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2022/12/2ふむふむ体験型ワークショップ/講演~大阪府立箕面高等学校~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

2022年12月2日、
大阪府立箕面高等学校の教職員人権研修にて
げんのすけによる体験型ワークショップ(WS)および講演をさせていただきました!
(ご参加いただいた先生方、大変お疲れ様でした^^)
大阪府立箕面高等学校HPはこちら
上記職員研修についてのHPはこちら

箕面高校では、2023年2月に2年生の生徒様向けにも先生方に受けたいただいたものと同程度の体験型WSおよび講演を実施予定です!
先生方も日々学んでいるのだ!ということを生徒のみなさんに知ってもらい、さらに先生方の感想等もシェアすることで、人権について「学校全体で一緒に考えていく」という姿勢づくりの一助になればと考えております。
さて、今回はネタバレにならない程度に、先生方がいかに学校のことを考えて研修に真剣に取り組み、学んでくださったかも含めて体験型WS/講演の実施内容を紹介したいと思います!


さて、今回は以下のラインナップで概要をお届けします^^

これから体験型WSや講演の実施をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです!

”ちがい”を知ろう~感じるLGBTQAI+/体験型ワークショップ~

教職員人権研修の冒頭約30分で、まず体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。
ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
 →差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場を真の当たりにする体験をする
 →差別を真の当たりにしてどのような気持ちになったか
  差別を目の当たりにしてどのような判断ができたか/できなかったか
  差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために、多様性を認めるとはどういうことか

具体的な実施方法の概要は以下のとおりです。
・参加者に、自由に絵を描いてもらう
・参加者に「A」または「B」のカードを配付する
 ※「A」または「B」は生まれながらの「特性」であり、変更ができない
・講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
 ※その際、「A」または「B」であることを理由に不当な評価をされることもある

先生方は童心に帰ったように楽しそうに絵を描いてくださいました!
ところが…
講師は、一生懸命に描いた絵を褒めてはくれるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によって絵の評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう人、その状況を目の当たりにしている人、ざわつきはじめる空気…

終了後、何人かのグループに分かれて、感じたこと等をシェアしてもらいました。
そこで出てきたご意見やご感想は以下のとおりです。
〈WSに対するご意見・ご感想〉
 ・他の誰かがけなされている中で褒められてもうれしくない。
 ・あまり気分がよくなかった 。
〈その他のご意見・ご感想〉
 ・(「特性」について、「A」または「B」というシンプルな表現をしていたが)無意識のうちに「A」がこんな人で「B」はこんな人だろうなと想像しながら聞いていた。その時点ですでに固定観念を持って考えている自分がいることに気がついた。普段から無意識下で決めつけた言動をとっているのではないか気をつけなといけないと思った。
 ・生徒に対する言動等も気をつけないといけないと思った。例えば、生徒の普段の行動から「この生徒はこういうタイプの子だ」と頭の中で思っているからこそ、ついつい余計な心配や注意をしてしまうこともある。自分で創り出した「型」にとらわれないようにしないといけない。
 ・学校現場では「くん」「さん」の呼称はまだまだされており、性における多様性を認められていない現状があると思った。
 ・差別に対して敏感に反応する時代になってきたからこそ、どのような言動をとるか、選択が難しいと感じてしまう。

30分のワークでしたが、実際に体験し何か感じてもらることがあったのではないかと思いました。
さて、ここからいよいよ講演に入ります。


”ちがい”を知ろう~知るLGBTQAI+/講演~

①LGBTQAI+とは?

