見出し画像

ログインボーナスは割増賃金か

ひと昔前のゲームは、ゲーム機を買って、ゲームカセットなりを買って、それをプレイしていた。
楽しくて楽しくて、やりたいと思ったから、食い入るように画面を見つめたし、親の目を盗んででもゲームをやりたいと思っていた。

今のゲームはスマートフォンにあるアプリケーションを無料でダウンロードして、必要になったら課金をしていく。あるいは、欲求のままに。
ログインを続けるとログインボーナスがもらえて、しかもそれは無料でゲーム内で使うときに便利で有効ななにかに変わる。
期間限定イベントが開催されればそのイベント攻略をすることでボーナスがもらえる。
まれに期間限定で、連日ログインを途切れることなくすれば特別ログインボーナスがもらえる。

ゲームが楽しくて、やりたくてやっていたはずだ。
それなのに、なぜだかログインボーナスがもらえるからと毎日ログインしていた。
……いつのまにか、楽しさはどこかへ消えて行った。

今も私のスマホには、いくつものゲームアプリがダウンロードされている。
自分のペースで進めていたときはとても楽しかった。
楽しくやっていたときは気にも留めなかった。
今は、心の底から、ログインボーナスがわずらわしい。

「ログイン××日目です。ボーナスはこれです。」

ポップアップが出るたびに憂鬱になる。

ダウンロードしたゲームを削除したい衝動に駆られる。
アプリがスマホの中に存在していることすら厭わしい。

ボーナスという言葉は、業績に応じた報奨金のことを言うらしい。
仮にログインすることが業績となるならば、ログインしないのは業績に値しないというのだろうか。


いいなと思ったら応援しよう!

にわたつみ
読んでくださりありがとうございます。もし少しでも<また読みたい>と思っていただけたなら、気が向いたときにサポートいただけるとうれしいです。