人気漫画の著作トラブル提訴
二つの記事を同時配信しました。一つは、いつものギリシア哲学「コペルニクス」と、別の記事は、それとは対極にある娯楽エンタメの人気漫画で、これもよくある作家と出版社側の著作権をめぐっての損害賠償記事でした。
前回書いた著作漫画「宮本武蔵」「バガボンド」井上雄彦著については、そうしたトラブルは無いように思いましたが、遅筆、休筆も含めて、やはり、出版社としては、なかなか進まない、に業を煮やしているに違いないでしょうが、そこいらはA対Bの力関係で、人気作家の度量みたいなものが伺えます。
「なんだつたら、やめてもいいんだぜ」とは、口にしませんが、こいつ明日にも廃業しそうだ、と真摯におもわせるハッタリ感が漂っていたのでしょう。
そんなことも作風に漂っているので、真偽一体、何が出るか判らないのが真骨頂なのでしょう。
このnote記事を拝読していても、プロアマ交えて、そうした葛藤とか、表現クリエイターの悩みだとか、はしはしに語られていて、思わず同感しています。
その悩みといっても千差万別、多方面からの記事を読んでいて、手が届かない部分もあって、助言したくても知識がないので、云いきれない、というのが沢山あります。
今朝のニュースでもありましたが、「若い男女」自殺記事のように見えたのですが、それが途中まで読むと、相手の女性40歳、当人男性70歳の心中自殺と、あり詳細は書かれてなかったのです。
その数行を読んだだけで、ほぼ内容は推察できるし、犯した罪の世間沙汰に抗しきれない結果の自殺のようでした。よくいいますが、「いい歳をして」とか「身の程知らず」とか、世間は、そんな表現で罵倒するのが標準ですが、むしろ、いい歳だから、やってみる価値が生まれるし、違った表現ですればアバンギャルドになりますが、大方、失敗して、その社会から負の烙印を押されてしまう。
だれしもそうならないように厳しい自縛を科して生きているのでしょう。
そんな有象無象の人生は、これからも続きます。
2023年08月30日記事
『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴
売上7億円超の漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴 同時期に同一原作の後発漫画が出版されトラブルに
2023/8/29(火) 11:28配信 ねとらぼ
漫画『小悪魔教師サイコ』の作画を担当する・合田蛍冬さんが、同漫画を出版する「ぶんか社」に対して3円の賠償を求める訴訟を提起したことが分かりました。同漫画は電子書籍プラットフォーム「ピッコマ」の年間人気ランキングで3位にランクインするなどの人気作ですが、同時期に別の出版社から同一原作を使った同一タイトルの漫画が出版され、トラブルが発生していました。
【画像で見る:後発の高野さん版『小悪魔教師サイコ』】
『小悪魔教師サイコ』とは――
三石メガネさん原作の小説『小悪魔教師サイコ』は、「高校教師をいじめで入院に追い込んだ高校生たちにのもとに、美人教師・葛西心春が赴任してくる。しかし実は葛西先生はサイコパスだった」――というストーリー。
e-Storyアプリ「peep(ピープ)」で、タップする度に一口サイズのテキストが表示されるチャット小説形式で連載されて、2021年11月に完結しています。
2021年には合田蛍冬さんが作画を担当したコミカライズ版『小悪魔教師サイコ』がぶんか社から月刊誌で電子配信をスタート。2023年6月までに7億円以上を売り上げる大ヒットとなったほか、電子書籍プラットフォーム「ピッコマ」の年間ランキング「ピッコマ BEST OF 2022」ではマンガ部門の3位にランクインするなど話題作となりました。
同時期に別の出版社から漫画が出版されトラブルに
2021年11月、『小悪魔教師サイコ』の原作管理会社・「taskey」が、自社展開の前述サイト「peep」にて、「小悪魔教師サイコ」をフルカラー縦読みマンガ化しようとしていることが発覚。
合田版の連載中に別の出版社から同一タイトルの漫画が連載されるとなると「読者が混乱する」と危惧した合田さんは、自身の作品連載を担当するぶんか社に対して「後発漫画の作成は完全NGとしてほしい」と連絡したといいます。
しかしぶんか社側からは、原作管理会社が原作をどう使うは自由で「後発連載が始まることは確定事項」との説明があり、合田さんはやむなく後発漫画が自分の執筆する漫画を模倣して作成されてしまわないかを確認するため、「事前にネームチェックなどはさせてほしい」と要望したといいます。
これを受けて2022年4月にtaskey側からキャラクター表と1~3話のネームが提出されると、多くのシーンで類似点が発覚。
