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しゃべるピアノ

祖母の家にグランドピアノがある。母はそのピアノが好きではない。祖父が躓き足を折り、ボケてしまったからだ。
それでも祖母はピアノを大切にしていた。祖父が施設に入り亡くなっても。亡くなったからこそ、かもしれない。

「ピアノって音が出るから。お話してるみたいで元気がでるの。」

そう言っていた祖母の死後、家ごとピアノを貰った私は、どちらかというと祖母よりで。だからこそ調律師を呼びメンテナンスをしてみた。

「ドとラ、ファの弦が緩み気味ですね。大事にされていたんでしょう、傷みはないですよ。」
「ありがとうございます。」

調律師が帰った後、ピアノの脚にもたれてぼやく。

「君も私も何か孤独だよね...」
両親と疎遠で祖母っ子だった。祖母の死の寂しさを持て余していた。

「あ~、もう死んじゃいたいなぁ、なんて」

ポンポン

ピアノが突然なった

「何、まだなんか緩んで...?」

みし
寄りかかったピアノの脚が折れる
とっさに見上げた先には
ピアノの裏板が目前に




-----以上410字ちょうど 以下蛇足----

ドラはい

ララファいいへ

いろはにほへとちりぬるを。こちらのお題で書いてみました。



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ふたつお
ここまでお読みいただきありがとうございました。