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投票前のトランプ(テスラ)へのプレッシャー記事?

■「テスラは依然として優れたクルマを作っているが、この会社はマスクの政治的主張のために、時間が経つにつれて新規の顧客を獲得することが難しくなるだろう」と、ロサンゼルスの資産運用会社ガーバー・カワサキのロス・ガーバーCEOは述べている。部分引用

これも一つの選挙投票材料であることに違いはない。また、その中でも「テスラはこの日、予想を上回る売上高と純利益を報告して株価を急騰させた」とあって、テスラ株の本人攻防が功を相していることが判る。これも一つの駆け引き材料なんだろう。日本とは全く違って、あからさまな駆け引きが、公然とやっていることが、むしろ判り易くていいかもしれない。

その、冒頭の記事、マスク政治参与は結果的にテスラに悪影響をもたらす、という見方の予想は、大方、間違いでもなく、テスラ販売の大多数顧客が、民主党富裕層であることを考慮すれば、まともなロジックにもとれた。そのことは、トランプ陣営共和党と、どのようなタイトロープがあるか詳細なテクニックは知らないが、イーロン・マスクのしたたかな読みが隠されていることは知る必要があった。

それとは別に、いわゆる「ラストベルト」(USスチール問題も含めて)票に対する攻防については、国内でもあまり記事になっていないが、アメリカでEV車が売れるということは、すなわちガソリン消費が減収することであり、まして、テスラと競合する中国BYDが急伸して市場を奪取していることは、ダブルリスクの中に、さらにテスラが絡み、そして本家本元USスチールが日本に買収される、という即時危機感は、時がとき、場合が場合だけに、そのオールド街の住民は、複雑な気持ちで投票する必要に迫られている。

そんなことを考えれば、鉄鋼も救って、世界一位の採掘石油を確保し、さらにテスラ販売で世界を制し、忍び寄る中国BYDバッテリー脅威を、いかに封印するか、この選挙結果に掛かっている。

かつてそれと同じようなことが日本にもあって橋本政権時代のバブル醸成発起とその後の崩壊消滅、さらに続いて安倍政権時代の「アベノミクス」において「大胆な金融緩和の効果として、それまでの極端な円高・株安の是正が進んだことで株価は3倍になり、円安・株高に連動する形で輸出や設備投資も増えた。特に設備投資は将来の収益期待が高まると増加するためアベノミクスは外需だけでなく内需に大きな効果があった。経済政策の最大の目標である雇用の増加にも効果が出た。」と、未曽有の策定で長期政権を維持した。
そしていま、中国では、経済バブル崩壊だと世界中が騒乱状態にある。またウクライナに北朝鮮を派兵するという秘策で、紛争は止むどころ益々拡大に向かう。
そんな中のアメリカ大統領選挙開票は、固唾をのんで見守るのは日本以外に、注視している国が沢山いるはずだ。

もっか開票中(11/5 8:00-日本時間)のアメリカ、あとすこしで「天下分け目の関ヶ原アメリカ」を世界中がみることになる。


トランプが勝っても「テスラの未来は暗い」、マスクの暴走で顧客離れ鮮明
2024.11.05 12:00 Alan Ohnsman | Forbes Staff

2024年10月27日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたドナルド・トランプの選挙集会に登壇したイーロン・マスク(Michael M. Santiago/Getty Images)


Getty Images

イーロン・マスクが、気候変動への取り組みを後退させることを約束するドナルド・トランプを熱烈に支持していることは、民主党の支持者をコアな顧客層とするテスラにとって明らかなマイナスだ。

マスクは、10月23日のテスラの第3四半期(7~9月)の決算発表の電話会談にトランプへの支援活動を一時中断して参加した。テスラはこの日、予想を上回る売上高と純利益を報告して株価を急騰させたが、この好調は長続きしないという見方が浮上している。

「テスラは、依然として優れたクルマを作っているが、この会社はマスクの政治的主張のために、時間が経つにつれて新規の顧客を獲得することが難しくなるだろう」と、ロサンゼルスの資産運用会社ガーバー・カワサキのロス・ガーバーCEOは述べている。かつてマスクの大ファンだった彼は、今もなお5200万ドル(約80億円)相当のテスラの株を保有しているが、「イーロンは、自身の右寄りな政治的信条がテスラに与える悪影響から目を背けている」と述べている。

複数の調査データが彼の見方を裏づけている。調査会社ストラテジック・ビジョンのデータによれば電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車を購入しようとしている人の46%が民主党支持者だと特定されているのに対し、共和党支持者の割合は20%台に留まっている。また、エドマンズの最新調査では、新たなクルマの購入を検討する人の31%が、マスクの言動の影響で「次のクルマにテスラを選ぶ可能性が低くなった」と答えていた。

「マスクの言動は、テスラから民主党の支持者を遠ざけている」とストラテジック・ビジョンのCEOのアレクサンダー・エドワーズは語り、「共和党の支持者の購入意欲を高めることにもつながらなかった」と付け加えた。

