週報:ゲーセンには行けるときに行け

漢には泣いていい時が3つある。
生まれたとき、親が死んだとき、そしてホームゲーセンが潰れたときだ。

2025年1月31日。京都寺町a-cho閉店。
お疲れ様でした。ビデオゲーム中心のゲームセンターの、一つの時代が終わったと言えるでしょう。

直前まで「仕事終わってから行くでもいけるかな……?」と思ってたけど、無理にでも休んでほぼ開店から行ったのが完全に正解でした。音ゲーマー的には、最後にお気に入りの筐体で好きな曲とか葬式っぽい曲をプレイしたいですからね。

ほぼ開店凸だったんですが、連コできたのは開店直後数時間で、昼過ぎ以降はずっと並びが途絶えなかったし、17時ぐらいから仕事終わりのゲーマーがもりもりと増え、弐寺だと2台しかないLM筐体に10人以上並ぶ状態。格ゲーもSTGも同様で、酸素吸うのに外に出て休憩するとか必要な程でした。

これからホームゲーセンが閉まってしまう音ゲーマー宛に知見を共有するんですが、最後だしと思って手癖で選ぶ好きな曲も全部葬式の曲に聞こえて泣けてくるので覚悟してください。音楽の力って凄い。

気軽に『THANK YOU FOR PLAYING』とか『IIDX RED Ending(Ryu☆Remix)』みたいなエンディングっぽい曲を選ばない方がいいですよ。本当に泣くので。僕は昼から涙目で鍵盤をしばく異常中年になりました。

そんな感じで、後半は最後の蛍の光を聞くまでベガ立ちしてたんですが、情けない話ずっと涙ぐんでたな……こんなに良い場所なのに。こんなに愛された場所なのに。

自分は全然交流するタイプじゃなかったけど、絶対に過去に何度も見かけた人がたくさん居て、別に「あのときの!」とか話しかけたりするわけじゃないんだけど、それでもお元気そうで何よりだった。もちろんみなさん相応に年は喰ってたけど。

店長さんが最後の挨拶で(かなり酔ってらっしゃったのでもっと曖昧だったが)「俺たちがなんかしたとかじゃない、みなさんがなんかしたとかじゃないんだけど、こうなってしまう運びとなりました」という旨のことを仰っていて、たぶん最近閉まるゲーセンの事情ってほとんどはそうなんだろうなと思った。

特にa-choなんて、四条寺町の一等地だから地価がめちゃめちゃ高いことは容易に想像できる。コロナ禍による大ダメージだってあった。そもそもゲーセンってたぶんメイン顧客は学生で、その学生自体が少子化でどんどん減っているし、その学生だってわざわざゲーセンに足を運ばなくてもスマホゲーやPCゲーを趣味にする人が多いわけで……と考えると、いかにゲーセンが厳しいかは想像に難くない。

”時代”と言ってしまえばそれまだし、中でも特にコロナ禍がとびきりクリティカルだったんだろうと思うけど、なにもここまで逆風ばっかり吹かなくてもいいじゃないかと文句のひとつぐらい言いたくなってしまう。

それでも、コロナ禍もいったん収まり、ゲームに対する偏見は減ってeスポーツが規模大きくなり始めて、これからって思ってたんだけども……まぁ一番悔しいのはスタッフさん達だ。

店長の最後「こうなっちゃったけど、みんなは最高だった」という挨拶がかなり救いだったなぁ。ゲームっていいよなぁ、ゲーセンっていい場所だよなぁ。

いやはや……これで、京都でまともに音ゲーができるのは河原町ラウンドワンと円町CUEのみ。音ゲーはマシなほうで、たぶん格ゲーについては大半のレトロタイトルは無くなるし、STGに至っては0になってしまったのではないか。どんどんプライズばっかになる。さみしいねぇ。

ともかく、お疲れ様でした。
みなさんホームゲーセンは行けるうちに行きましょうね。

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