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秋だときめつけたら起こる仕返し

お盆が過ぎ
夏の甲子園も終わり
朝日は遅く
夕暮れも早くなった。

寝る時は暑く
朝起きる時は寒い
窓を開けて眠るときも
窓を開けっぱなしで起きたときも
ずっとコオロギの鳴く声がする。
今晩スーパーに寄った時にマロンケーキがあれば、もう今日から秋だと決めつけよう。

夏の暑さを言い訳にして
室内に篭る生活は体重を増加させていた。
元の体重に戻すのに一年はかかりそうだ。
腹の肉をつねる。
罪悪感と嫌悪感‥

会社が早く終わった夕刻
重い身体をひきづって久しぶりのウォーキング。
どこかで花火が打ち上がる音が聞こえ、高台を目指す。
遠くに微かに上がる花火を見た。
背景に薄い輪郭をなぞった低山とのコントラストが良い。
見れたのは3発ぐらいだった。
夏はまだ余韻を残している。

家に戻ってつけたテレビ番組はまだ夏だ、と言っている。しかし今日の一連の僕の気持ちは、どう整理しても”秋入り”だった。
スーパーにはマロンケーキは無かったな、と思いつつ蚊に刺された部分に薬を塗りつける。

夕刻の蚊はしつこい。せっかく歩いた僕の消費願望を狙撃する。
いくつかの虫刺されに薬を塗る感触とテレビの横で回る扇風機の組み合わせを見て
「やはりまだ夏か‥」とテレビを見入った。

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