マスクの政治への賭けは、テスラが逆風に直面する中で行われている。同社は、第3四半期の販売台数を伸ばすことに成功したが、世界の年初からの販売は2.3%減少している。コックス・オートモーティブによれば、9月までの米国におけるEV全体の販売台数は8.7%増加したにも関わらず、テスラの販売台数は4.5%減少していた。さらに、テスラにとって米国で最大の市場であるカリフォルニア州における販売台数は、今年約13%減少した。

テスラに見切りをつける投資家

マスクのトランプへの熱烈な支持と、「DEI」と総称されるダイバーシティや公平性、包括性に反発する姿勢は、約18億ドル(約2740億円)相当のテスラ株を所有する米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州公務員退職年金基金(カルパース)にテスラへの投資を見直させる事態にもつながった。

一方、バイデン政権のクリーンエネルギー政策に反発するトランプは、当選すればマスクを政権の要職に起用する意向を示しているものの、自動車業界のアナリストは、トランプがEVの購入者向けの補助金を終了させると述べていることから、「EVの成長は鈍化する」と予測している。世界一の富豪であるマスクは、それでも過去1年間で、自身のスーパーPAC(特別政治活動委員会)を通じてトランプと共和党に1億2000万ドル(約184億円)以上を献金している。

一方、マスクがX(旧ツイッター)上でトランプへの支持を呼びかけ、誤情報を拡散していることも大きな問題だ。マスクが立ち上げたスーパーPACである「アメリカPAC」は、カマラ・ハリス副大統領が「全国的な銃の買い取りキャンペーンを強化している」「石油やガスの採掘で用いられるフラッキング(水圧破砕法)を禁止しようとしている」などという虚偽の主張を展開する「Progress 2028」というサイトを支援しており、マスクのxAIのチャットボットGrokもXで虚偽の情報を広めている。マスクはまた、自身が作成した請願書に署名した激戦州の有権者に100万ドルの現金を配ると宣言したことで法的問題に直面した。

マスクの右派への傾倒に拒否感を示しているのは大口の投資家ばかりではない。マイアミを拠点とする写真家ナンシー・ネイのような個人投資家も今年、保有していたテスラの株をすべて売ったと述べている。

「私はマスクの反ユダヤ主義的な発言に対する嫌悪感から、テスラの株を売却しました。彼の陰謀論への傾倒や、Xを自身の狂った主張のプラットフォームとして利用していることも理由の1つです。今や彼はトランプを支持し、彼のために嘘をつき、票を買おうとしているのです」

テスラのブランド価値は9%も急落

マスクの物議を醸す見解は、テスラの評価が世界最大のブランディング専門会社のインターブランドによる最新のグローバル調査で9%も急落した理由の1つにもなっている。この落ち込みは、主要企業の中で最も大きなものだった。

「テスラのブランド価値の低下は、戦略とリーダーシップの方向性の変化の結果です」とインターブランドのグローバルCEOのゴンサロ・ブルーホは述べている。「彼らがブランドを長期的にリセットする方法はまだ不明です。マスクが政治的な領域で存在感を発揮しているとしても、テスラが今後乗り越えなければならない規制や課題、競争が激化する市場におけるテスラの立ち位置がどうなるかは未知数です」と彼は付け加えた。

日経 
マスクの保守派への肩入れは、テスラの米国で最も売れる車両セグメントへの取り組みである「サイバートラック」の発売と平行して進んでいる。見た目が物議を醸すこの車両の販売台数は、昨年末の販売開始以降に何度もリコールされたにもかかわらず、ケリー・ブルー・ブックによると今年2万8250台に達している。ピックアップトラックは、共和党寄りの購入者に特に人気があり、マスクもサイバートラックの購入者に彼らを想定していたのかもしれないと、エドワーズは語った。

「彼は新たな共和党支持者をEVセグメントに取り込もうとしたのです。けれども、これは思うようには進まなかった。共和党の支持者たちは根本的なところでEVへの購入意欲が低いのです」と彼は語った。

テスラの10月23日の決算コールでマスクは、政府の補助金込みの価格が約3万ドルの低価格のEVが来年から登場する予定で、これが新規顧客の獲得に役立つと信じていると語った。エドワーズによると、この取り組みはマスクに失望した多くの人々が、テスラが「彼らの理想的な車両」に合致するという理由からテスラに戻って来ることにつながる可能性があるが、そのような人々は、「短期的な記憶しか持っていない人々」に限られるという。

写真家のネイはそのうちの1人にはならないようだ。

「私は、EVを買おうと思ったときにイーロン・マスクのクルマだけは避けたいと思いました。私はいろいろ検討した結果、キアのEVを手に入れましたが、このクルマがとても気に入っています」と彼女は話した。

(forbes.com 原文)編集=上田裕資







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