1億円の低カロリー
「低カロリーだのロカボだのDIYだの!そんなのは余裕ぶっこいて世間を渡れる輩が余暇でやるもんだろ!!!」
もやしと玉子を鉄鍋でじゃんじゃか炒めながら、華は叫ぶ。ガタがきた37年ものの換気扇の騒音はもはや電車走行音並みで、叫ばなければすぐ後ろの食卓でも声が届かない。
『もやしと玉子だって低カロリーじゃんか。』
「もやし飽きた!肉食べたい!!お金欲しい!!!」
どうやらニュースのダイエット新商品特集が気に入らなかったらしい。
『じゃあさ、一億円貰えるかわりにカロリー爆弾禁止、ってなったらどうする?』
「あー、やだやだ。バターたーっぷりのクッキーとか最高じゃん?人生損したくないよ。」
もやし玉子を皿にざばっとあけて、麦茶とレンチンしたご飯とあわせて食卓へドン!とのせた。間髪いれずにかっこむ。
「あっつ!うま!さびし!」
『オッケー、じゃあ明日事故って賠償貰う話はなしにしとくね』
クスクス。
換気扇がきれても、笑う声は華には届かない。
-----以下文字数外の蛇足----
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
お題はこちらからいただきました。
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