まずは簡単に用語解説から。
ところが、用語の解説については、多くの方がインターネット上で公開しているので、いくらでも調べられます。
ただ、誰が・どのような目的(立場)で紹介しているのか、また国によっても用語の解釈はまちまち。
また、性自認や性指向の表現はとても多様なため、用語を覚えることにあまり重きを置く必要はありません。

だいじなことは、本人の考えや想いを尊重し、しっかり話を聴くことだとお伝えさせていただきました。

②多様性~当事者のグラデーション~

先述のとおり、用語があることによって「この人はここのカテゴリー」と勝手にひとくくりにして考えてしまいそうですが、そんなに境界線がはっきりした単純なことではありません。

本当に多様な方がいらっしゃることをご説明したうえで、
一人ひとりちがうことを知る
一方的にカテゴライズして判断しない
イメージから入らず、まずは本人の話をしっかり聞く
ことがだいじだとお伝えさせていただきました。

③当事者の声と、学校現場でできること

事前に当事者の方々にご協力いただいたアンケート結果を用いて当事者のリアルな想いをご紹介しました。

アンケート結果の内容は、当事者の方が学校生活においてどのような場面で何を感じ、何に困り感を持ち、どうして欲しいと思っているのかをまとめたものです。

ここでいくつかの質問がありましたので、一部をシェアさせていただきます。

〈ご質問1〉
文化祭で男装・女装をするという出し物をする生徒がいる。
良いのか悪いのか、またどのように指導すればよいか。
《ご質問1に対する回答》※講演者の考えに基づく回答です
悪いとは思わない。実際にそういうエンターテインメントもあるし、生徒が一生懸命考えて実践しようとしていることを否定してしまうのも良くないと思う。
ただし、不快に思う人がいるのも事実。
だから、例えば開閉会式等を含む、全員が参加して見なければならない場面ではそのような出し物は控え、見るか見ないかの選択ができるような有志の出し物にする等の工夫を。

〈ご質問2〉
体育祭のテント張りをする場面で、「各クラスから〇名来てください(男子生徒が望ましい)」というアナウンスはよいのか。
《ご質問2に対する回答》※講演者の考えに基づく回答です
あえて男女という表現を使わなくても、アナウンスの方法はある。
例えば、「テント張りの力仕事を手伝ってくれる人」等でもよいと思う。
性別問わず自分の得意分野で、できることをしてもらう環境づくりを。

〈ご質問3〉
あるクラスの掃除分担が教室と男子トイレである。
男子生徒は教室か男子トイレを隔週で掃除することになっている。
また、掃除をしない生徒がいたらやはり指導せざるを得ない。
男子トイレの掃除に抵抗がある生徒がいたらどのように対応すればよのか。
《ご質問3に対する回答》※講演者の考えに基づく回答です
(できるかどうかは別として)例えば、掃除の個所を増やすと、単純に男子トイレを掃除する頻度が減る。それだけでも大きいことではないかと思う。
また、カミングアウトをしていればトイレ掃除をしなくてすむに当番を組むこともできると思う。
ただ、モヤモヤはするけれど割り当てどおりにトイレ掃除をすることは、個人的にはまだ我慢ができる。それよりも、何らかの要因で掃除ができなかったことが元で、先生から改めて「男子」トイレの掃除をするように再度性別について突き付けられることがしんどく感じる。
いずれにしても、理由を含めて本人の声を聞いてあげてほしい。

④カミングアウトしなくても安心できる学校をめざして

これまでの学校現場の考え方では、「カミングアウトしてもらうこと」がスタートでした。
カミングアウトしてもらってはじめて、ヒアリングを行い、様々なサポートができると考えてこられました。

ところが、カミングアウトすることはとてもハードルが高いです。
できればカミングアウトせずに、自分らしく安心して学校生活を送れるようになりたいと願う方も多いのではないでしょうか。

もちろん、学校側が把握していなければできないサポートもあると思います。
ただし、社会で多様な性を認めようと叫ばれている今、個人が成長していく過程でその多くの時間を過ごす学校が性に対して不寛容ではいけませんよね。

いろいろな人がいていい。
その当たり前のことを学校全体が認められる雰囲気づくりに努めてほしいという願いをお伝えさせていただきました。



さて、いかがでしたでしょうか。

考査前の忙しい時期にも関わらず、多くの先生方が熱心に参加・聴講してくださいました。ありがとうございました。
冒頭でもお伝えしたように、年明けには2年生の生徒様向けにも体験型WS/講演を実施させていただく予定です。
今回の内容も踏まえ、ひとりでも多くの生徒様が安心して学校生活を送れるよう、お力添えできれば幸いです。

今回のご報告はここまでです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました^^



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