【北タイや いつまで続く 野焼きかな】
チェンマイの大気汚染度は、世界でも上位に位置するらしい。
とりわけ今の時期、人為か自然発生かは問わず、山火事の煙は相も変わらず激しく空を覆い続けている。
そこで、当局は北タイ各地での入山禁止を宣言したようだが、ということはやはり「人為」の占める率が高いということか。
などと考えつつ、煙った空を眺めながらバイクを走らせていると、目の前がいきなり真っ白になった。
昨日の午後3時過ぎ、サンカンペーン温泉からドーイサケットの町に向かう田舎道でのことである。
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バイクを停めてみると、道端の畑数カ所から紅蓮の炎が上がり、白煙が朦々と渦巻いている。
畑作のための枯れ草燃やしなのだろうが、まあ、その煙の広がり方が凄まじい。
足下を見ると、道路脇を覆う枯れ草もすでに燃やされている。
10年ほど前にランパーンの山中を車で走っているときに、両側から横殴りの激しい炎と白煙に包まれたときの恐怖を思い出した。
かつて暮らしていた山奥の村でも、落ち葉や枯れ草で足が滑りやすいからといって、誰もが当たり前のようにライターで火をつけていたものだ。
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だが、山奥での焼き畑ならいざ知らず、ここは公道に面した畑である。
むろん、枯れ草刈りやその処理は大変だろうが、今のチェンマイ一帯の空気の汚れを考えると、そろそろ野焼きをやめるというルールを確立せねばなるまい。
むろん、すでに違法であり、時おり逮捕の報道もなされる。
けれど、この広大な野原での完全取り締まりは不可能であり、農家の意識革命を図るしか手はないだろう。
かといって、タイに住まわせてもらっている身としては、山奥の村で暮らしていた時と同様に「これは彼らの伝統的な暮らしなのだからなあ」と腕組みをして、途方に暮れながら唸るしかないのではあるけれど。
・・・うーむ。