ウィーワーク創業者「アダム・ニューマン」
別項では映画「シルク」の記事を予定してます。予告は変更します。
ウィーワーク創業者「アダム・ニューマン」は詐欺師かカリスか?
この「ウィーワーク」についてはu-next が2021年「470億ドルを崩壊させた男」としてドキュメントを放送していた。それを今見終えたばかりなので、7日に外信より出された「破産適用」がどのように行われたのか、探ってみました。
2021年のドキュメントでは、破産までは至っていない状況ですが、その経営実態は、全く機能していなかったことを赤裸々に描いたものでした。
そこにソフトバンクがだ出資して、救われた、という筋で終わっていました。それが、いよいよ着ぐるみはがされて、米破産法適用申請、という経緯にいたったということです。
そなんことは充分判っていたソフトバンクと思っていたので、この顛末は、一つの謎を残していたようです。
2021年のドキュメントをみた限りでは、本場スタートアップ起業家の、並外れた能力と、カリスマ性を見せていましたが、徐々に、その仮面がはがされ、根っからの詐欺師だという見方もでていたようです。ま、この世界よくある話しですが。
ウィーワーク 米破産法適用申請
ウィーワークが米破産法適用申請、高いリース費用響く SBG出資2023/11/07 ロイター
[6日 ロイター] - ソフトバンクグループ(SBG)が出資するシェアオフィス大手の米ウィーワークが6日、米連邦破産法11条の適用を申請した。高額なリース費用や在宅勤務に伴う法人顧客の解約が響いた。SBGはウィーワークの約60%を保有。事業再建に向け多額の投資を行ったが、破産申請でリース契約を再交渉しない限り存続は難しいと認めていた。ウィーワークの広報担当者によると、同社の貸し手の約92%が再建支援合意に基づいて有担保債務を株式に転換し、約30億ドルの債務を帳消しにすることに同意した。
同社はカナダでも同様の申請を行う意向で、通常通り事業を継続するための資金流動性は確保される見込みとし、米国とカナダ以外の拠点と世界各地のフランチャイズはこれらの手続きによる影響はないと説明した。ウィーワークは6月末時点で、世界777拠点でオフィススペースを提供している。
SBGはウィーワークの再建支援合意について、同社が事業を再建し、連邦破産法11条の手続きから脱却するために適切な措置との認識を示し、「今後も投資家の長期的な利益のために行動していく」とする声明を出した。
ウィーワークの株価は年初から約98.5%急落している。今年第2・四半期のウィーワークの売上高の74%は賃料に充てられていた。ニュージャージー州の破産裁判所に提出した書類では、ウィーワークは6月30日時点で資産150億6000万ドル、負債186億6000万ドルとなっている。
法律事務所カドワラダー・ウィッカーシャム&タフトは8月にウェブサイトに掲載した家主向けノートで「ウィーワークは米破産法の条項を利用して厄介なリースを解消する可能性がある」と指摘。一部の家主は大きな影響を覚悟している。ウィーワークは声明で「本日の申請の一環として、ウィーワークはほぼ稼働していない特定の拠点のリースを拒否する権利を求めている。影響を受ける全てのメンバーは事前通知を受け取っている」とした。
創業者のアダム・ニューマン氏の下で急成長し、企業価値は一時、米スタートアップ企業として最高の470億ドルに達した。
SBGなど多くの優良投資家から資金を集め、JPモルガン・チェースといった大手金融機関の支援も得たが、利益を度外視した猛烈な事業拡大や風変わりな行動でニューマン氏が退任を迫られ、2019年に新規株式公開(IPO)を断念した。ニューマン氏はウィーワークが破産を申請する直前、「適切な戦略とチームがあれば再建によってウィーワークは成功裏に立ち直れると信じている」とする声明を出した。
アダム・ニューマン(Adam Neumann、1979年4月25日)は、イスラエル出身のアメリカの実業家。ミゲル・マッケルビーと共にWeWorkの共同創業者である。身長196cm。
WeWork社のS-1申請に伴う開示に基づく投資家からの圧力が高まったことを受け、2019年9月26日付でWeWorkのCEOの職を辞し、過半数の議決権支配を放棄した。
