どこへ行く「東奔西走」東へ西へ
未曽有の経済システム
リーマンショック以来(2008年9月、アメリカの有力投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻し、それを契機として広がった世界的な株価下落、金融不安(危機)、同時不況を総称する。)世界はカオスから抜け出せない。
大方、そんな予想で情報が推移している。と云っても、世界経済データを生業としている会社また社員は、独自の分析データによって、何が儲かるか、を計って顧客に提供して、利ザヤを稼ぐ。
昨日の孫正義の巨額ファンドは、そのよい例で、われわれにしてみれば井戸端テーマとして面白いが、実際のところ仮想話でしかない。
なぜなのか、と思ったので、少しは経済を勉強してみれば、それが判るかと、日ごろテレビで競馬の話しをしている経済学者の談話を読めば、足しにはなるかと、記事を漁ってみた。
当然内容が専門であり、詳しいことは理解しないが、そんなことは意に介さず、と全文には目を通した。
それで思うのは、この経済見通し程、あてにならないものはないし、宝くじと同じで、ホントに当選者がいるのか、と疑ってしまうほど馬耳東風の風が吹いている。
それはどんなことかと云うと記事執筆主「小幡 績」氏の経済指標と、元日銀黒田氏の経済指標のとちらが正しいか、といったら、わからない。もっとも判るくらいなら、競輪予想屋は存在しないし、日銀総裁だってやることもない。
昨日のウィーワーク「アダム・ニューマン」にしてみれば、ゴタクを云ってる間があったら100人集客しろ、という話しだ。被害を被ったものは「詐欺師」と観るし、そうでないものはシリコンバレー新規スタートアップカリスマだと賞賛する。とっちがホントなんだね。
極め付きが「シュンペーター」だという。少し前まで、「ケインズ」だったが、それも古くなったようで、それとは別ものが欲しい。やはり、ジャンルを問わず新しさが必要のようだった。
■シュンペーターは、カール・マルクスを評価していた。『経済発展の理論』日本語訳(1937年)に寄せられた「日本語版への序文」では、「自分の考えや目的がマルクスの経済学を基礎にしてあるものだとは、はじめ気づかなかった」「マルクスが資本主義発展は資本主義社会の基礎を破壊するということを主張するにとどまるかぎり、なおその結論は真理たるを失わないであろう。私はそう確信する」と述べている。部分引用
総括にはならないが、陽水の「東へ西へ」のフレーズが浮かんだのでYouTubeを張ってみた。
ビートルズの「now and then」とは比較対象にはならないが、世界スケールという数値だけで対比してみれば、歴然とその違いは判る。
それはアーティスト陽水としてのネームバリューではなく、日本のランク付けであり、GDP西洋指数でいうならランク外転落、という烙印は、これから先、ずっと付きまとうタグなんだろう。
以下引用記事は、一部重複する。
このままいくと、日本は「独り勝ち」できるせっかくのチャンスを自ら台無しにすることになる
2023/11/11(土) 18:32配信 東洋経済オンライン
イノベーションとは、経済を破壊することだ。それが定義だ。
これは私の洞察ではない。かの経済学者、ヨーゼフ・シュンペーターが言っていることなのである。言っているも何も、シュンペーターの金字塔『経済発展の理論』(1912年)の中心命題である。
画像 ニューズウイーク
■シュンペーターの創造的破壊の本質とは何か
このエッセンスは、新たに登場した経済主体が、新しい生産方式を企て、この企てに対して「銀行家」が信用創造によって新しい資本を供与する。 この企てが実行され、既存の生産者による独占体制が破壊され、この新しい経済主体(彼が「企業家」である)による新しい生産方式(=「新結合」)が市場を席巻する。この方式に他の経済主体が参加、追随し、その結果、既存の経済主体で成立してきた市場の均衡が破壊され、経済は新しい均衡、次の段階に進む。これが経済発展なのである。これがシュンペーターの主張である。
