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細野晴臣 生誕70年記念 - My Favorite Songs A~Z - 01

Inter FM897「Daisy Holiday!」
2017.7.9 25:00 - 25:30

M1 : Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive / Bing Crosby & The Andrews Sisters

M2 : Ain't Nobody Here But Us Chickens / Phil Harris

M3 : Amapola / Tino Rossi

M4 : Anastasia / Lucienne Delyle

M5 : Angel On My Shoulder / Shelby Flint

こんばんは、細野晴臣です。
今日は9日過ぎて10日ですけど、誕生日だったんで。一人寂しく音楽をかけながらコタツに入って...コタツはないね。暑いからね。

あの、自己紹介しましょうか。細野晴臣です。70歳になりました。蟹座。1947年生まれ。昭和22年。団塊の世代のまあ一番上ですよね。大体。終戦後生まれで、子どもの頃はGHQがまだいたっていう時代で、ブギウギは子どもの頃から聞いてました。まあそのくらいかな。

今日はどうしようかというと、「A」から、「A」のつく、ABC順にね、自分の好きな曲かけてきたいなと。できるところまでっていうことで。

「A」の最初の曲ね、これはビング・クロスビーとアンドリュース・シスターズで「Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive」という曲。

M1 : Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive / Bing Crosby & The Andrews Sisters

この「Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive」という曲。これはポール・マッカートニーが数年前カバーしましたね。ぼくはジョニー・マーサーが歌ってるのが一番よく聞いてたんで、自作自演なんですけど。

ジョニー・マーサーっていう人はものすごい人で、「枯葉よ〜」っていうのは英語バージョン。作詞家ですね。基本は作詞家なんですけど。「ムーン・リバー」の作詞もしてますね。大物です。まあ、今はもういないんですけど。

さて、ぼくが70歳になったということで、9日、ぼくは引退宣言を今ここでしますが、明日復帰します。なぜかっていうと明日ライブがあるんで。浅草公会堂でね。準備しないと。な〜んで今から。

えっとね、いろんなこと聞かれて50年来ました。もうインタビューされて、全部自分の中身はさらけ出しちゃったと。
まあ、でも聞かれたことは喋るんですけど、聞かれてないことも多いんですよ。
だから聞かれてないことを喋ったことがない。さあそれはなんだったけなって。忘れちゃいましたね。いろんな聞かれてないことがいっぱいあるんですけど。誰も聞かないんで忘れちゃいました。

あの、この世ってのはその、問えば答えるという仕組みになってるんですよ。問わない限り答えが出てこない。そういうわけで。

まあ自己紹介ってのはまあさっき言ったような、ざっくばらんなもので、もうちょっと詳しく言うとですね、60年代の末期にサイケバンド、エイプリル・フールというロックバンドに参加したんですね。

そこから数えて50年とかいうんでしょうね。まあプロデビューっていうか、月給もらいましたから。その頃は給料袋もらいました。振込じゃなくて。ネットもないしね。まあ、その給料がいくらだったかというと、忘れちゃったな。

で、70年代にはっぴいえんどというグループを作って、それも数年で解散しまして。ちなみにエイプリル・フールは1年か2年弱ですね。もう本当にあの時代はね、展開が早いんですよね。ですからその、やってることの中身も濃いんですけど、あっという間に次の展開になってくっていう時代でしたから。

まあ60年代、70年代はそういう、ソロも作ったり、シンガーソングライターの時代だったりね。そんな感じで過ごして来ました。以上です。

聞かれないんで、何にも喋れない(笑)。なんか聞くことある?んなことはないね、はい。

70歳になったらどうだっていうことなんですけど、周りの人は関係ないんじゃないのと。言われてます。「関係ないね」、っていう柴田恭兵を思い出して。あの人は今どうしてるかと。まあこの世代はみんな団塊なんで。まあ一休みしてる人も多いわけですから。ぼくも引退宣言さっきしましたから。1日くらい引退してようと思いますが。

「A」の部分で 「Ain't Nobody Here But Us Chickens 」。これは最近自分でもやってますね。一番好きな好きな人、いろんな人がやってるんですけどね。Phil Harrisという人のバージョン聞いてください。

M2 : Ain't Nobody Here But Us Chickens / Phil Harris

「Ain't Nobody Here But Us Chickens 」。アメリカはそのチキンの歌が結構多いんですよね。鶏好きっていうか、チキンの国なんでしょうね。Phil Harrisという人は歌手というよりもエンターテイナーで、テレビの番組持ってたりですね、ディズニーのアニメの声をやってたり、結構有名な人なんですね。

このおっさん声が好きなんです。ブギウギってこういう感じが一番いいんですよ。おっさん声って最近いないですから。みんな声高いですからね。おっさん声の後継者として自分がいるという位置付けでやってこうかなと。

ぼくは70年代の終わりにYMOをやって、80年代になると40代ですね。いろんなことをやって今に至るわけですね。もうおぼろなんですよ。もうほんと覚えきれないですね。聞かれれば答えるんですけど。誰もここにいないんで。

はい、アルファベットのABC順にかけようと思ってたんですけど、Aだけで終わっちゃう感じですよ。まあ続きがあるからね。

この番組っていうかその、このラジオの枠いろいろ変わりましたけど、放送局も。最初から数えると20年くらいこの感じでやってるんですね。結構長寿番組ですよ。そのうちなんかこう、なんかくれんのかな?(笑)おめでとうとかね。ほっとかれっぱなしですから。まあそれがいいんですよね。ほっとかれてる感じがすごい好きで。だから自由にやってるわけで。なんかこう、偉い人が来てこう、どうのこうのていったら緊張しちゃいますから。真面目になっちゃたりしてね。