また、WeWorkはコーポレートガバナンス、評価、事業の見通しに対する投資家の懸念が高まる中、予定していた株式市場への上場を2019年末まで延期した。2019年9月30日、WeWorkは正式にS-1申請を撤回し、IPOを延期した。ニューマンは2010年から2019年まで同社のCEOを務めた。
経歴生い立ちと教育 イスラエル生まれ。
ノイマン家はイスラエル出身で、ユダヤ人の子孫。ノイマンの両親であるアビビットとドロンノイマンは、7歳の時に離婚。彼と彼の妹のアディは、母親の医学研修のために母親と一緒に米国に移住。重度の失読症でノイマンは3年生まで読み書きできなかった 。その後イスラエルに戻り、海軍兵学校(英語版)を卒業し、海軍将校となり、大尉(captain)で除隊。その後、再び渡米し、バルーク・カレッジのジックリン経営大学院(Zichlin School of Business)で学んだ。
経営者として
WeWorkを設立する前に、ニューマンは子供服の会社であるKrawlersを創業していた。ニューマンは以前に共通の友人を介して知り合ったことがきっかけで、ミゲル・マッケルビーという男と共に仕事をするようになった。コミュニティの成長とデザインという共通の関心から、二人は2008年に持続可能性に焦点を当てたシェアワークスペース企業GreenDeskを創業。これはWeWorkの前身となった。その後、ニューマンとマッケルビーはGreenDeskを売却し、その資金とジョエル・シュライバー(ブルックリンの不動産デベロッパー)から投資された1500万ドルを基として、会社の33%の持分を得て、2010年にWeWorkを創業。
ニューマンはWeWorkで、イスラエルで感じた一体感と帰属感が西洋では欠けていると考え、それを再現したいと述べていた。
WSJによると、ニューマンは2018年の夏にアメリカからイスラエルへの旅行に出かけ、飛行中に友人たちと大麻を吸ったという。ジェットがイスラエルに着陸した後、客室乗務員がマリファナが詰め込まれたシリアルボックスを発見し、ジェットの所有者に報告した。大麻密売の疑いを恐れたジェット機の所有者は、ノーマンにアメリカへの帰国を命じ、別の便で帰国した。
2018年、WeWorkは会社の職場内でのセクハラやその他の不適切な行動の問題を指摘する元従業員からの訴訟に直面した。元従業員の女性は声明の中で、ニューマンが「面接中にテキーラショットを(彼女に)強制した」と言及した。この主張の直後に、WeWorkはビール飲み放題のサービスを終了し、ニューヨークのオフィスでは1日4本のビールのみとした。
2019年9月22日、WSJなどはWeWorkの取締役らが計画されているIPOの前に「エキセントリックな行動と薬物使用が明るみに出た波乱万丈な1週間」の後に、ニューマンに対してCEO退任要求を計画していると報じた。WSJは、彼がIPO前にWeWorkから7億ドルを持ち出したことなどを詳細に報じ、同社での「彼の地位を貶めた」と報じていた。2019年9月24日、彼は辞任し、アーティ・ミンソンとセバスチャン・ガニンガムが共同後継者として就任した。
2019年10月、WJSはニューマンがWeWorkの取締役会から退任し、ソフトバンクから17億ドルを受け取り、同社との関係の大半を断つと報じた。
その数週間後、少数株主はニューマンを始めとするWeWorkの関係者を受託者義務違反で提訴した。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
関連記事 それに関して過去の記事記録を、ここに掲載していきます。
「世界の大統領になる」──5兆円企業を崩壊させたWeWorkカリスマ創業者の真の姿
菊池大介:編集部2021/10/2 08:00 ダイヤモンド
米ニューヨークに本社を置き、世界各国でシェアオフィスを展開するスタートアップのWeWork。日本でも渋谷や新宿などの東京都内だけでなく、大阪や福岡でもオフィスを開設する。今年に入ってからはディー・エヌ・エー(DeNA)やクックパッドといったIT企業が本社機能を移していることでも話題となったWeWorkだが、その創業者の1人であるアダム・ニューマン氏がロックスター顔負けの破天荒さでメディアを賑わせた人物であることをご存じだろうか。
