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Twitter詩 2020.6

優しさを盾にした
あなたの言葉は響かない
(20200606)


(写真詩)

滲む空と海の境界線
叫びたかった
泣きたかった
理性が笑えと言っていた
スーツと革靴で
この場所に来たのが
間違いだった
僕の行く方向は
空にも海にもない世界線
踏みしめて
進む

(20200615)

君の背に張り付く布と濡れた赤
歪む記憶で誰の名を呼ぶ

#桜桃忌
(20200623)

紫陽花


君と一緒に見た
窓越しの紫陽花
空のように青くて
いつまでも眺めていられた
いつの頃からか
紫陽花は赤紫色に変わり
夕闇を連れてきた
ひとりの水無月
君との思い出までも
奪われた気がした
傘はいらない
この慈雨は
わたしの頬も濡らし
やまない

(20200625)



仲間とはぐれた飛べない鳥を
空飛ぶヒーローが助ける
幼い頃に見たアニメ
この飛べない鳥は
もう絶滅してしまったんだって
母が教えてくれた
現実にいたはずの鳥は
アニメのなかで笑っていた

時々
この鳥のことを思い出す
なぜかはわからないけど

物語の結末は覚えていない

(20200627)




いなくなりたいと漏れた言葉を抱えられず投げ入れるエコバッグの軽さ

(20200628)