ぶんか社側からも「弊社法務の見解では、合田さんのご指摘点は翻案権侵害が濃厚で、というか、翻案権レベルでもなく、ほぼトレースといえるだろうということです」との見解があり、類似点に関してはtaskeyに対してすべて修正を申し入れるとしました。
その後、taskey側から後発版作成時に合田版の漫画を見て作ってしまった結果、酷似してしまった旨の説明と迷惑をかけた旨の謝罪文が提出されたといいます。
しかしその後も露骨な模倣行為は減ったものの、構図やコマ割りを参考しているとみられるシーンが多数存在し、合田さんは都度そのネームをチェックして修正依頼のための資料を作成することに。なおこのネーム確認や資料制作については、taskey側が後発漫画に合田さんの名前をクレジットすることと、印税の支払いを拒否したため、無償で行うこととなりました。
精神的に限界を迎えて告白
その後連載スピードの速い後発漫画は合田版を追い越すことがほぼ確実となったことから、合田さんは精神的に限界を迎え、2022年12月24日に自身のブログで「望んでいない後発漫画の連載が始まり、全く同じ原作のため、自分の描いた本件漫画を参考に制作されており非常に困っている」と、心情を告白。taskeyから届いた謝罪文を掲載しました。
すると、ぶんか社から、小説版の原作管理も行うtaskeyがブログ投稿を取り下げない限り、合田版の連載を中止するとの意向であるとの連絡があり、ブログ投稿は一旦非公開となりました。しかし、投稿内容が小説版の原作管理も行うtaskeyが問題視したため合田版の連載中止が決定。2023年1月18日に予定されていた紙の合田版単行本1巻・2巻についても発売延期が発表されました。
こうした状況についてぶんか社側は合田さんに対してtaskeyと原作担当の三石メガネさんへの謝罪が必要であると説明。
「本日taskey(編集部注:原作管理会社)と協議いたしました。taskey側は、三石先生(編集部注:原作者)および高野先生(編集部注:taskey版の作画担当)に対する名誉棄損に関して非常に厳しい意向で、先日もお伝えしたとおり提訴の可能性が高いです。この件に関しては、合田さんのお詫びが必要だと思います。これは、弊社弁護士見解としても同様です。合田さんとしては、お詫びの意思はございますでしょうか?」と合田さんがtaskeyから提訴される可能性があることを示唆されたため弁護士に相談したといいます。
本来同一又は類似の著作物の出版を禁止する条項があるはずが……
2023年1月からは合田さんの代理人、taskeyの代理人、ぶんか社の代理人の3社で本件解決に向けた話し合いが行われ、その際、合田さん側の代理人は「そもそも原告が拒否しているにもかかわらず、後発漫画が始まったことがすべての原因」と主張。
中略
訴訟について
本訴訟について、合田さんの代理人を務める東京フレックス法律事務所の中島博之弁護士は、「漫画とは、漫画家が心身を削って創作するものです。原作をベースに創作した漫画が、漫画家の努力により大ヒットした場合、原作者側が同じ原作を使って同じ題号(タイトル)の漫画を自分たちに有利な印税率で自由に制作できる、先行する漫画があるため参考にして苦労なく制作もできる、出版社もその行為を止める義務もないとすれば、先行する漫画を創作した漫画家は使い捨てのような扱いを受けることになります。このような行為がまかり通れば、原作付の漫画を執筆する際、全ての漫画家は本件と同じようなリスクを負うこととなり、今後、原作付の漫画が創作されない事態にもなりかねません」とコメント。
3円という賠償請求額については、「本件のような行為は違法であると確認するため、金銭的賠償については最低額として訴訟提起をしました」としています。
本件について、ねとらぼ編集部はぶんか社とtaskey双方にコメントを求めています。
ぶんか社のコメント
ぶんか社は本件について「弊社で訴状を確認しておりませんので現段階でのコメントはございません」との回答を寄せました。
【2023年8月23日12時追記:ぶんか社から回答があったため追記しました。】
taskeyのコメント
taskeyは本件について「弊社としては、原作を管理し、縦読み版の制作を進める立場として、関係各所に確認等を取りながら、真摯かつ必要な対応をして参りました。『小悪魔教師サイコ』の原作作家様、縦読み版のクリエイター様に一切の非はないと認識しております。合田先生からぶんか社への訴訟提起については、関係者での協議継続中に突然提起されたものであるため驚いており、状況や詳細を十分に把握できておりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」との回答を寄せました。
【2023年8月23日17時追記:taskeyから回答があったため追記しました。社名について一部修正しました】
(Kikka)