2023/10/25ふむふむ体験型ワークショップ/講演~同志社国際中学校~
みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ
京都にある私立の学校、同志社国際中学校・高等学校のうち、中学生のみなさんを対象にげんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
※同志社国際中学校・高等学校のHPはこちら
同志社国際中学校は帰国生徒の受け入れ校となっており、3分の2程度の生徒さんが海外生活を体験しておられるそうです。
したがって、LGBTQIA+についての教育をすでに受けている生徒さんも多く、また生まれてからずっと日本で暮らしている人よりも身近に感じている人もいるかもしれません。
また、海外生活の中で差別を受けるという体験しており、”生きる力”を実生活を通じて養ってきたという生徒さんもいるようです。
同志社国際中学校・高等学校の教育テーマは「違いという共通点からの出発」(一人ひとりは違って当然)だそうです。
わたしたちふむふむと通ずるものを感じますね…^^
そんな同志社国際中学校・高等学校では10月に「人権週間」を設けており、人権学習に熱心に取り組んでおられます。
この日、中学校の全生徒約400名が講堂に集まり、積極的な発言をしてくれる生徒多く、ほどよい熱気のなか楽しく講演させていただくことができました。
それでは、今回のラインナップです。
これから体験型WSや講演の実施をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです。
今回のテーマは
「”ちがい”を知ろう
~感じて、知るLGBTQIA+と差別~」
同志社国際中学校・高等学校が10月に行っている「人権週間」の一環として講演に呼んでいただきましたので、「人権」についてもしっかり考えてもらいたいと思い、まずは中学生のみなさんに質問してみました。
「差別って何だと思いますか?」
「差別をする人と差別をしない人のちがいって何だと思いますか?」
「差別からくる行動と嫌いからくる行動の”ちがい”は何だと思いますか?」
以上のような質問をすると、さっそく手を挙げて答えてくれた生徒さんがいました!
海外生活経験をしている当該生徒さんは自分の意見をしっかり持っており、かつ約400人の全校生徒の前で堂々と主張できる力もあって少し驚きました。
上記の生徒さんに限らず、さすがは中学生!元気に溢れ、活気に満ちた会場がそんな良い意味で発言や主張しやすい雰囲気に包まれた中、体験型WS/講演を実施することができました。
”ちがい”を感じる体験型ワークショップ(WS)
冒頭での問いかけの後、体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。
ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
→差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場に居合わせる体験をする
→差別を間近で見てどのような気持ちになったか
差別を間近で見てどのような判断ができたか/できなかったか
差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために「多様性を認める」とはどういうことかを考える
具体的な実施方法の概要は以下のとおりです。
・絵画教室に通う生徒である参加者に、自由に絵を描いてもらう
・参加者に「A」または「B」のカードを配付する
※「A」または「B」は生まれながらの「特性」であり、変更ができない
・絵画教室の先生である講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
※その際、絵を描いた参加者が「A」または「B」であることを理由に不当な評価をくだされることもある
今回は対象生徒が400名であったこと、実施場所が講堂で絵を描く環境が整っていなかったことから、事前に「人権委員」の生徒さんに描いてもらった絵(「A」「B」を付したもの)を使用しました。
ただし、会場のすべての生徒さんに「A」または「B」を予め割り振っておき、自分たちと同じ特性をもつ生徒さんが描いた絵を評価されることについて”我がごと”に捉えてもらえるような仕掛けをつくりました。
いよいよ、絵画教室の先生(げんのすけ)は、絵を評価し始めます。
ひとまず絵を褒めているようには見えるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によって絵の評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう絵、その状況を目の当たりにしている人、…少しずつ会場全体がざわつきはじめ、不穏な空気が流れはじめます…
体験型WS(ロールプレイ)終了後、近くに座っている生徒さん同士で感想をシェアしてもらいました。
どの生徒さんも元気に議論をしてくれていました。
簡単なロールプレイでしたが、実際に「差別」を体験することで何かを感じ、そして考えるきっかけになってくれたのではないかと思います。
”ちがい”を知る講演
①LGBTQIA+とは?
