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エッセイヤマダ

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空をみる 風を感じる 仕事に行く 夕日をみる 雨が降る おこられる 悲しい出来事がある 花が咲く 美味しいものを食べる 人と出会う 人と別れる 旅立ちの日 旅にでる 夢をみる 汗…
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2024年9月の記事一覧

オーダニーボーイ

オーダニーボーイ

いつも
何となく
口づさんでいた曲がある。

懐きやすく
癒され
幻想的で 
これからの未来が愛おしく想う

そんなイメージのうた

そのうたは
オー ダニーボーイ
という歌だった。

戦争の歌?
えっ?そうなの?

驚いた。

あれ?
何で俺口づさんでるの?
どこで覚えた? 

わからない。

アイルランドの民謡?
1913年? 
エルビスプレスリーも歌ってる?

「マジかよ!」

検索する。

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おもいでルーレット

おもいでルーレット

またあの日の朝の風が吹く

連休明けの不安な朝
天気が良く
からりとした秋風が吹く日

僕は今日から小学校1年生だ。
なんて説明もなく知らずに登校したあの朝
校舎のペンキの匂いと
無機質な白い壁に囲まれた学校
黄色い帽子を被り母親に靴を脱がされながら、知らない中年女性に「おはよう」と言われ、僕は「おはよう」と返せなかった。

当日の違和感、異空間の迫力に圧倒されて「先生の声が頭に入らなかった。後ろ

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白銀色の名月飾り

白銀色の名月飾り

昼のニュースでみた。
県内初のパリコレランウェイモデル

その子の父親と面識があった。

「穂波(ホノハ)。どうだい?いい名前と思わない?
僕はね、秋の穂が波のように揺れる光景が好きなんだ。
だからもし、自分に子供ができたら「穂波」と名前をつける。」

担当部署は違うが、その上司は煙草が好きで
煙草を吸う時だけは仕事以外の話をする。
それも楽しそうに。 
この時もそうだった
煙草と酒が何より大好き

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寝起きの錯覚 煙玉

寝起きの錯覚 煙玉

晩ご飯を待つ間
瞼をとじてみたらそのまま眠っていた
肌寒い空気と雨の音で目が覚めた
窓を開けたままで寝たようだ
雨の音は「強い」
あんなシトシトと降った雨でもちゃんと僕を起こす。

夢を見ていた
つい先ほどの夢の内容が思い出せない。

物音がする
ああ。まだ夜の10時かぁ。
深夜頃だと思った。
ちょっと得した気分
若干過去に戻ったような不思議な時間
映りの悪いテレビをたたくように起きだす。

ひと

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雨の日と後悔

雨の日と後悔

朝5時半
娘が通う小学校の前を通る。
既に花壇の雑草抜きをしている女性の姿

小学校には「用務員の先生」というジャンルはなくなったらしい。経費節約時代。
率先して早起きできる人は犠牲者?
いや、楽しそう。
確かに朝早くなら、子供達や出勤者に挨拶を交わすロス愛想時間を食わなくて済む。
理にかなった行動か?

それにしても楽しそう。
わざとらしく挨拶してみる。
「おはようございます」
笑顔ですぐにかえ

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秋にワインレッド

秋にワインレッド



冷えた朝
暖かいココアがある自販機をようやく探して
会社前にちょっとだけ一息つく

よくやる習慣だ。

本を数ページめくったり
その辺を散歩したり
こうやってドリンクしたり
会社前のこの一息が数分だが、”楽しい”。

静かな時間
朝の空気と鳥の声
ふと視線を横切る何かにきづく。
いつも歩いている人だ。
ワインレッドの服を着ている
はじめてみる。
あの色似合うな。
いつもと違う服装
「ああ。そ

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みたされずくし

みたされずくし

久しぶりの本屋。
オール讀物を手にとり、確かこの本屋には座るところがあったよな。と座れる場所を探す。

いつからかわからない。
座る場所が撤去されている。

それでも頑なに座る場所を探す。
ゆっくりと店内のクラシックピアノ曲を聴きながら、オール讀物の一穂ミチ直木賞受賞作を読みたいのだ。
しかし、椅子はない。
「しょうがない」
店内の文芸誌コーナーに大きな身体をたたみ込んで狭い通路の邪魔にならないよ

