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芥川賞作家「石原慎太郎」の頂門

頂門の一針《頭の上に1本の針を刺す意から》人の急所をついて強く戒めること。急所を押さえた教訓。

それを憚らないでできた人が「石原慎太郎」ではなかったかと思う。2022年2月1日(89歳)でなくなり、ほぼ1年が経って追悼の意味もあって、記事引用掲載した。

拙著、その前が「三島由紀夫」だったので、そこでも石原慎太郎との交流も語られていた。
都知事時代も含め、むしろそのダーティーなイメージとしての残照もある。
いずれにしても若いころの論客であり、現代メディアの寵児「成田悠輔」氏と、比較対象するには的外れだが、近似化とし宮台 真司氏と、動画対談があるので、少しは参考になる。出来ればそこに「成田悠輔」氏がいたらどうなるか、という展開も図ってみたが、ときすでにおそしの感あり。


2023年02月07日

石原慎太郎インタビュー1.2

【追悼:石原慎太郎インタビュー】石原慎太郎はなぜ『「NO」と言える日本』を書いたのか
アメリカ人の神経を逆なでした男
PRESIDENT Online
<石原慎太郎・元東京都知事が死去した。芥川賞作家として鮮烈にデビューした後、政界に転じた石原氏は1989年にソニーの盛田昭夫会長と『「NO」と言える日本』を出版。貿易摩擦問題を抱える日米関係に大きな一石を投じた。ニューズウィーク誌1989年11月23日号に掲載した記事とインタビューを再録>
石原慎太郎・元東京都知事 1995年4月14日撮影写真=時事通信フォト2月1日に89歳で死去した石原慎太郎1995年4月14日撮影 2022年2月1日に89歳没

『「NO」と言える日本』~アメリカを駆けめぐる海賊版『「NO」と言える日本』・米国人の神経を逆なでした盛田昭夫と石原慎太郎の共著~(1989年11月23日号)
最近アメリカの有力者の間でこれほど有名になった本も珍しい。ワシントン・ポストは「反撃すべき点が多い」と評し、ニューヨークタイムズも「ワシントンの必読書」と書き立てた。
二人の著者はさぞかしサイン会や印税の計算に忙しいだろうと思いきや……。意外なことに、1人は書いたことを後悔し(盛田)、両人ともアメリカからの印税は1セントも受け取っていないという。
事実、この「本」は(実はタイプ原稿をコピーしたもの)は、まだアメリカのどの書店でも売られていない。今年初めに光文社が出した『「NO」と言える日本』(盛田昭夫ソニー会長と石原慎太郎衆議院議員共著)の英訳海賊版なのである。

翻訳したのはCIA(米中央情報局)のアナリストだとか、ペンタゴン内部の人間だなどと噂されている。いずれにせよこの海賊版が、加熱ぎみの日米関係の新たな火ダネとなったことだけは確かだ。
米国版地下出版(サミズダード)は2、3カ月前に連邦議会に現れ、シリコンバレーや大学関係者を経由してマスコミの手に渡った。その最もきわどい部分――とくに石原語録――は、アメリカ人に格好の話題を提供している。
たとえば「ヒステリックなアメリカ議会は信用できない」、在日米軍はときに「狂犬」のようだ、など……。
激怒したり、わが目を疑ったり、アメリカ人の反応はさまざまだが、ついに日本人の本音が出たとひそかに思っている向きもあるようだ。

