
Photo by
mitsukisora
ネコと猫じゃらしと僕
ふと思い出したので書き留める。
小学生低学年の頃、帰宅中に車にぶつかったのか、無惨な姿で死んでいるネコがいた。
初めて目の当たりにした、生き物の死。
その日はそのまま家に帰った。
でも、家に帰ってからもネコのことが頭から離れなかった。
翌日、ネコは昨日横たわっていた場所のすぐ横に埋められていた。
埋められているというより、土を上からかけられているだけ。
割と田舎なので、家と家の境目に木が植えられているような場所。
アスファルト道路の脇は土なので、ネコの簡易的なお墓はそこに出来ていた。
学校の帰り、僕はネコじゃらしを探し、お墓に添えて、
「安らかに寝てください」
っと手を合わせた。
正直、何でそんなことを思いつき、行動に起こしたのかよくわからない。
ネコが特別好きなわけでも無い。
ただ、何となくそうしようと思った。
それからしばらくはその行動を続けた。
毎日欠かさずというほどでも無いが、定期的に行っていた。
時が流れ、ネコの埋められていた場所も平らになっていく。
この話は親や友達にも特に話した記憶は無い。
6、7歳の少年だった僕が、誰から教えてもらったわけでもなく、このような行動をとったことは、今考えるとすごく不思議だ。
大人になった僕が、この思い出を思い出したことも不思議だ。
良いきっかけと捉えて、この少年時代の感覚を意識して、取り戻したいと思う。
そして、出来るなら息子に背中を見せて伝えていきたいと思う。