Power BI ライセンスの選び方と最適解を探る
概要(目的・背景)
ビジネスの現場では、データ分析の重要性が増しています。しかし、Power BI の多様なライセンス形態により、どのライセンスが自社のニーズに最適か判断が難しいという声をよく耳にします。本記事では、各ライセンスの特徴や違いを明確にし、最適な選択をサポートすることを目的としています。
読み手(誰に向けた記事か?)
この記事は、Power BI の導入を検討している企業の IT 担当者、または既に利用しているがライセンスの違いを詳しく知りたいと考えている、中級者向けに書かれています。具体的には、以下のような方々を対象としています。
・企業の IT 部門で Power BI の導入を検討している担当者
・Power BI を利用しているが、他のライセンスの機能や違いを知りたいユーザー
ブログの目標設定(具体的な目標)
この記事の目標は、以下の通りです。
1.各 Power BI ライセンスの特徴と違いを明確に説明する。
2.読者が自社のニーズに最適なライセンスを選択できるようサポートする。
3.ライセンス選択の際の注意点やポイントを提供する。
これらの目標を達成することで、読者が自信を持って Power BI のライセンスを選択できるようになることを目指しています。
方法(アプローチ・使用技術)
各ライセンスの詳細を以下にまとめました。ユーザーアカウントに紐づくライセンスとテナントに紐づくライセンス(プラン)の2種類あるため、注意が必要です。
1.ライセンスの種類
各ライセンスの詳細を以下にまとめました。ユーザーに紐づくライセンスとテナントに紐づくライセンス(プラン)の2種類ある為、注意が必要です。
2.全体構成(概要)
次はPower BI のレポートを自社のメンバーへ共有するときの全体構成(概要)です。
下記例は、社内の田中さんがPower BI Desktopでダッシュボードを作成した後、Power BI Serviseのワークスペースに発行しています。発行されたレポートは、社内の加藤さんが参照を行います。
ポイントは、「ワークスペースの種類」とPower BI レポート作成者、Power BI レポート閲覧者の「ライセンスの種類」となります。※赤枠箇所
3.ワークスペースの種類
ワークスペースには3種類あります。
各ワークスペースは、Power BI レポート作成者が保有しているライセンスによって、レポート・データセットの発行可否が異なります。また、参照者も同様に、保有しているライセンスによって、参照可能なレポートが異なります。以降にパターンを分けて説明を行います。
4.レポート・データセット発行のパターン分け
Power BI レポート作成者が保有しているライセンスによって、レポート・データセットの発行可否を以下にまとめます。
(※1).マイワークスペースは、データセット、レポート、ダッシュボードを個人で作成・管理するための専用領域であり、他者からの直接アクセスや操作を許可していません。
5.レポート参照のパターン分け
Power BI レポート参照者が保有しているライセンスによって、レポート・データセットの参照可否を以下にまとめます。
(※1).他者のマイワークスペースへレポートを発行することはできないため対象外
(※2).Power BI Free ライセンス所有者が、発行できないワークスペースであるため対象外
(※3). PPU ワークスペースでホストされているコンテンツは、PPU ライセンスを持つユーザーのみが使用可能
6.ライセンス購入シナリオ
シナリオ別でライセンス購入方法(最適)をまとめます。
シナリオ①・②の説明
社内のすべての従業員にPower BI Pro or Power BI Premium Per User (PPU)を購入することで、各々が作成したレポートを参照することができます。
シナリオ③の説明
Power BI レポート作成者への「Power BI Pro or Power BI Premium Per User (PPU)のライセンス」とテナントへの「Power BI Premium Per Capacity」にて、シナリオ①の購入方法よりも抑えられる可能性があります。
例)社内3,000名、内10名のみPower BIのレポートを作成する場合
シナリオ①で購入した場合)
全ユーザー分のPower BI Pro:1,499円×3,000名 = 4,497,000円
計 4,497,000円
シナリオ③で購入した場合)
10名分のPower BI Pro:1,499円 ×10名 = 14,990円
Power BI Premium Per Capacity(Microsoft Fabric SKU F64):1,545,803円(Microsoft Fabric - 価格 | Microsoft Azure)
計 1,560,793円
このように、ライセンスの特性を理解することで、費用を抑えることができるため、購入時には考慮が必要です。
結果(成果と評価)
各ライセンスの特徴を理解することで、組織のニーズに最適なライセンスを選択できるようになります。例えば、個人での利用が中心であれば Free や Pro、組織全体での大規模な利用や高度な機能が必要であれば Premium Per Capacity を検討することが適切です。
考察(学びと改善点)
ライセンスの選択は、組織の規模や利用目的、予算などに大きく依存します。そのため、定期的に組織のニーズを見直し、最適なライセンスを再評価することが重要です。また、Microsoft のライセンス体系は変更されることがあるため、最新情報を常に確認することをおすすめします。
まとめ(結論と今後の展望)
Power BI の多様なライセンス形態を理解し、組織のニーズに最適なものを選択することは、効果的なデータ分析と意思決定に直結します。今後も新しい機能やライセンス形態が登場する可能性があるため、最新情報を継続的にチェックし、組織にあったライセンスのご購入を検討いただけますと幸いです。
参考)
https://jpbap-sqlbi.github.io/blog/powerbi/pbi_license/
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-bi/fundamentals/service-features-license-type
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-bi/consumer/end-user-features