ニューマン氏はイスラエルの出身。「キブツ」と呼ばれる集団農業共同体で育ったのちに米国に移住。その後イスラエルに戻り軍人となり、再び渡米し大学院で経営を学んだ。その後は子供服の会社を立ち上げたのち、2010年にWeWorkを創設。企業価値にして470億ドル(約5兆2230億円)規模にまで成長させ、後に崩壊させるに至る。
WeWorkはソフトバンクグループの10兆円ファンド、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから巨額の資金を調達したものの、新規上場を申請した際に、提出書類(S-1)から会計面で多くの問題を抱えていたことが発覚。ニューマン氏が資金を私物化していたことも分かった。結果として上場は幻となり、ニューマン氏は不正会計などを理由にCEOを辞任することとなった。
(画像)ウイキペディア
ニューマン氏の破天荒さは、U-NEXTが9月30日から日本での独占配信を開始した『WeWork/470億ドル企業を崩落させた男』というドキュメンタリー映画からも見て取れる。
このドキュメンタリーは2021年3月に米国のイベントSXSWで公開されたのち、米Huluで配信されて話題を集めた作品だ。「“We”Work」という社名が示すように、“I(私)”ではなく“We(私たち)”をコンセプトに置いた彼らのコワーキングスペースは、オフィスを「不動産」ではなく、「SNS」と捉えたものだ。ドキュメンタリーでも、「(WeWorkは)世界初のフィジカル・ソーシャル・ネットワーク」と語るニューマン氏の様子がある。
WeWorkは不動産を借り上げてコワーキングスペースに改装し、会員に貸し出すモデルでその数を大きく拡大してきた。広いスペースでデザインされたオフィスを自由に使い、時には用意されたコーヒー、ビールを飲みながら語り、イベントなどを通じて他の会員と知り合う──WeWorkにさまざまな交流の仕掛けが準備されているのは日本でも知られているとおりだ。ニューマン氏のカリスマ性もあり、続々と集まる社員。そして資金調達とともに上昇する時価総額。
だが次第にそのカリスマのベールに包まれたニューマン氏の“真の姿”が明らかになっていく。社員総出で行う研修と会員交流をかねたイベント「WeWorkサマーキャンプ」で同氏は乱痴気騒ぎをする。のちにこのイベントはBUSINESS INSIDERなどで「酒やセックス、ドラッグ三昧だった」と報じられることになる。
60億円超のプライベートジェットを購入し、メディアのインタビューでは、「世界の大統領になる」とまで豪語するニューマン氏。WeWorkの元弁護士ドン・ルイス氏は映画の中で、同じ価値観を共有して働く企業文化や社員の素晴らしさを振り返る一方で、ニューマン氏を「スピリチュアルな宗教家」と例え、社内イベントの熱狂ぶりを「カルトかと疑われるほどだった」と振り返る。
カリスマとして崇められるニューマン氏だったが、ジャーナリストたちはWeWorkの全盛期の時点ですでに“うさんくささ”を感じ取っていたようだ。映画の中でも、米ボストンの老舗雑誌The Atlanticの名物記者、デレク・トンプソン氏がWeWorkを「なぜビルを借り上げ小分けしようと考えたのか。世界一つまらないビジネスモデルです」と評し、当時を振り返る。BUSINESS INSIDERの取材に応じた元従業員は、ニューマン氏は手元に1本140ドル(約1万5000円)のテキーラがなければ「ブチ切れる」と話していた。
次第にひずみの大きくなるWeWork。業績低迷で従業員を解雇するに至るも、ビジョン・ファンド、そしてソフトバンクグループによる大型出資を受け、急速なグローバル展開を進めることになる。評価額は470億ドル(約5兆円)にまで膨らみ、2019年8月にはIPOを申請。だが有価証券届出書(S-1)から、資金流出や解約率などの問題が山積したビジネスモデルが露呈。ニューマン氏は退任へ追い込まれたのだった。
2019年以降、ソフトバンクグループ主導で経営陣を入れ替え、再建を進めてきたWeWork。同社は特別買収目的会社(SPAC)を通じて2021年後半に上場すると発表している。一方、ニューマン氏の足跡はハリウッド俳優のジャレッド・レト氏とアン・ハサウェイ氏の主演でテレビシリーズ化することも決まっている。創業者退任後の成長には期待が集まるWeWorkだが、同時に当面はその呪縛から逃れることも難しそうだ。
編集:岩本有平