夢日記_22/04/04

そこには、以前お付き合いしてる人がいた。
まだ付き合っているかのような自然さと温もりがあり「あぁこれは夢だ」と意識させる自分を、必死に抑えた。
大きな瞳に、艶やかな長い髪、淡麗で艶やかな容姿は、再開に困惑するわたしを嘲笑うかのように美しかった。

久々に会えた彼女と、わたしは別れを検討していた。なんとなくわかる。夢ではよくある事だ。

お互いが「さぁ、言うか」と腹を括った直後、二人が好きだった和菓子屋さんを見つけ、迷う事なく無言で店に入る。
店の敷居をまたいた直後、脳髄を打たれたかのように彼女との思い出がフラッシュバックし、別れ話なんてけったいになるほど彼女が愛しく、この人以外を愛するなんて考えられない。そこまで感情は高ぶっていた。
先程まで怪訝そうだった彼女の表情は、すべての人を幸せにできる満面の笑みに変わり、付き合いたてのような心の距離が、そこにはあった。


(あとがき)
この夢を見たのは、おそらく友人との会話が影響していたんだと思います。「当事者間でしか互いを知らず、周りの友人も、家族も知らない。その人が急に目の前から消えたなら、どうなってしまうんだろう。」そんな会話でした。
確かに前の女性とお別れをした際、LINEの履歴は削除し、SNSの相互フォローも辞め、写真も思い出の品もほとんど手元に残っていません。付き合っている頃は毎日連絡を取り合い、何かあると真っ先にその女性を想っていたのに、「別れましょう」の一言で、彼女の”いま”を知る由もない。
何もかもがつながる時代に、目の前から存在すら消えてしまう儚さを纏うデジタル現代社会。冷たいものを無理やり暖かくしようとする醜さと弱さが人間らしく切ないなと実感させる追体験でした。

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