このプロセスの中で、新登場の企業家の新結合が、これまでの生産者の独占を破壊すること、これが「創造的破壊」である。この「創造的破壊」を、後世の人々はイノベーションと呼んだのである。注意しなければいけないのは、現在、多くの人が、イノベーションとは創造的破壊である、といったときに、破壊が軽くとらえられ、既存の概念を壊す新しいモノ、創造的で新奇性のあるもの、というイメージでとらえられているが、シュンペーターのいう創造的破壊とは、そんな生易しいものではないし、1つの新しい商品やアイデアのことを指すのではなく、経済全体の新しい段階への進展を意味している。生産の世界で独占者の破壊が行われ、新しい生産者たちが取って代わる。この新陳代謝が経済発展をもたらす、という大きなプロセスのことを言っているのである。だから、経済発展とは拡大ではなく、成長ですらないとシュンペーターはみなしている。現在われわれが経済成長と呼んでいるものは、ただの量的膨張か、あるいは長期の持続的成長と言っても、いわば樹木が自然に伸びていくようなものであり、経済的発展とは到底呼べない。経済発展とは、現在の経済市場と将来のそれに断絶があり、新しいものが前のものに取って代わるものなのである。
この考えに基づけば、現代のイノベーションが経済成長を生み出す、というのは間違っている。持続的な成長というのは、イノベーションではなく、ただの膨張なのである。そして、シュンペーターは、この経済発展をもたらすプロセスを景気循環と呼んでいるのである。この循環によって、経済は好況、不況を経て、これまでの生産者、生産メカニズムが消滅し、新しい生産者と生産システムが経済を形作るのである。ここでの不況とは景気後退という短い一時的なものではなく、ひとつの経済恐慌に近い次元のものを指す。■シュンペーター理論とは「資本論」「資本主義システム論」 以下割愛
小幡 績 :慶應義塾大学大学院教授
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
スマホをめぐる巨大企業の争いなどは「イノベーション」や「資本主義」が何なのかを、われわれに考えさせてくれる(写真:Getty Images)(東洋経済オンライン)
ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter、1883年2月8日 - 1950年1月8日)は、オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)モラヴィア生まれの経済学者である。企業者の行う不断のイノベーション(革新)が経済を変動させるという理論を構築した。また、経済成長の創案者でもある。
一般均衡
シュンペーターは、レオン・ワルラス流の一般均衡理論を重視した。初の著書『理論経済学の本質と主要内容』は、ワルラスの一般均衡理論をドイツ語圏に紹介するものであった。しかし、古典派が均衡を最適配分として捉えているのに対して、シュンペーターは均衡を沈滞として捉えている。
シュンペーターによれば、市場経済は、イノベーションによって不断に変化している。そして、イノベーションがなければ、市場経済は均衡状態に陥っていき、企業者利潤は消滅し、利子はゼロになる。したがって、企業者は、創造的破壊を起こし続けなければ、生き残ることができない。
イノベーション
イノベーションは、シュンペーターの理論の中心概念である。ちなみに、シュンペーターは、初期の著書『経済発展の理論』ではイノベーションではなく「新結合(neue Kombination)」という言葉を使っている。これは、クレイトン・クリステンセンによる「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」というイノベーションの定義と符合している。なお、日本語では「技術革新」と訳されることが多いが、イノベーションは技術の分野に留まらない。
シュンペーターは、イノベーションとして以下の5つの類型を提示した。
新しい財貨の生産
新しい生産方法の導入
新しい販売先の開拓
原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
新しい組織の実現(独占の形成やその打破)
また、シュンペーターは、イノベーションの実行者を「企業者(entrepreneur)」と呼ぶ。この意味における企業者とは、一定のルーチンをこなすだけの経営管理者(土地や労働を結合する)ではなく、まったく新しい組み合わせで生産要素を結合し、新たなビジネスを創造する者である。この点を明確にするために「起業者」と訳されることがある。
信用創造
資本主義経済ではイノベーションの実行は事前に通貨を必要とするが、起業者は既存のマネーを持たないから、これに対応する通貨は新たに創造されるのが本質であるとシュンペーターは考えた。すなわちイノベーションを行う起業者が銀行から信用貸出を受け、それに伴い銀行システムで通貨が創造されるという信用創造の過程を重視した。貨幣や信用を実体経済を包むだけの名目上の存在とみなす古典派の貨幣ヴェール観と対照的である。