それで思い出したんですけど。こないだあの、さまぁ〜ずのライブ観に行きまして。天王洲アイルの方で。銀河劇場ですね。二年に一度ライブやってるという、素晴らしいですよね。コントがメインなんですけど。その中でね、不思議な出来事があったんですけど、それは一曲聞いてから。「アマポーラ」 。「A」ですね。「アマポーラ」。

M3 : Amapola / Tino Rossi

Tino Rossi歌うところの「アマポーラ」。名曲です。いろんな人が歌ってます。

さて、さっきの話ですね。さまぁ〜ずのライブを観に行って。前も一度行ったんですけどね。二回目ですね。やっぱり面白いですよね。テレビで「さまぁ~ず×さまぁ~ず」も見てるんですけど。コントの準備に大変だっていうような話をしてた結果を観に行ったわけですね。三村さんがセリフをなかなか覚えないとか、そういう面白さもあるんですよ。ストーリー仕立てだからなんかこう覚えなきゃいけないんですよね。

そしてその、あるシークエンス。空手家の、空手やってる人かな?それは大竹さんが空手をやってて、クマを倒したというんで、素手でね。三村さんがなんか記者でね。インタビューしに行くんですよね。その空手の人の家にね。その家がなんかこう、ちょっとモダンでツインピークスみたいな部屋だったんですけど。

で、クマをどうやって倒したかというと、なんとか流とかいうんです。ちょっと覚えてないんですけど。それがなんか変な名前なんですよね。

じゃあ本人の名前はというとそれも変な名前で、「ほ」がついたのかな。「ほ」のなんとかなんとか「臣」。「臣」がついてるんですよ。で、そのモゴモゴ大竹さんが言ってて、最後にポツンと「細野晴臣」って言ったんですよ(笑) 。

こっちはびっくりしてね。準備ないっていうかそんなの。突然言われてね。びっくりしたんですよ。で、まああの、全部が終わって、プロダクションの方があの、楽屋に行きませんかって言われて。いつもなら遠慮しちゃうんですけど、そういうことがあったんで、ちょっとだけその、確かめに行ったっていうか(笑)。

挨拶しに行ったんですね。初めて会ったんですよね。楽屋入ってったら、お二人がにこやかに近寄ってくんですよね(笑)。不思議な感じです。いつもテレビで見てる人が「いるんだ!」と思ってねやっぱり(笑)。みんなそう思うらしいですけどね。そしたらぼくが来るって知らないから、偶然なんですって。向こうもだからびっくりしてましたね。

なんか頭ん中に入ってるんですね、ぼくの名前が。以前「さまぁ~ず×さまぁ~ず」のあの人形。パンダみたいな。あれが無くなった時期があって、あれが好きだったんで、知人になんかあの、関係者にただ伝言したんです。残念だと。あれが好きだったのにって。そしたら、それが伝わって、復帰してくれたんですよね。なんかそれが嬉しくて。その時になんか取り上げられて。それ以来なんか名前覚えてるんでしょうね。まあそんな関係なんです。

まあ、そういうようなことが最近あって、他にもいろんなことがあったんですけど、これは今度の機会に。時間がないんですよね。

「A」からはじまってまだ「A」なんですよ。「アマポーラ」かけて。飛ばすわけにはいかない。順番にじっくりやりたいと思います。

「アナスタシア」という曲。これはなかなかかからないですね。有名な曲なんですけど。映画で使われた曲です。Lucienne Delyleという歌手が歌ってます。

M4 : Anastasia / Lucienne Delyle

こうしてぼくは古い音楽いっぱいかけますけど、決して古いとは思ってないわけで。なぜかといえば、子どもの頃聞いてたっていう音楽はごく一部でね。50年代くらいから聞いてるんですよね。60年代になってもうポップスが大盛りというかね、花が咲いたように。フィル・スペクターが出てきたり、そこにビーチボーイズが出てきたり、ビートルズが出てきたと。それが60年代ですよ。そういう同時体験はもちろんありますけど。あ、プレスリーもいたしね。それ以前の音楽っていうのは知らないわけですから。今そういうものに非常にこう親しみを感じてるんで。なんでかわかんないですけど、これがなんか自分の中ではとても大事なんで。

例えば東京の街もね、新しいモダンなとこより、古いとこに行った方がびっくりするんですよ。商店街とかね。何も変わってないような、観光地じゃないとこ。そういうところに行くと新発見だなと思って、大きな声でちゃうんですよね。「すごい!」。「いいとこ!」。なんかワクワクするわけで。

それと同じような感じが音楽にもあると。横丁の音楽みたいなね。そういうものをこれからもやってきたいんですけど、問題があって。オリジナル作んなきゃいけない立場にも時々あるんで。もう今そうなんですけど。オリジナル作ると今の音楽になっちゃうんで(笑)。それが悩みですね。昔の音楽になんないんで(笑)。そこをちょっと自分でいろいろ折り合いをつけてやってるわけで。まあカバーが多いんですけど。この曲も、最後の曲になるかな。

「A」のほんとにまだ最初なんですけど、「Angel On My Shoulder」という曲、これやってるんですね。オリジナルでShelby Flint。この続きはまたやります!

M5 : Angel On My Shoulder / Shelby Flint


出典:

Li'l Daisy
radio "daisy holiday" playlist archive
http://daisy-holiday.sblo.jp/article/180282024.html

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