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無料路線バスで旭川の"平成"を巡る〜ブックオフ・ブックネットワン全店制覇の旅〜

これもう行くしかねぇだろぉ!!(オタク早口)

実は到着後に撮った写真じゃない

この日は3年ぶりの音楽大行進。
このイベントはほとんど初めて知ったけどその恩恵にはしっかり浴する。天気も良いから許してほしい。

路線バスに1時間以上乗って来た学生時代の友人と合流し取り敢えず一番駅から近い旭町店へ。
旅程は存在しないのでなんとなく北から順に巡るつもりだった。

1.旭町

旭橋。かつての北海道三大名橋。大行進参加者だらけ。
本町停留所。簡潔明瞭なネーミングに痺れる。

旭橋を北に渡ってすぐの本町停留所で降りてからそのまま道道487号線を北に歩くこと数分、ダイイチにひっつくブックオフ旭町店を発見。
通っていた大学のあった札幌市豊平区の旭町にもブックオフがあったらな〜と思ってしまった。かつて豊平のザ・ビッグ内にあった古本市場も潰れてしまったから。

これは明確な誤り。日本最北は網走店。
店内にトイレが無いのでダイイチのを借りた。

居抜き型店舗特有(?)の鏡柱

"平成"を探しに来たはずがのっけからトレカで遊ぶキッズの居場所たらんとしている"令和"のブックオフのある極致を見てしまったようだ。
よくよく店内を見渡せば梁に小学生(低学年)が描いた絵が飾られている。サツエキかな??
最近のブックオフって露骨に客単価上げにかかってるよねー。でもこういう新しい店ってなんというか堂々とノーマスクで入店する客が少ないし(だからこそ令和っぽくしたとも考えられるが)、効果はありそうだ。 


その後国道40号線沿いを走る道北バスに乗り末広へ。
この国道が名寄や稚内にまで通じていると思うとなかなかヘンな気分になってしまう。
ちなみに乗客は乗車時点で10人。

陸上自衛隊第二師団前。明治をビンビンに感じる。

メガドンキ旭川店の前を通る。2年前の6月に上川町の山奥に釣行した際に前を通った時はまだイトーヨーカードーだった。平成後期と令和を感じる。

2.末広

道北バス 末広1-5
北東に向かって国道40号線を望む。
逆。

なかなか平成のロードサイドっぽさを感じる。

ブックネットワン末広東店
店内の雑貨店(風コーナー)

バスを降り歩くこと数分で(たぶん)日本最北のブックネットワン末広東店に到着。昔札幌や静内で見たあの頃の店舗と変わらぬ外観であった。
しかし今やブックオフすらトレカコーナーの充実に着手している世の中、生き残ったブックネットワン店舗とて変わらずにはいられない。店内にはファンシーな雑貨コーナーが展開されていたが、客は誰一人としていなかった。相変わらず雑然とした雰囲気の店内である。
在庫も貧弱でところどころ陳列棚にも空きスペースが見られるようになっていた。
この店を物色する楽しみと言えば、ブックオフと違い110円(〜220円)本とそれ以外の区別がされていないため「この本は108円かな?」とワクワクしながら背表紙のシールを確かめることくらいなものか。
しかし、何にせよ懐かしのブックネットワンを訪れることが出来ただけでも私は満足してしまったのだからどうしようもない。モノ消費の極地にてコト消費を見つけてしまうような人間は度し難いロマンチストである。

すぐ近くの「ぶんか書店」
ここはほんの「入り口」に過ぎない。日本家屋に例えるなら土間のような空間。

ブックネットワンを出て右手に謎の古書店があるので入ってみれば、投げやりなラインナップの漫画や小説が棚にスカスカに陳列されている。
しかしこの入り口部だけを見てこの店を知ったつもりになってはいけない。
真実は細長い不親切な通路を曲がって左側ののれんの向こうに広がる成人向けコーナーにこそあるのだから。
流石にエロ本をわざわざ買うような世代でもないのでさっさと店を出る。ダメ元で新書コーナーから面白そうなものを探すが、どうにもオッさん臭くて買う気にはなれなかった。
ゲオに似た外観の店を振り返りつつバス停へ向かう。

道北バス末広1-3

本当はこのまま環状線的機能を有する路線のバスに乗って駅から放射線状に出店しているブックオフを巡りたいのだが、ロクな便数が走ってないので仕方なく旭川駅方面へ戻ることに。環状線型モノレールのあるイブサツ旭川への愛着を強めつつも、その需要の少なさに悲観してしまう。

3.豊岡

旭川駅。やたらと天気が良い。
旭川電気軌道 豊岡12-3

旭川駅から今度は電気軌道のバスに乗り豊岡へ。旭山動物園へ向かうこの路線はやたらと混んでおり、私たちは幸いにも"山"に着く前に"岡"で降りることが出来た。
豊岡はいかにも"閑静な住宅街"といった雰囲気の土地で、散在するそこそこの勾配の坂たちが道の先の見通しを少しだけ悪くしている。もしかすると"閑静な住宅街"の必要条件はちょっとした"見通しの悪さ"による空気の澱みなのかもしれない。
ずっと日が高いままなので忘れていたが、時刻は既に14時を回っていた。せっかくこんな住宅街に来たのだからちょっとマイナーなラーメンが食べたい。そこで、鬼滅のパクリのような店名(「かなを」)の店に行ってみることにした。

蝶のデザインに「かな"を"」の名。
これは"鬼滅のパクリ"と呼ぶに値する存在だろう。
しかし流行が過ぎ去ってしまったのか、グーグルマップの表示を裏切るように店の灯り(というか照明)消えていた。
"今"を背負った店名なんだからせめて"今"くらいしっかり食わせてくれよ!と戸を叩くが反応がまるでない。
仕方ないのでブックオフへ行く前に少し遠回りをして「らあめん吉法師」へ向かう。

