何かの音【短編小説】
時刻は深夜2時。
大量の錠剤を手に持ち、彼はソファに座った。
さようなら、この世よ。
錠剤を口に含もうとした、その時、何かの音が聞こえた。
しかし、何か分からなかった。
再び、錠剤を口に含もうとしたら、また、何かの音がした。
なんの音なんだ。
男は、部屋の中をくまなく見て回った。
しかし、何も分からなかった。
仕方なく男は、錠剤を瓶の中に入れ、眠りについた。
次の日の朝、テーブルに置いていたはずの瓶が無くなっていた。
部屋のどこを探しても見つけることができなかった。
昨日の音は、なんだったのだろうか?
なんの音でもいいだろう。
その音が、彼を救ったのだから。