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【みどりのマキバオー】「もしも」マキバオー世代が無事だった1997~99年の競馬(1)


 突然ですが、競馬に「もしも」は禁句ですが、それでも「もしも」を語りたくなる経験は誰しもお持ちではないでしょうか。
「もしも」マルゼンスキーがクラシックに出られたら
「もしも」アグネスタキオンが故障しなければ
「もしも」キングカメハメハとディープインパクトの対決が実現していたら
その他、競馬ファンの数だけ「もしも」はあることと思います。
私の「もしも」はレーヴディソールです。

 ところで1990年代、週刊少年ジャンプにて「みどりのマキバオー」という競馬漫画が連載されていました。
 馬が人語を話したりそもそも主人公ミドリマキバオーが明らかにサラブレッドではなくロバだかカバだかよくわからない謎の白毛馬(?)だったり中山の直線が長すぎるわ坂の高低差が坂ではなく山だろなどとフィクション要素も多いのですが、こと競馬に関しては真摯というか嫌になるほどリアリティのある描写も多く、またジャンプ漫画特有のトンデモスポーツ漫画描写も比較的少ないこともあり現実との競馬と見比べてもあまり違和感なく読める漫画です。
 舞台となる時代は1996年クラシック世代、現実ではNHKマイルカップが新設され、イシノサンデー・フサイチコンコルド・ダンスインザダークが牡馬クラシック三冠を分け合った世代となります。
 今となってはだいぶ昔の話となるため、何なら当時ではありえなかった漫画だろこれ描写が現代競馬で実現しているケースが多数あります。
誰が白毛のG1馬が出てくるなんて思ってたんだよ現実空気読め。

 主な登場馬物については以下の通りです。別に漫画マキバオーそのものを語りたいわけではないのでさらっと流します。なお、種牡馬等実在の馬名については作中では仮名(マルゼンスキー=マルゼニスキー等)となっていますが、面倒なので現実に合わせます。また、馬齢については原作連載当時のものです。(いわゆる旧X歳)

ミドリマキバオー世代(1996年クラシック世代

・ミドリマキバオー 主な勝ち鞍:日本ダービー・有馬記念
父トニービン 母ミドリコ 母父マルゼンスキー
白毛の主人公、別名「白い珍獣」「白い奇跡」
主人公らしく驚異的な勝負根性と意外と柔軟な脚質が持ち味。
母ミドリコは桜花賞馬、三冠目のレースであるエリザベス女王杯にてカスケードの母ヒロポンに敗れている。
なお、下のカスケードの勝ち鞍を見るとわかるように日本ダービーは当時史上初のG1同着優勝です。この後2010年、アパパネとサンテミリオンがオークスを同着優勝します。
しかしこのダービー、真の勝者はただ一頭だけだったのだ…読んでくれ…

・カスケード 主な勝ち鞍:朝日杯3歳ステークス・皐月賞・NHKマイルカップ・日本ダービー
父サンデーサイレンス 母ヒロポン 母父ダンジグ
マキバオー陣営のみならず同世代達の超えるべき壁として最後まで立ち塞がる、今なお競馬漫画のみならず漫画界そのもので語り継がれる最高のライバルの一人。
変則3冠を達成後は菊へ向かわず凱旋門賞へ挑戦、その後…
有馬記念は伝説なのでぜひ読んでくれ。ここはアニメ版でもいいかな。
なお現在でも変則3冠を達成した馬は不在、何なら皐月→NHKマイルC連勝も不在どころか出走馬すらいません、珍しく現実が漫画を超えられていない。
また朝日杯の勝ちタイムが1.32.8とあまりにも無茶苦茶な勝ち時計…だったのですが今年新馬戦で同タイムを出した馬が出てきました。なんとなく続編「たいようのマキバオー」で出てきたカスケード産駒に名前が似ている…


・アマゴワクチン 主な勝ち鞍:菊花賞
父ホリスキー 母メリークリスマス 母父カブラヤオー(だよな多分)
皐月賞、日本ダービーを制するもデビュー前のカスケードとのマッチレースの末その後のレースで故障引退したピーターIIの全弟。朝日杯でマキバオー・カスケードと初の直接対決、2着と結果を残し有力馬の一角として兄の無念を晴らすべくクラシックに挑むも皐月賞で故障、無念の日本ダービー回避も念願の菊花賞のタイトルを手にする。
菊を制した時の実況は最高なのでぜひ読んでくれ。絶対杉本清で脳内再生されるから。

