映画「そばかす」を見て、恋愛が無くたっていいと思えた
そばかすという映画をご存じだろうか。
昨年の年末ごろ公開されていたもので、主演は三浦 透子さんだ。
この映画の主人公は、恋愛を「しない」。
できないのではなく、しないのである。
公式から引用しただけで申し訳ないが、簡単に言えば、こういうメッセージが込められた映画である。
この映画が公開されたころ、私は恋愛との向き合い方に悩んでいた。
簡単に言えば、
恋愛に乗り気になれなかった。
恋愛っぽい特有の空気感や気まずさが、この上なく苦手だった。
恋愛感情が全く分からないわけではない。
小学生とか、中学生とかのときに、好きな人っぽい存在がいたこともある。
男性アイドルも好き。
だけど、付き合うとなると話は別なのだろう。
大学生になって、初めてデートらしいデートをした。
素敵な人だとは思っても、付き合うまではいかないことがほとんどだった。
付き合うという未来が具体的になると、足が止まってしまう。
一度彼氏ができたときも、長くは続かなかった。
おそらく、
自分が恋愛感情の対象(あるいはその候補)として見られることに、
苦手意識があるのだと思う。
その感覚がわからないから、自分の方も、誰かと付き合いたいとか思わないのかな。
そして、恋愛ができない / しないことによる「生きづらさ」みたいなものも感じていた。
いや、「生きづらさ」という表現はあまりしっくりこないけれど。
例えば、
久しぶりに友達に会うと「最近いい人いないの~?」のターンがある。
家族に異性の知り合いの話をすると、「その人とどうなの?」みたいな、恋愛を期待するようなコメントをされることがある。
みんな恋愛の話好きすぎるだろ!!!
気持ちはわからなくもないけど、
そういう取り立てて言うほどでもないちょっとしたモヤモヤが溜まっていく感覚があった。
そして結局、私自身、このことを少しコンプレックスに思っていた。
仲のいい友達に彼氏ができると、何となく自分が取り残されている感じがして寂しくなった。
恋愛を全力で楽しんでいる友達が羨ましく見えた。
自分は自分と割り切ることはできなかった。
そんな時に、この映画に出会った。
この映画では、世界が変わるような劇的なことは起こらない。
主人公のことを理解し支えてくれる、都合のいい運命の相手が現れるわけでもない。
でも、だからこそ、自分が自分であることの大切さを、感じられた。
きっと悩みが尽きることはないし、孤独を感じる日が無くなることもない。
それでいい。そんな中で、自分を好きでいられたら、それで最高なんだな。
って、少しだけ救われた気がした。
(ちなみに、主題歌の「風になれ」も、とても良い。
羊文学・塩塚モエカさんが作詞作曲、主演の三浦透子さんが歌っている。
毎日感じている違和感や重圧を、溶かしてくれるような曲だ。
この曲は、今後私のお守りになってくれると思う。)
私は今恋愛をしていない。
それは、一生そうかもしれないし、
大丈夫な人にいつか出会うのかもしれない。
その時が来るまで、考えてもわからない。
だから、今の自分を、今大切にしていようと、そう思っている。
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