2021年度 放射線科専門医試験(一次試験)治療分野 解答解説

70~90まで解説しています。
公開しているまとめノートがあるとより理解が深まると思います。
返金は受け付けておりません。1/3は公開しておりますので、検討の上、申し込みください。

70
解答:e
ゾーフィゴ
223Ra(半減期11.4日)、α線(飛程は100μm以下)、排泄は糞便
OS延長効果あり(緩和だけでなく治療の意味がある)。たまに血球減少を起こす
バイオマーカーはALP
アビラテロン(CRPCへの抗アンドロゲン薬)と併用禁忌(骨折リスクのため)、内蔵転移に禁忌
静注を4週間に1度。最大6回(外来で治療可能)

71
解答:d
定位照射
比較的小さな標的に照射中心の固定精度を高くして大線量を投与する
適応は肺癌、肝癌、腎癌、前立腺癌、脊椎腫瘍、膵癌、オリゴメタ、聴神経鞘腫、動静脈奇形
そもそも子宮体癌の治療は基本的に手術。

72
解答:d
PTV D95処方:処方線量をPTVの95%の体積に投与すること

73
解答:e
Ⅲ期非小細胞肺癌
治療方針:耐術能なし/切除不能N0-1/N2-3ならば化学放射線療法+デュルバルマブ地固め療法

74
解答:b
甲状腺癌 
乳頭癌・濾胞癌(分化癌)※放射線感受性が悪い
Stage
55歳未満のM0:StageⅠ
55歳未満のM1:StageⅡ

分化癌の治療はまず手術(甲状腺全摘術)。その後、T3以上なら内用療法を行う。用いるベクレル量は遠隔転移の有無で変わる。

放射線ヨウ素内用療法(131I 半減期8日間)
① 遠隔転移例
取れるところは切除してから行う
肺転移例は予後が比較的良い

② 術後補助(アブレーション)
外来治療可能
T3症例などに用いる

投与方法
2週間前からヨウ素制限
4週間前からT4中止、2週間前からT3中止

目的は残存甲状腺除去、微小遠隔転移除去、術後血清サイログロブリン値のサーベイランス精度向上

甲状腺未分化癌
全てStageⅣ
治療方針:姑息手術、緩和的外照射、レンバチニブ。予後は3~7ヶ月程度

75
解答:a、d
高悪性度神経膠腫(膠芽腫)
治療方針:手術+術後TMZ(テモゾロミド)併用放射線治療
放射線治療:拡大局所照射60Gy/30fr.
※高齢者(71歳以上)には34Gy/10fr.や40Gy/16fr.の寡分割照射。
※拡大局所照射:術後巣に加えて浮腫領域もターゲットとしてマージンを加えて照射する

76
解答:e
頭頚部癌
6MV以下で照射する
IMRTで70Gy照射が多い。耳下腺を守る
照射後の抜歯は骨髄炎や骨壊死のリスクが高い。照射前に歯科受診が必要
咽頭癌は予防的頚部リンパ節領域(両側頚部リンパ節領域)を含めて照射する(甲状腺が照射野に含まれるので定期的な甲状腺機能検査を行う)
治療期間の延長が予後の悪化につながる
ケモ(シスプラチン)が基本だが、腎機能の問題などで、分子標的薬(セツキシマブ)が使われることもある
断端陽性やリンパ節転移節外浸潤陽性例では術後照射の適応

下咽頭癌
治療方針:
早期例(T1~2):化学放射線治療
進行例(T3~4):手術 ※術後照射することが多い
食道癌との重複癌が多いので、治療前に上部内視鏡を行う

77
解答:a、b
頭頚部癌
6MV以下で照射する
IMRTで70Gy照射が多い。耳下腺を守る
照射後の抜歯は骨髄炎や骨壊死のリスクが高い。照射前に歯科受診が必要
咽頭癌は予防的頚部リンパ節領域(両側頚部リンパ節領域)を含めて照射する(甲状腺が照射野に含まれるので定期的な甲状腺機能検査を行う)
治療期間の延長が予後の悪化につながる
ケモ(シスプラチン)が基本だが、腎機能の問題などで、分子標的薬(セツキシマブ)が使われることもある
断端陽性やリンパ節転移節外浸潤陽性例では術後照射の適応

上咽頭癌
治療方針:化学放射線療法(Ⅰ期のみ照射単独)
※低ステージでも全頸部に広く予防域をとる
EBVと関連
※IMRTで副作用の軽減だけでなく、生存率の改善が示されている


中咽頭癌
治療方針:
Ⅰ~Ⅱ期:口腔法で可能なら手術。無理なら放射線治療単独
局所進行例は手術。無理なら化学放射線治療。
※扁桃原発T2N1M0はヘミネック照射(片側照射)
HPVと関連するタイプがある。HPV+では予後良好

78
解答:c
Ⅲ期非小細胞肺癌
治療方針:耐術能なし/切除不能N0-1/N2-3ならば同時化学放射線療法+デュルバルマブ地固め療法
※対側肺門リンパ節転移例は根治照射不可能
※T4症例やSST(Pancoast腫瘍)の術前治療は化学放射線療法。SSTの5yOS:50%
※術後照射:N2で検討
※切除可能例での術前治療は化学療法

放射線治療
処方線量は60-66Gy
耐用線量:
肺:V20<35~40%(1~2%で致死的肺臓炎が起こる)
※下葉病変はIM(インターナルマージン、体内マージン)が大きいので注意。4D CT(呼吸性移動の把握)や呼吸移動対策が有用
※照射野内にairが多く、不均一補正が必要
※近年は予防的リンパ節領域を含めない方向

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