・ニトロニクス 主な勝ち鞍:ジャパンカップ
父プレザントコロニー 母グリセリン 母父ジャッジアンジェルーチ
マル外です。ここが非常に重要。初登場時は小物のヒールといった印象も徐々に主要ライバルの一角にのし上がっていきます。
でもマル外なのでクラシックには出られません。だから4歳春は裏街道を荒らしまくるんですね。ヒシアマゾンかな?しかし本番マル外ダービーこと第1回NHKマイルカップではカスケードに敗れ2着、おつらい…それでいてジャパンカップでは日本総大将。おつらい…
最近はもうすっかり珍しくもなくなりましたが地味に当時史上初の日本勢4歳ジャパンカップ制覇という偉業を成し遂げています。
それより宝塚記念2着がおかしいだろ、こちらはいまだにローエングリンの3着が最高着順、来年から宝塚記念の施行時期が繰り上がるためしばらく更新は不可能でしょう。

ここまでがマキバオー世代の有力馬たちです。
サトミアマゾンは?ベアナックルは?という声はもちろんあるでしょうがアマゾンは古馬は船橋に戻るので除外、ベアはベアなので除外しています。
秋華賞馬アンカルジアやオークス馬スーパースナッズといった有力牝馬もこの時代は牝馬が牡馬相手に古馬王道G1で戦える時代だったかっていうと…お前上で言ってたよなこれは96クラシック世代だと、あの女帝がいるんだ…
というわけであえて除外です、日本競馬史が変わってしまう…

加えて上下の世代から一頭づつ。

・トゥーカッター 主な勝ち鞍:95菊花賞・96宝塚記念・96天皇賞秋
マキバオーたちの一つ上、95クラシック世代の菊花賞馬です。
夏の上り馬として菊を制するも世間はピーターII不在だから勝てただのなんだの言いたい放題、古馬総大将としてG1連勝も世間は結局カスケードだのマキバオーだの4歳世代に夢中でジャパンカップを回避した卑怯者扱い。
マ ジ で お つ ら い…大好きです。

・ブリッツ
父サンデーサイレンス 母ミドリコ 母父マルゼンスキー
はいそうです、マキバオーとカスケードの弟に当たる馬です。
作中では日本競馬史上最強の馬として描写されており、最終回の時点で勝ち鞍が朝日杯3歳ステークス・1997年クラシック三冠・4歳有馬記念・5歳宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念・6歳天皇賞春秋制覇とシンボリルドルフを超え日本最多G1・10勝(最終回も勝利で終わるため最終的に11勝)とまさにぼくのかんがえたさいきょうのサラブレッドとなっています。コパノリッキー?うちのシマではダートはノーカンですよ…

 ここで疑問に思わないでしょうか、カスケードは有馬で引退したからともかく上の世代にマキバオー達がいるのにブリッツがいくら強いからってここまで勝てるものか?故障しなかった世界線のナリタブライアンか?5歳まで走ったディープインパクトやイクイノックスか?とはいえ3歳でG1を5勝もしてて衰えもなく5歳まで走れば意外といけそうか…何ならブライアンとオペラオー足して2で割ればそれで4歳10勝だな…

 その回答は原作漫画13巻以降で明らかになります。端的に言ってしまうと、ドバイの無茶苦茶なレースに出走した上記馬たちが軒並みぶっ壊れてしまいました。
マキバオーとトゥーカッターは骨折。
アマゴワクチンは長期休養の末1998年の春天を勝利するも99年に故障引退。ニトロニクスだけはマイル戦線でバリバリやれてたらしいですが…

 ちょっと読み返してて気が付いたんですけど98秋天、ワクチンとブリッツの大接戦の上でワクチン2着って書いてあるんですね、でもこの年上記の通りブリッツ勝ってないんですよ…98年の秋天じゃないですか、つまりそういうことなんじゃないですか?多分前半1000mのラップ57.4ですよ?夢の続きはここにあったんだ…

 で、ここからが本題となります。
不幸にも現実の96牡馬クラシック世代はイシノサンデーがよくわからない路線を走らされ力を発揮できず、フサイチコンコルドとダンスインザダークは古馬で走ることなく引退してしまいました。
ではもしこの世代を丸ごとマキバオー世代に置き換えたらどうなるか、その上でドバイ遠征に行くことなく万全の状態でブリッツら下の世代を迎え撃ったらどうなるか、をひたすら妄想したいと思います。

レギュレーションとしては
・96世代の中距離以上路線の牡馬はマキバオー世代に丸ごと差し替える
・97世代はブリッツはクラシックまでについては作中通りの勝ち鞍とする
・97世代のブリッツ以外については存在は現実準拠、勝ち鞍は仮定とする
・上の世代については当時も故障引退が多くG1を語るだけならあまり考慮する必要はないためトゥーカッターに色々混ぜこんでごまかす
・マイネルマックス・サニーブライアン・マチカネフクキタルに対しては土下座する
・併せてバブルガムフェロー・タイキフォーチュン・シングスピール・サクラローレルに対しても土下座する。
・おそらくブリッツに対しても土下座することとなる
とします。

全く本題が始まっていないのですが疲れたので後編へ


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