【読書】茜唄 著:今村翔吾
・主役 平知盛
【流れ】
散見される源氏の反乱
→清盛の死
→絶対的君主不在に揺れる一門、後鳥羽上皇の暗躍
→木曾義仲の攻撃、京を捨てる
→後鳥羽に追い詰められつつある義仲との水島の戦い(勝利)
→一の谷の戦い→屋島の戦い→壇ノ浦の戦い
→並行して平家一門他共に生きた者たちの生きた証を残したい!
勝者(頼朝)にとっての都合のいい歴史書ではない
美しいことも見にくいこともそのままに残したい
→「平家物語」知盛、妻希子、西仏 命がけで編む
・清盛
天下三分の計(三国志のよう。平家、源氏、奥州藤原家併存)
適度な緊張感を維持して公家を黙らせ、切磋琢磨のなかで
結果的に泰平の世を築く
この国は未熟すぎる。飢饉で疲弊。
貿易により国を富ませる。貨幣経済を推進する。
ずば抜けて優秀で支えとなる存在が乏しい
後世において極悪人の扱いを。勝者の歴史書ゆえに… cf. 始皇帝
・知盛
清盛の遺志を継ぐ
天下三分の計を理解し実現に動くも周囲の理解が追い付かない
対源氏連戦連敗の体たらく(俱利伽羅峠等)、斜陽に抗う
→その様に、衰退産業、衰退業務に勤める自身が重なります
今村翔吾氏は、敗者の美学・滅びの美学を描くのが
本当に一級品だと思います。
それでも西国はまだ平家のプレゼンスが強かった…
水島の戦いに勝って、一の谷でも勝てそう、
読んでて「これは勝てるやろ!」と史実が一瞬飛んだほど
屋島から壇ノ浦はもはや散り際 美しき死にざまよ
辞世「見るべき程のことは見つ」 壇ノ浦に沈む…
完