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夏から秋にかけての三重奏

夏から秋にかけての三重奏

皆さん知っていましたか?
電話では拾えない音の三重奏があるという事。
夏から秋にかけての蝉、そして今時期鳴く鈴虫、コオロギがそうらしい。これら三重奏は周波数の関係で電話では拾えないそうです。試してみたいですね。
僕はさっき知りました。
なので音で1番癒される季節は”夏から秋にかけて”と言いたいところです。

9月は連休が多く秋の味覚や文芸やドライブを嗜むにはちょうど良い月(長月)だ。

長月という

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トライアル ミライある

トライアル ミライある

朝一番に出社しブラインドを開け
最近LED化した照明をつける。
夏場はエアコンを最適に調整し、冬場はガンガンに暖房を”強”にする。
この習慣を続けて20年が過ぎた。

未曾有なウィルスや津波の脅威をこの場所で経験した。そのときの従業員は、ほぼ変わらない。
早出残業、週末や祝日出勤。暑い寒いの現場中心の仕事。
若い作業員は作業服やネームプレートが新しいままで去ってゆく。
残るのはいつもの顔ぶれだ。

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足りない力

足りない力

モンスター。
その名の通りモンスター。
名前の通りの効果はあるかどうかはわからない。

しかし早朝の自販機
僕はモンスターになれるとほのかに信じてこのボタンを押す。
人間の思い込みは怖い
本当にモンスターになれるかどうかは研究者にしか分からない。
けれど僕はモンスターを飲む
緑色に染まった僕の胃
まるでパワーゲージが満タンになった車のデジタル表示みたいだ。
ポパイのオリーブもびっくり。
ほうれん草

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とある些細な朝の偶然

とある些細な朝の偶然

たった一曲で素晴らしい朝を迎える事がある。
その朝の日の昇る印象から今朝の自分の気持ちの加減。そして前へ進もうとする感情。 
昨日までの出来事。
それらを後押しするかのような
今朝の曲。
3回も4回もリピートして聴いた。
インスタからの偶然な一撃。
アーティストは人を救うこともあるという。
誰かを思い留めたり、「だいじょうぶ」と背中を押してくれたり。
全く会ったこともない他人なのに人の感情に寄り添

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お魚咥えたドラ猫

お魚咥えたドラ猫

ゴミ箱にごみを捨てる。
なぜ、こんな単純な事が出来ないのだろう?

信号待ちの交差点。僕はオートバイに乗っている。

その殆どが車の窓から放られたゴミだ。
人は腹が減り、ものを食べる。ゴミまでは食べない。
サルは木の上でバナナを食べ、その皮は木の上から放り投げる。同じだ。
食べるのは中身だけ。食べない物は捨てる。

立ち止まってゴミを分析する。

カラスが荒らし、一(イチ)で済むモノも十(ジュウ)

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蜘蛛の商売

蜘蛛の商売

「いらっしゃい。いらっしゃい」
今日はこんなん張り方でどうぞどうぞ

蜘蛛の網模様はいつも同じなのだろうか?
等間隔
幅何センチ?
定規で測ってみるが、また今度来た時に同じ場所で張っている蜘蛛商人は同一者とは見分けがつかない。

「いらっしゃい。いらっしゃい」

今朝は朝露で中央にドンと居座った蜘蛛商人は縮こまり迫力がない。
風もなく商売になるのだろうか

仕込みは万全
お尻から出した糸はまだ、売

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雨が連れてきた”稀”な快感

雨が連れてきた”稀”な快感

線状降水帯? 
はじめて知った言葉
そして、体験した。
犠牲になったのは僕の愛車

すごい雨だった。
すごい、で伝わらないけど
穴が空きそうなぐらいの大粒で痛い雨。
野球場から走って駐車場の車までの移動だけで下着、靴下まで絞れるぐらいびっしょり。

雨が落ち着くまで、車内で雨宿り。
車内は湿度で曇り窓
オープンカーはウェザーストリップから雨が漏れる。
大きな樹木の下へ車を移動させた
少しの間でも雨

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