
と言われたことがあって、
それまで落書きとしか思ってなかったこの猫の絵をたくさん描くようになった。
猫は人間みたいに性格が違ってクセがあって、
猫は人間みたいに時々間抜けだ。
僕の中で猫たちは人間たちに近い。
雑貨屋の運営をしていた時、商品の中にポストカードがあって、よく売れるのはメッセージが書いてある筆文字のものだった。
猫イラストにメッセージをつけるようになったのは、ここにヒントがある。
そのよく売れるポストカードの筆のイラストはシンプルで味があり
(正直これなら自分にも描けるぞ)と思って今のスタイルが始まった気がする。
始めはただのウケ狙いな言葉が多かったけど、カレンダーを作るようになってから
言葉には気をつけるようになった。
最近分かったのは
「上手い事言おうとしてもウソくさい。まぬけな事でも本当の経験から生まれた言葉は、日が経っても面白い」
という事だ。
なので、(これはネタになる)という時はスマホのメモ帳を使ってメモをしている。