「銀行家は単に購買力という商品の仲介商人なのではなく、またこれを第一義とするのではなく、なによりもこの商品の生産者である。……彼は新結合の遂行を可能にし、いわば国民経済の名において新結合を遂行する全権能を与える」とシュンペーターは語っている。
景気循環
シュンペーターによれば、起業者が銀行からの借入を受けてイノベーションを実行すると、経済は撹乱される。そして、その不均衡の拡大こそが、好況の過程である。そして、イノベーションがもたらした新しい状況では、独占利潤を手にした先行企業に対して、後続企業がそれに追従することで、信用収縮(銀行への返済)が起こり、それによって徐々に経済が均衡化していくことで、不況になるとした。なお、これは、初期の『経済発展の理論』における基本的な見方であり、後の大著『景気循環の理論』では、景気循環の過程がより緻密に考察されている。
資本主義・社会主義
シュンペーターは、社会学的アプローチによる研究も行っている。この分野の主著である『資本主義・社会主義・民主主義』では、経済が静止状態にある社会においては、独創性あるエリートは、官庁化した企業より、未開拓の社会福祉や公共経済の分野に革新の機会を求めるべきであるとした。そして、イノベーションの理論を軸にして、経済活動における新陳代謝を創造的破壊という言葉で表現した。また、資本主義は、成功ゆえに巨大企業を生み出し、それが官僚的になって活力を失い、社会主義へ移行していく、という理論を提示した。マーガレット・サッチャーは、イギリスがこのシュンペーターの理論の通りにならないよう常に警戒しながら政権を運営をしていたといわれている。
また、シュンペーターは、カール・マルクスを評価していた。『経済発展の理論』日本語訳(1937年)に寄せられた「日本語版への序文」では、「自分の考えや目的がマルクスの経済学を基礎にしてあるものだとは、はじめ気づかなかった」「マルクスが資本主義発展は資本主義社会の基礎を破壊するということを主張するにとどまるかぎり、なおその結論は真理たるを失わないであろう。私はそう確信する」と述べている。
ほか、経済学史家としても仕事をしており、初期に『経済学史』を著し、晩年に大著『経済分析の歴史』を執筆、没後に遺稿を元に出版されている。
日本でのシュンペーター評価の高さは、その門人の高名さ、翻訳の多さ、そして著作での言及・引用の多さにも負う。シュンペーター門下の日本人経済学者としては、ボン大学時代の留学生である中山伊知郎、東畑精一、同じくハーバード大学時代の柴田敬、都留重人などがいる。
なお、伊東光晴によると、
「日本の経済学者でシュンペーターのもとを訪れた者のうち、シュンペーター自身が、来る前から異常に高く評価したのは柴田敬であり、来た後に高く評価したのが都留重人であって、これ以外の人についてはほとんど評価していない」とされている。
小室直樹は、シュンペーターの業績は経済学界ではさほど継承されておらず、むしろ経営学によって、その発想や視点が旺盛に摂取されていると述べている。また小室は、シュンペーター自身は数学は得意ではなく、弟子のポール・サミュエルソンの数学の講義を聴いて勉強したと書いている。ウイキペディア
『経済発展の理論』に描かれたイノベーションの5分類
坪井賢一:コラムニスト 経済・政治
経済学 シュンペーターの冒険編 2008.10.29 0:30
このシュンペーターの代表作は、彼の経済観から理論的枠組みまで、のちの著書の主題まで含んだもので、お忙しい方は本書だけ読めばシュンペーターの経済学の概要を知ることができる。もっとも、本書を読み通すこともなかなか難しいかもしれないので、本稿で重要部分をダイジェストしておこう。本書はシュンペーターの著書では現在まで強い影響を維持している唯一の書物である。なかでも第二章がポイントとなる。
シュンペーターが考える経済発展とは、第一に内生的、自発的に生まれる経済の循環的変化であり、第二に非連続的な変化である。内生的な変化とは、「経済が自分自身のなかから生み出す経済生活の循環の変化のことであって、外部からの衝撃によって動かされた変化ではなく、自分自身に委ねられた経済に起こる変化にしぼられる」と、伊達邦春先生は述べている(★注1)。冒頭引用
井上陽水 「東へ西へ」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?