日本語ラップはダサい 1
僕はラップが大好きです。USはもちろんのこと日本語ラップも聞きます。じゃあなんでこんなタイトルつけたんだ?と思っている方も多いと思います。では正直に言います。半分タイトル詐欺です。ごめんなさい泣
じゃあ本当のタイトルは何かというと、これです。
日本語ラップは(相対的に)ダサい
です。なんでわざわざこんな回りくどい言い方をするのか。今からその理由を話していきたいと思います。
初めに
先ほども述べたように僕はラップが大好きです。言語とか国関係なく。
ただ最近こんな意見をちらほら聞きます。
「日本のラップはずっとアンダーグラウンドのまま」
「USは文化、日本は所詮ブームに過ぎない」
「そもそも日本にラップは根付かない」
このような意見を言う方々の気持ちはわかります。まずUSとは歴史が違いますし、認知度も違いますからね。ただそんな方々に一旦冷静に考えて頂きたい。
例えばロック。1956年にエルビス・プレスリーが「ハートブレイク・ホテル」をヒットさせ、エンターテインメントとなったこのジャンルは今日、大衆音楽において絶大な存在感を放ってます。もちろんそれは日本でも同じ。近年ならBUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、Mr,Children、サカナクション等……ロックは日本に根付き、メジャージャンルとなり最近だとJ ROCKなんて単語も生まれました。
要するに何が言いたいかというと、言語、人種、歴史が違う国でも、異国の音楽の文化が受け入れられ、それがメジャーになる可能性があるということです。だから一概に日本でラップは人気にならないと言い切ることはできません。
しかし「元々日本人はラップを受け付けない性格だからメジャーにならないに決まってる。」という主張もあります。それもまた、ごもっともな意見だと思います。ただビートルズが来日した時、日本では演歌や歌謡曲が人気だったため多くの人が「不良が来た」なんてこと言ってたそうです。不良の象徴だったビートルズとロックが今では教科書に載っているんですよ?こんな未来、当時はだれが予測できたでしょうか。
日本語ラップは「ダサい」
では本題に入りましょう。日本語ラップは「ダサい」という文章。僕がいま例に挙げた批判的な意見は日本語ラップを「絶対的に」ダサい と思ってる方々の意見です。要するに頭ごなしにダメといってるようなものです。対する僕は「相対的に」ダサいと述べました。
では何に対して相対的なのか。US?いえ、違います。それなら前者も相対的です。
答えは「人気」です。どういう意味なのか、今から解説していきます。
日本語ラップの立ち位置
近年世界的なヒップホップの流行、フリースタイルダンジョンの登場などで日本でもヒップホップの知名度が上がり、あらゆるラッパーが注目を浴び始めています。しかし彼らは自分たちの作る曲だけで人気になったのでしょうか?
たとえば今世間で注目を浴びてるミュージシャンの曲を聴いて、こんなことを思ったことはないですか?
「こんなやつが人気なの!?wwwww」
この現象はラップ及び音楽だけでなく様々な分野に共通してます。特に顕著なのがお笑いじゃないでしょうか。
例えば芸歴1年にも満たないお笑い芸人がSNSがきっかけで大ブレイクする…でもそういう人はトーク力がないので大抵一発屋になりますよね。例えばこんなのとか…
ああ~いるいる~wwって思った人もいるんじゃないでしょうか
ところが、この芸人こそ今の日本語ラップ業界そのものなのです。 一体なぜか?
例えば、ヒップホップでかっこいい曲(ダサくない曲)を生み出すためには韻をかっこよく踏むためのノウハウ、音楽全体でいえば参考とする曲、アーティスト、関連する知識、もしくは強烈な才能などが必要です。
これらが芸人でいうトーク力です。
では今の日本語ラップ界はどうでしょう。
これらの要素が他のジャンルに比べ欠如してますよね。「日本語ラップはUSヒップホップのパクリ」という言葉がまさにこれを物語っていますね。
日本のロックバンドはRCサクセションやBUMP OF CHICKEN等を参考にして、あらゆる名曲を生み出してきました。ただ日本語ラップはそういう参考になる人たちが少ない、なので素晴らしいアーティストが多いUSヒップホップを参考にする人が多いのです。
さらにラップのやり方、ビートの作り方を教えてくれるコンテンツ、コミュニティも少ない。つまり業界自体が未熟なのです。
なのに周り(USヒップホップ)や自分の兄弟(フリースタイルダンジョン)が人気になってしまい、実力のない自分もスポットライトを浴びることになってしまった…でもいざ表に出てもパッとしない…
今現在はこの段階です。
もうこの後は予想できますね。飽きられるか、他のジャンルに潰されるかです。
要するに日本語ラップは全体的に未熟なのに、実力に見合わない人気が出ちゃっているのです。
例えば、まだ表にでてないアイドルや芸人を見たら「売れる」、「売れない」のようにその人の将来性を評価しますよね?反対に、売れてるアイドルや芸人を見たらその人を「好き」か「嫌い」でその人自体を評価してしまいますよね?
コンテンツとは注目を浴びている時に全盛期を迎えるものだと世間は錯覚しがちです。日本語ラップは成熟すらしてないのに全盛期であると思われてる。だからダサいと思われ、敬遠されるようになってきています。
むしろ日本語ラップはダメなコンテンツだと判断できるステージにすら本人がまだ立ってないのです。下手したらさっきの絶対批判ニキたちも自分では気づいてないけどこっち側かもしれませんね。
まとめ
僕は日本語ラップは(人気に比べて曲はかっこよくないから)ダサいと言いたいんです。
でも、僕がこの記事を書いた理由は多くの人の日本語ラップへの偏見を無くし、よりヒップホップが発展してほしいと思ったからです。
日本語ラップが注目を浴びている今だからこそこのような批判を書く必要があると思っています。でないと、このまま廃れるだけです。
そのためこれから厳しい意見や批判も書いていくと思いますが、僕の気持ちに共感してくれた人は暖かい目で見て頂ければ幸いです。
次回は日本語ヒップホップがどうすれば一発屋にならないかを考察していきたいと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました!