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近代世界の中の呪詛呪縛

『火垂るの墓』と『君たちはどう生きるか』

この二つを同系列に並べて語ることは、とても難しいのですが、内容はいずれも日本の戦争(戦禍敗戦)の話であることに違いはありません。

昨日のニュースでありましたが、その遺族(70歳以上高齢化)しており、このことが、こうした慰霊行事が風化するのでは、という懸念があるとニュースは伝えていました。時の流れ、大きな時系列であるので少子化と同じ、止めようがない時事としても、この8月15日の、慰霊行事が限定日本であるような気がするのは、私だけなのでしょうか。

こうした問題、他にも金銭やり取りを語るなど、日本ではアンタッチャブル域、触ってはいけない不文律、公衆の場では憚られる、とする空気の読み方、に支配され、それは2000年来の呪詛的でそれに呪縛されている社会性、といったら言い過ぎなのでしょう。

ですから簡単には変えられない人の性癖というのは、このあと2000年に渡って継続すると私は予想しています。

『君たちはどう生きるか』、吉野源三郎の同名小説に由来しており、原作ではないが同小説が主人公にとって大きな意味を持つ。
太平洋戦争中、母親の死をきっかけに田舎に疎開した眞人という少年が、新居の近くで廃墟となった塔を発見し、人間の言葉を話す謎の青サギと出会い、彼と共に幻想的な「下の世界」へと足を踏み入れるストーリー。

公開前も公開後もほぼ情報を明かさず、予告も制作しない手法を取った。また、『魔女の宅急便』以降制作に携わっていた日本テレビやディズニーなどが関与せず、かつ2023年10月6日に日本テレビホールディングスの子会社となる前の「スタジオジブリ」作品では唯一となる単独出資映画となった。

日本時間で2024年3月11日に授賞式が行われた第96回アカデミー賞で、日本映画としては『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりとなるアカデミー長編アニメ賞を受賞した。

物語
現実世界における塔との出会い

太平洋戦争が始まってから3年目に、眞人は実母・ヒサコを火災で失う。軍需工場の経営者である父親の勝一はヒサコの妹、夏子と再婚し、眞人は母方の実家へ工場とともに疎開する。

疎開先の屋敷の近くには覗き屋の青サギが住む塔が建っていた。この塔を不思議に思った眞人は土砂で半ば埋もれている入り口から入ろうとするが、屋敷に仕えるばあやたちに制止される。
その晩、眞人は夏子から塔は、大伯父によって建てられ、その後大伯父は塔の中で忽然と姿を消したこと、大水が出たときに塔と母屋をつなぐ通路が落ちて迷路のようなトンネルが見つかり、危なかったので夏子の父親(眞人の祖父)によって入り口が埋め立てられたことを告げられる。

転校初日、勝一の車に送られて登校した眞人は学校でうまく馴染めず、帰り道で地元の少年らから殴る蹴るの暴行を受ける。
その後、眞人は道端の石で自分の頭を殴って出血を伴う大ケガを負い、屋敷で手当を受けるが自室で寝込んでしまう。
翌朝、部屋につきまとう青サギを退治に木刀を持って庭の池の淵に出た眞人に、青サギが突然襲いかかる。人の言葉をしゃべる青サギから「母君のご遺体を見ていらっしゃらないでしょう。あなたの助けを待っていますぞ」と話しかけられ、操られた魚やカエルたちに全身を包み込まれたが、眞人を探しに来た夏子とばあやたちに助けられる。

青サギの声に促されるまま足を踏み入れるが閉じ込められてしまう。塔内で待ち構えていた青サギに、偽物のヒサコを見せられて怒った眞人は、青サギの弱点である青サギの羽根「風切りの七番」を矢羽根にした矢を放ち、青サギの嘴を穿つ。すると青サギは半鳥人の姿(サギ男)から戻れなくなってしまう。塔の最上階にたたずむ謎の人物に命令され、眞人とキリコばあやは「下の世界」へいざなわれていく。

中略

下の世界との遭遇
「下の世界」に落ちた眞人はペリカンの大群に襲われ、「我ヲ學ブ者ハ死ス」と刻まれている墓の門を開けてしまうが、通りすがりの若い船乗り・キリコに助けられ、成り行きでキリコの仕事を手伝う。「下の世界」のキリコは魚を捕ることを生業としており、殺生ができない「下の世界」の住人に与えるため、また人が生まれる前の魂たち・ワラワラを飛ばすのに魚の内臓が滋養になるという。仕事を終えた月夜、眞人はキリコの部屋の庭の隅にある便所を出ると、目の前で多くのワラワラたちが風船のように一斉に飛び始めた。
すると、それを狙ってペリカンたちがワラワラに襲い掛かり、捕食を始めた。
そんな中、舟に乗って現れた火を操る少女・ヒミが自らの力を使って花火を打ち上げ、ペリカンたちを撃退する。
ワラワラたちも巻き添えになる中、止めろと叫ぶ眞人だったが、ヒミがいないとワラワラたちは上の世界へ行けずすべて食われてしまうとキリコはつぶやき、ヒミに感謝の言葉を投げかける。眞人は床についたあとも寝付けず、物音を聞いて再び庭に出てみると、便所の横で花火の巻き添えで瀕死状態となった老ペリカンと出会う。老ペリカンは、「我が一族はワラワラを食うために連れてこられた」「この世界の海には魚がほとんどおらずワラワラを食べるほかなすすべがない」「ここは呪われた海だ」などを眞人に語った後、力尽きてしまう。
どこからともなくやってきた青サギを横目に、眞人は丁重に老ペリカンを埋葬する。翌朝、青サギに手伝わせて水くみをしていた眞人だったが、青サギと和解するようキリコに諭されながら、二人が協力して夏子を探しに行くよう提案され、お守りの人形を渡されてキリコのもとを離れる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『火垂るの墓』
野坂昭如の短編小説で、野坂自身の戦争体験を題材とした作品である。兵庫県神戸市と西宮市近郊を舞台に、戦火の下、親を亡くした14歳の兄と4歳の妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするが、その思いも叶わずに栄養失調で悲劇的な死を迎えていく姿を描いた物語。

愛情と無情が交錯する中、蛍のように儚く消えた2つの命の悲しみと鎮魂を、独特の文体と世界観で表現している作品。

特にアニメーション映画は、戦災孤児が直面する厳しい現実を一切の妥協なしに描いたことから、戦争の酷さを後世に伝える作品として高く評価された。併せて、この映画で小道具として登場したサクマ式ドロップスも人気を博した。(缶に入れた位牌)
日本では他にもテレビドラマ化、実写映画化が行われた。イギリスでも実写映画化が予定され、撮影は2014年から行われるはずだったが、結局、実現しなかった。

駅構内で死んでいった主人公の少年の腹巻きの中から発見されたドロップ缶を駅員が放り投げると、その拍子に蓋が開いて缶の中から小さい骨のかけらが転げ出し、蛍が点滅して飛び交う。

そして、その骨が少年の妹の遺骨であることの説明から、カットバックで時間が神戸大空襲へ戻っていき、そこから駅構内の少年の死までの時間経過をたどる効果的な構成となっており、印象的で自然な流れとなっている。

以下割愛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

画像 神戸の戦災跡ウイキペディア


野坂昭如 著 「火垂るの墓」


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