ここで「LGBTQIA+」の用語解説をしました。
ただし、誰が・どのような目的(立場)で用語の説明をしているのか、また国や時代によってもその意味やニュアンスが変化する可能性があるという事例も併せて紹介しました。
さらに、性自認・性的指向・性表現はとても多様なため、用語を覚えることそのものはあまり重要ではなく、むしろ「決めつけ」が危険であることもお伝えしました。
たいせつなポイント
1.LGBTQIA+はあくまで単語
2.何がたいせつかは一人ひとりちがう
3.単語から入らずまず本人の話を聞くこと
今回は中学生の皆さんが対象ということもあり、絵に描いて説明をするという初の試みも実施してみました^^
②当事者の人たちはどんなことに悩むのか?
それぞれの当事者別に、実際にどのような悩みを抱えている人がいるのかを紹介しました。
セクシュアルマイノリティの方々は「LGBTQIA+」と総称されていますが、その悩みは多様であり、全くちがうものであるということを具体例を挙げながら説明していきました。
すると、「へぇ~」「お~」という声が挙がることもあり、大きくうなずきながら聞いてくれている生徒さん、聞き逃すまいとメモを取ってくれている生徒さんもいました。
③仲間と差別について
ところで人が”仲間”と認識できる人数は何人でしょうか?
ダンバー数として有名な数字を使い、「人権」、特に「差別」について考える講義が続きます。
会場には約400名の生徒さんがいます。
ダンバー数を大きく超える数の生徒さんが一同に会してくれていたので、より具体的な数字を挙げながらさらに質問を重ねてみました。
「”仲間”以外の人が誰かから差別されていたら
あなたはどうしますか?」
またも近くに座っている生徒さん同士で話し合いをしてもらいました。
そして、この質問に対する答えや感想はこの講演の終了後、各HR教室に戻ってからふむふむが準備したワークシートに記入してもらいました。
④差別と言葉について
ふむふむの講演では、「差別はダメだ」「差別をしてはいけない」という一般論を伝えることだけを目的とはしていません。
ふむふむが重視しているのは、あくまで「自分で考える」、そして「その考えを共有する」ということの大切さについて再度見つめ直してもらうことです。
そのためにも、ふむふむがきっかけ作りをさせてもらうということに重点を置いています。
たいせつなポイント
1.言葉の意味は時代によって変わる
2.同じ言葉でも受け取る人によって意味は変わる
3.自分から出た言葉を誰が聞くのかをしっかり考える
さいごに
~全部自分で決められる~
「差別」がなくなり、すべての「人権」が守られるのが理想の世界です。
しかし、現実に「差別」はなかなかなくならず、悲しいニュースを耳にすることも後を絶ちません。
残念ながら大人、子ども関係なく「差別」をする人が現実に存在するのです。
ただし、誰もが一度は聞いたことがあるはずです。
「差別をしてはいけない」と――。
では、なぜ「差別」は起こるのでしょうか?
意図的に「差別」をしている人もいれば、意図せず人を傷つけてしまう「差別」を行ってしまっているという人もいると思います。
では、意図していない「差別」は許されるのでしょうか?
最後にまとめとしてお伝えしたたいせつなポイントをもう一つご紹介します。
たいせつなポイント
1.自分のジェンダーやセクシャリティは自分で決める
2.自分から出てくる言葉は自分で選べる
3.差別する側になるのか差別を止める側になるのかは自分で選べる
今回は同志社国際中学校の全校生徒の皆さんにたくさんの投げかけをし、一緒にたくさんのことを考えさせてもらいました。
冒頭でもお伝えしましたが、元気に溢れ、活気に満ちた会場でたくさんの発言をしてもらいながら一体となって体験型WS/講演を実施することができ、貴重な機会となりました。
生徒のみなさん、先生方、お疲れ様でした。本当にありがとうございました。
いかがでしたか?
今回は初の中学生対象で、わたしたちもたくさん勉強させてもらいました!
各学校における研修では、設定時間や形態なども含めて臨機応変に対応しますので、研修をお考えの場合はお気軽にご相談ください^^
今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。
困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでもご連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待っています^^