リー・アイアコッカ・クライスラー会長は、こう反撃した。「この本のヒステリックな論調は傲慢な愛国主義者を思わせ、アメリカ人の多くは侮辱されたと感じるだろう」

石原は、この共著で次のように説いている――日本は経済力に見合う世界的な政治力を身につけ、対米交渉では、世界の半導体市場における影響力を行使すべきだ。また日米摩擦のほとんどの部分は、白人優位の思想から脱却できないアメリカ側に責任がある……。
盛田は、アメリカ人は「物をつくるということをだんだん忘れてきている……マネー・ゲームとかM&A(合併・買収)で儲けることに味をしめたからだ」と書いた。
とにかく日本はアメリカに「ノー」と言えるようになるべきだというのが、2人の一致した意見だ。
それによって、日本とアメリカの「逃れられない相互依存」関係に横たわる暗雲を一掃できると、盛田は考えている。一方の石原はアメリカ離れを主張し、防衛力の対米依存を減らしてアジアとの関係を強化すべきだと考えている。
盛田の国際人としての名声に傷がついたこの本がアメリカでこれほど評判になったのは、盛田の知名度によるところが大きい。ソニー会長の盛田がアメリカで最も有名で最も好感を持たれている日本人ビジネスマンであるのに対し、石原はほとんど無名の存在だからだ。事実、盛田が担当した章はほとんど攻撃されていない。だがアメリカ人の多くは、盛田が石原の見解に同意するがゆえにその「名声を貸した」のだと受けとったきらいがある。
盛田は最近、ワシントン・ポストのコラムニストに対し、この本の出版を「後悔している」と語り、石原を「極端だ」と評した。また同書をアメリカで出版する意図はないとも語ったが、それはかえって国の内外で二つの顔を使い分けている印象を与えることになった。

エズラ・ヴォ―ゲル・ハーバード大学教授は、「国際人すぎる」という国内のイメージを打ち消そうとする盛田の勇み足だったのではないかと言う。これまで日米間のよき架け橋とみなされてきた盛田が今や問題の一部となったようだと、ロサンゼルス・タイムスは書いた。
盛田にとっては最悪のタイミングだった。ソニーがコロンビア映画社を買収し、全米に衝撃を与えたばかりだからだ。盛田は、問題の著書の公式な英訳出版を禁じたという。
ワシントンの対日強硬派は、格好の攻撃材料を見つけた。米政界で唯一人、海賊版を配布したことを認めたメル・レービン下院議員は、日本との競争が予想される高品位テレビ(HDTV)の生産に補助を出すよう要求している。
一部の議員たちはこの本を引き合いに出して、外国からの防衛関連産業への投資とソニーによるコロンビア買収を強く批判している。
「日本が、半導体をソ連に売ってアメリカに売らないと言えば……軍事力のバランスはがらりと変わる」とする石原の見解は、半導体の供給を外国に大幅に依存すべきでないというアメリカ国防総省の警告を裏づけているように思える。
もっともワシントンの貿易タカ派でさえ、アメリカの半導体生産能力が日本より劣っているとは考えていない。「石原はアメリカの軍需産業基盤を過小評価している」と、レビーンは語っている。
「人種偏見」と指摘され憤まんやるかたない米国人石原発言のなかでアメリカ人が最もいらだちを覚えるのは、「日米間の問題には……人種偏見がある」という主張だ。その証拠にアメリカは日本に原爆を落としたではないか、と石原は言う。
人種偏見は、アメリカで深刻な社会悪とみなされている。外国人を受け入れないことで知られる日本人からこんな非難を浴びせられたアメリカ人は、憤まんやる方ないのだ。
「私が日本で受けた差別に比べれば、日本人が受けている差別などとるに足りないだろう」と、投資家のT・ブーン・ピケンズは語る。彼は小糸製作所の株を買い占め、役員を派遣する権利を得ようとしている。
人種差別だとの非難は、アメリカの対日批判をことさら軽視するための方便だとみる向きもある。「深刻な貿易摩擦が起きているのに、人種偏見の一言で片づけるのはまちがっている」と、レビーンは言う。
ヴォーゲル教授も、この見方を支持している。「人種偏見を問題にすれば、自分たちは被害者で外国人は侵略者だと考えることができる。日本人は、こうした被害者意識に陥る傾向が強い」
容赦ないアメリカ批判にもかかわらず、『「NO」と言える日本』にもアメリカ人のファンはいる。「日本人は単なる技術の模徹者ではないし、私たちはそのことを認める必要がある……この本は人々の目を覚まさせるかもしれない」と、コンピュータ業界誌の発行人ナンシー・マグーンは語る。
実際、アメリカ人は石原が言うような狭量な国民とは程違い。あらゆる意見に公平に耳を傾けることが、アメリカ人の美徳なのだ。