この陰影よ。
謎のロシアン餃子とラーメン。
外見もなかなかよい。

こちらはしっかり営業していたし、味も良かった。

ブックネットワン旭川豊岡店
この店では108円コーナーが独立している。
外観ふたたび。

ブックネットワン旭川豊岡店はブックオフ旭川豊岡店と同じ道路に面している。そのためか末広店よりは力が入っており、雑貨コーナーもなく、それなりに客の入る店だった。店内には私のようなブックネットワン好きなのか、「この作品にまた会いたかった……」というような内容のことを感嘆しながらまくしたてる女オタクとその母親らしき人もいた。

ブックオフ旭川豊岡店。まさかのマンション1階型店舗。
ブックオフのせいでマンション全体の雰囲気を損なっている。こんなマンションを喜んで受け入れるのは私のような数寄者くらいだろう。

ブックオフ旭川豊岡店は店内が細長いのが特徴で、品揃えはそこそこという印象。ブックネットワンと競合しているせいだろうか。ちなみにこの店にもトイレはない。

旭川電気軌道 豊岡2-3

また電気軌道に乗って旭川駅方面へ。行きと別路線に乗っているのが救いか。今度は旭川四条駅前のバス停へ。

4.永山

四条駅。高架区間に乗降場を設けたような独特の雰囲気。
旭川電気軌道4-16

旭川電気軌道4条16丁目。バス停の名称において丁目というのは大事なものらしく、四条駅に近いことは全く考慮されていない。しかし考えてみればこれは当然のことで、電気軌道が軌道会社だった頃はいざ知らず、現代において四条駅でバスとJR(の普通列車)を乗り継ぐ人の存在などまぁ殆ど存在しないだろう。
気を取り直して国道39号線を永山方面に走るバスを待つ

道北バス永山2-4
旭川環状線
ブックオフ旭川永山店。

ブックオフ旭川永山店は2階にトレカ・ホビーコーナーを設置するなど"現代化"の進む店舗であり、中々広いスペースを若干持て余しているという感があり、全体的に通路が広く明るい印象を受けた。

このような店舗は札幌圏だと近年オープンしたSUPER BAZAAR 5号札幌宮の沢店(手稲区)やPLUS 36号札幌美しが丘店(清田区)など"特別"なロードサイド型店舗くらいなもので、もし旭川のブックオフでおススメの店舗を選べと言われたら私はこの永山店を挙げるだろう。

5.旭神

見えにくいがバス運行情報を伝えてくれる。
またも4-16。

またまたまたバスで旭川駅方面へ戻り、4-16で降車。
そしてまたまたまたまたバスへ乗り旭神の街へ。

緑ヶ丘。旭川にはこのように"まんま"な地名が多い。
旭川電気軌道 緑ヶ丘3-4

旭川電気軌道 緑ヶ丘3-4のひとつ先の停留所はこの路線の終点の旭川医大病院前である。
つまりこの停留所の近くにあるブックオフ旭川旭神店は医大生御用達ということだ。釧路の公立大学前店のように名称も立地も露骨、というほどではないが、売り手買い手から働き手まで医大生に依存しているのは間違いないだろう。

旭神橋
一応"旭神一号川"に架かる橋ということになっているが川が見えない。

緑こんもり緑ヶ丘(崖上)から旭神橋を下りるとそこは旭神の平地が。とても分かりやすい対比となっている。
橋を下ってすぐ左手に見えるのがブックオフ旭川旭神店。ここも旭川環状線沿いの店舗となっている。

旭川と神楽の境界らへんにある"旭神"
ごった煮商業施設の中心にあるタイプの店舗……に見えて、実は医大生に依存していそうという共通点を有する学習塾やつぼ八などのある商業施設の中心にある店舗なのだ。
ツインハープってなんだよ
店を出ればすぐそこに"東神楽"。実際の東神楽町との境界線まで約1km。
ブックオフでは珍しいタイプの棚と棚との隙間。

これにてついに旭川のブックオフ&ブックネットワン制覇!いやー疲れた。なんでこんなことしちゃったんだろうね?
取り敢えず走って緑ヶ丘3-4に戻って、バスに乗り旭川駅へ。腹を満たしてから解散し帰宅。
よく考えたら音楽大行進のためのバス無料日だというのに大行進をほとんど無視してしまった。まぁコロナ禍対策(「密」防止)ということにしておこう。

まとめ①

まず旭川のブックオフ店舗配置について。旭川はかなりわかりやすく駅あたりから見て放射線状に店舗が配置された都市となっている。札幌のように都心や"駅前"にブックオフ店舗が出せるほどではないらしい。"車社会全振り"という印象を受けた。

また、旭川ではまだ札幌ほどトレカ民向けの改装を終えた店舗が少ない。私はトレカ民などどうでもよいので改装などしなくても良いのだが、ブックオフ上層部が"トレカで儲ける"ということを考えている(であろう)以上、ブックオフの"トレンド"であるトレカ向け改装の未進展は旭川圏におけるブックオフ全体の未来を不安視させる要素となってしまう。最近道北に引っ越してきた人間としては旭川のブックオフの充実に期待したい。

まとめ②

今回は一応"平成"を探す旅ということになっているが、実はそれほど真面目に探したわけではない。
何せ旭川は表面をなぞる限りにおいて、近文のあたりを除けばそもそも"平成"以外の要素を見つけることが少し難しい都市だからだ。

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