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EV HV・「Hybrid Vehicle」の丁半博打

車業界、各社低迷でそれでも新車出す理由

何が問題か、それが判らない深刻重大な首脳の悩み


Credit:Nissa


脱エンジン目標を掲げるホンダの"あの手この手"

2040年までに新車販売をすべてEVとFCVに 横山 隼也 : 東洋経済 記者
米国と中国ではEV戦略に暗雲漂う中、電力インフラ事業にも触手。

ホンダ初の量産型EV「ホンダe」
ホンダ初の量産型EV「ホンダe」は2024年1月に生産を終了する
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ホンダe

Vシフトの流れが変わり始めた。保護主義の高まりにより資源調達や製造の面で難題が噴出。販売停滞を見据え、欧米勢は投資計画の縮小に動く。
『週刊東洋経済』1月6-13日 年始合併特大号の第1特集は「EVシフト 絶頂と絶望」。アメリカのテスラと中国のBYDがグローバル市場を席巻する中、日本勢はどう動くか。熾烈なEV競争の最前線に迫った。
週刊東洋経済 2024年1/6・1/13年始合併特大号(EVシフト 絶頂と絶望)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年1/6・1/13年始合併特大号(EVシフト 絶頂と絶望)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら
日本勢で唯一、脱エンジン目標を掲げるホンダ。2040年までに新車販売をすべてEVとFCV(燃料電池車)にする計画だが、正念場を迎えている。

提携する米ゼネラル・モーターズ(GM)とは共同開発中だった量販価格帯の中小型EVについて商品化を断念した。

両社の工場を活用して数百万台規模の生産体制を構築し、スケールメリットを出す狙いだったが、「商品性と価格のバランスを取ることが難しくなったため」(ホンダ)だという。

ホンダにとってこのプロジェクトは、30年までにEVを世界で30車種投入し、EV販売を年間200万台にまで引き上げる計画の一翼を担う予定だった。

専用プラットフォーム(車台)として他地域への展開も視野に入れていただけに、中止の影響は北米事業だけにとどまらないとみられる。

ブランド力はもはやなくなっている
さらに中国では、広州汽車集団との合弁会社・広汽ホンダの工場で働く派遣社員を約900人削減することを決定した。全体の7%に当たり、対象者には金銭補償も行う。同社の生産台数は23年10月時点で前年比2割近く減少しており、ホンダは「生産調整を行っているため」と説明する。

中国ではBYDなど現地勢を軸にEVの市場拡大が続く。

ホンダもEVを複数車種投入しているが、競合他社に押され販売は思うように伸びていない。ホンダの苦戦ぶりについて、あるホンダ系部品メーカーの首脳は「ホンダだから買うというようなブランド力はもはやなくなっている」と言い切る。
以下割愛

日産低迷、「売れる車がほとんどない」北米の窮地
2024年11月22日 5時40分 東洋経済オンライン
日産の経営陣は北米事業の悪化に「気づいていなかった」?(写真:尾形文繁)

目下、業績が大幅に悪化している日産。国内のほかの自動車メーカーと比べても、その苦境は際立っている。半年で2度の業績見通しの下方修正に至った背景について、担当記者が解説する。

※記事の内容は解説動画「【上半期利益は9割減】「100万台増」計画を事実上撤回/株価低迷でアクティビストも参戦/経営の判断ミスはどこに」からの抜粋です。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。

編集:田中険人
――11月7日に発表された中間決算で、日産は、業績の下方修正をしました。第1四半期に続いて、これが2度目。なぜ短期間のうちに、ここまで見通しが変わってしまったのでしょうか。

端的に言えば、主力の北米や中国の事業が急悪化しているのが要因です。それにもかかわらず、日産の見通しはこれまで非常に甘いものでした。

2024年7月に発表した第1四半期の営業利益は、前年同期比99%減の10億円にとどまりました。このとき、会社は通期の利益見通しを6000億円から5000億円へと修正しましたが、これもマーケットからは「過大な計画」とみられていました。

今回発表した上半期の営業利益は、前年同期比9割減の329億円というもの。これを受けて、会社は見通しを再び下方修正。利益を5000億円から1500億円へと、追加で7割も減額しています。ここでようやく「業績の悪化」を認めた形となりました。

今回日産は、グローバルでの生産能力の2割削減や9000人のリストラも発表しています。かなり厳しい状況です。

日産「固有の課題」はどこにある?
――ほかの日系自動車メーカーと比べても、業況が際立って悪いと思います。日産が抱える固有の課題があるのでしょうか?

中国事業の悪化は日産だけが見舞われている事態ではなく、ホンダやドイツのフォルクスワーゲンなど、外資メーカー共通の課題です。BYDを始め中国の現地自動車メーカーが販売シェアを伸ばし、日系を含む外資は工場の閉鎖を進めるなど、生産規模を縮小しています。

日産固有の課題は、アメリカの販売不振にあると言えるでしょう。

――アメリカは、中国に次ぐ世界2位の自動車販売市場ですよね。

ホンダやトヨタは中国が悪化しても、もう1つの主力市場・北米で稼げます。アメリカでは、現在ハイブリッド車の需要が拡大していて、トヨタやホンダは比較的好調です。

一方、日産はハイブリッド車を北米に投入できていません。それどころか、新しい車種の投入や主力車種のフルモデルチェンジも遅れています。日産社内でよく言われていることのようですが、「売れる車がほとんどない」状況です。

日産は、カルロス・ゴーン元会長の時代に北米で拡大戦略に走った過去もあり、アメリカ市場では値下げをしないと売れない「安売り」の悪いイメージも残っています。

売れる車がない中で、インセンティブと呼ばれる販売奨励金を積み増しており、それが日産の利益を圧迫している状況です。

コロナ後の「造れば売れる」時期は終わった ―経営陣は北米事業の悪化に気づいていなかったのでしょうか?

気がつくのが遅かった、あるいは、気づいていても引き返せなかったのではないでしょうか。

日産の内田誠社長は、2024年3月に中期経営計画を発表しました。そこで、2026年度までに「全世界で100万台の販売増」という強気な目標を掲げました。ただ、これは当然の話ですが、商品力がないのに、販売台数の高い目標を掲げても売るのは極めて難しい。

ここ数年の業界の様子を振り返ると、コロナ禍の後の半導体不足で、しばらく「車を造れば売れる」という特異な状況が続いていました。ただ、今はこうした問題もおおむね解消し、自動車メーカーの本来の実力が業績の明暗を分けるようになってきました。

先ほど指摘したとおり、アメリカで新車を投入できていない、(安売りで)ブランドは毀損している、目下売れ筋のハイブリッド車もラインナップにない。それなのに100万台の販売増という計画を掲げたのは、経営の判断ミスだろうと思います。

実際、内田社長は「われわれの販売計画がストレッチしすぎたものであることは否定できない」と、11月の決算会見でコメントしています。発表からわずか7カ月で「100万台」目標を実質的に撤回した格好です。

(秦 卓弥 : 東洋経済 記者)


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