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娘の絵画教室

 半年くらい前から娘ちゃん(大)が絵を習っています。彼女の口癖は、「何でもいい」「どっちでもいい」で、何を聞いてもそんな返答。毎年誕生日に何が欲しいか聞いても、「別に何もいらない」と返される。そんな彼女が、絵だけは自分から習いたいと言うので、私も喜んで行かせています。お月謝も安いし。

好きこそものの

 今まで一度も「今日は行きたくない」と言ったこともないし(水泳とかではたまに言っている)、2時間か3時間くらいのレッスンで必ず一枚の絵を仕上げてきます。それが普通なのかもしれないけど、そういったものに全く縁のない私にとっては毎回驚きで、好きこそもののなんとやら、を実感させられます。

先生

 そういう訳で、私としては、娘が毎回楽しく通ってくれれば、それで満足だったのですが、そこの教室の先生がおもしろい人で更に得した気分です。
 先生は、画家さん兼どこかの大学の先生のようで、ナマズを描く画家として知られているらしい。個展の案内のはがきにも、金色に発行してる緑のナマズが夜の山を背景に水の上を飛んでいるヘンな絵が描いてあった。これは実際に見なければ、とギャラリーに行ってみたが、200×150cmくらいの巨大なものでびっくりした。先生は、ナマズを描くことがライフワークだといっていたけど、なぜナマズなのか、は聞きそびれた。いや、聞いたような気もするけどその答えは忘れてしまった。答えは決まってるし、そんなに重要じゃないんだよな。ただ、好きなだけ。好きこそものの、ですよね。

自画像

 そんな先生は、娘が描いた絵の裏に毎回コメントをくれます。いつもは描き方のアドバイスで、いつもそう言われれば確かにそうだなあ、と感心するのだけど、今日はちょっと違う角度からのコメントでしかも大変感動したので、ここに書きたいと思います。初めての自画像に対してくれたコメントです。先生、いつもご指導ありがとうございます。

2021.9.25
コロナ禍で、マスクをするのが、日常と
なり、表情が、見えなくなりました。
子供たちにも影響をあたえ、色んな
ことが中止となりました。その時代に生
きた証として大人になった時にこの絵を見て
そのことを思い出してくれます(原文ママ)。メガネの奥に
見つめる瞳は、物ごとの本質を見ている
ように澄んでいます。

画像1

 マスクすることを強いられ、しんどいとかつらい、あるいは反対に楽しいとかうれしいという感情を表情として発信することができない、分かってもらえない、というのは子供にとって大人以上に厳しいことなのかもしれません。それでもそれに耐えて頑張っている自分というものをこの絵を描く過程で、そして完成した絵をみて、確認して下さいってことなのかな。絵の技だけでなく、子供自身もしっかりと見ていただき本当にありがとうございます。またご本人にお会いする機会があれば直接感謝の気持ちを伝えたいですね。

 では、今日はこの辺で。親父の教え(後編)はまた明日。


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