なかには、この本はアメリカ人の助言に従っただけだとみる人もいる。マニュファクチャラース・ハノーバー・トラスト銀行のロバート・シャープ副頭取は言う。「われわれは、日本人にこう言ってきた。控えめすぎるのはよくない。何かよからぬことをたくらんでいるのではないかと疑惑を招くだけだ、と」

とはいえ『「NO」と言える日本」のようなギラギラした本が日本からあと数冊出れば、アメリカ人は日本人が遠慮がちだった昔を懐かしむようになるかもしれない。(次ページに石原氏インタビュー)
石原慎太郎議員に聞く「白人の優越意識は時代錯誤だ」——あなたは最近の著書で、アメリカの対日姿勢は人種偏見に基づいていると主張したが……。
近代主義のほとんどは白人によって築かれたので、そのことが文明・文化における優越感につながっている。日本人以外の有色人種はおおむね近代化に失敗しているから、偏見が生まれるのはある意味で自然といえる。
だが日米両国が主導権を握り、高度な技術体系をベースにした新しい文明を築こうとしているときに、過去の感情に引きずられるには大きな損失だ。

——アメリカが日本の市場構造を批判するのも、人種偏見なのか。
文化というものは、違うからこそ価値がある。日本の経済社会には確かにまだ閉鎖的な部分が多いが、それを開放することと、アメリカと同じ構造にすることは別問題だ。
——アメリカの、日本に対する人種偏見の具体例を示してほしい。
『誰がビンセント・チンを殺したか』という記録映画で、若い白人工場労働者が中国人を日本人だと思い込んで殺した事件が扱われていた。日本人はけしからんと殺したわけだ。それがすべてとは言わないが、白人の潜在意識という点でアメリカの重要な側面を象徴していたと思う。
——たった一つの事件を根拠に文化全体を論じるのは危険ではないか。それでは、南京大虐殺を例に現代日本人を論じるのと同じだ。
南京大虐殺は虚構であり、でっち上げだ。日本人が多くの中国人を殺したのは確かだが、南京で大量の虐殺はなかった。だが、中国人は確かに殺されている。
——日本人に人種差別はない、と?
それはあった。今もあるだろう。ただ私は、日米両国が協力していくべき時期に、人種が違うというだけで過去の感情に引きずられるのは無意味だと思うのだ。
——アメリカが日本に対して不満を抱く理由は理解できるか。
アメリカの不満には、正当なものもある。だから私は本の中でも、日本の政治家にはアメリカに「ノー」と言う前に、日本にも「ノー」と言わねばならないと主張しているのだ。
——あなたの主張は、日本人のアメリカ観に影響を与えたと思うか。
これまでにこの国には、アメリカにはっきり「ノー」というべきときもあると主張した人はいなかった。だから、日本人は少しびっくりしたようだ。だが、激烈な調子ではなく、冷静に現状を判断する材料を読者に提供したつもりだ。

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「ニューズウィーク日本版」当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。 元記事 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/02/no-14_1.php

2022年2月1日(火)18時25分
ジェフ・コープランド、ドリアン・ベンコイル 画像 2022/2月1日に89歳で死去した石原慎太郎・元東京都知事(2003年)Issei Kato/Reuters


日本にはまだ石原慎太郎が必要だ
 2010年03月22日(月)09時21分https://www.newsweekjapan.jp/column/tokyoeye/2010/03/post-149.php


【宮台真司】伝説の対談【石原慎太郎】 2006年 Part 01 [ 1/4 ]
2022/02/03今は亡き石原慎太郎氏との対談。
【宮台真司】伝説の対談【石原慎太郎】2006年 Part 02 [ 2/4 ]社会学者であり東京都立大学教授として活躍する宮台真司先生が、複雑に入り組んだ社会を、刺激的かつ静かに切り伏せます。
宮台 真司(みやだい しんじ)東京都立大学教授/社会学者
1959年仙台生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授を経て現職。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-』、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』、共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』など。 「オウム事件真相究明の会」呼びかけ人。クリスチャン。





0207石原慎太郎


編集構成#つしま昇


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