2018年度 放射線科専門医試験(一次試験)治療分野 解答解説


86~105まで解説しています。

公開しているまとめノートがあるとより理解が深まると思います。
返金は受け付けておりません。1/3は公開しておりますので、検討の上、申し込みください。

86
解答:e
IGRT
毎回の照射時に治療計画と照射直前の照射中心位置の三次元的な空間的再現性が5mm以内であることを照射室内で画像的に確認、記録して照射する治療
照射位置の照合基準となる位置情報は体表面、骨構造、腫瘍のいずれかから取得できる。情報はレントゲン、CT、エコー、MRIなどから得られる

a IGRTは毎回行う
b PTVの縮小が可能。CTVマージンは微小浸潤領域であり、IGRTで縮小不可能
c 呼吸移動臓器は移動が多いので、むしろIGRTを利用して少しでもマージンを狭くする
d 置情報は体表面、骨構造、腫瘍のいずれかから取得できる。CT、レントゲンの他、エコーやMRIも使える。
e IGRTは三次元的な空間的再現性が5mm以内であることが条件

87
解答:b、e
並列臓器と直列臓器
直列(1箇所やられたらダメになる):脊髄、消化管、神経、気管
並列(1箇所やられても他で代償可):腎臓、肝臓、肺

88
解答:b、e
早期障害と晩期障害
早期障害(炎症):皮膚炎や腸炎など
晩期障害(線維化):腸閉塞や肺線維症、潰瘍、二次発癌(固形癌は10年後以降、白血病は5年後))
※消化管では小腸が一番、放射線に弱い

a 放射線に一番弱い消化管は小腸
b イレウスは晩期合併症
c 潰瘍は晩期合併症
d 放射線治療は抗がん剤併用で効果も副作用も増強する
e IMRTでリスク臓器を避けるように照射が可能

89
解答:e
大まかな処方線量
緩和:30Gy/10fr.、20Gy/5fr.など
術前/術後:45~50Gy
根治:50Gy以上 リスク臓器が許せば60Gy ※IMRTではより増加させて70Gy以上
定位照射:35~40Gy/5fr.など

a 温存乳房への寡分割照射:42.56Gy/16fr.
b 肺へのSRT:42Gy/4fr.
c 脳転移へのSRS:20Gy/1fr.
d 脊椎転移への緩和照射:30Gy/10fr.
e 前立腺癌へのIMRT:74Gy/37fr.

90
解答:b
a 60Coは子宮頚癌への腔内照射に用いる
b 125Iは前立腺癌への組織内照射に用いる
c 137Csは舌癌への組織内照射に用いる
d 192Irは子宮頚癌への腔内照射に用いる
e 198Auは舌癌への組織内照射に用いる

91
解答:e
a 上衣腫は術後巣への局所照射
b 膠芽腫は術後巣に加えて浮腫領域にも照射する拡大局所照射
c 胚細胞腫は全脳室照射
d 乏突起膠腫は(拡大)局所照射で、膠芽腫より狭いマージンをつける
e PCNSLは全脳照射 ※眼球後部まで含める

92
解答:a、b
転移性脳腫瘍
原発巣:肺癌>乳癌>消化器癌
全体の全生存期間が半年程度
SRTは3cm以下4個までが適応。※近年は5個以上でも行う。
定位照射適応外は全脳照射(30Gyや37.5Gyなど)
※定位照射と全脳照射を併用することもある
SRS(2cm以下):20Gy/1fr. SRT(5cm以下):35Gy/5fr.
手術は3~4cmで予後が望めるときに行う

a 肺からの脳転移が最多
b 37.5Gy/15fr.は全脳照射で用いられる線量の1つ
c 限局型小細胞肺癌でCRTにてCRになったら予防的全脳照射を行う
d 認知機能低下は晩期合併症
e 定位照射と全脳照射は併用する。例えば全脳照射で脳転移を小さくして定位照射の適応内になったら照射したりする

93
解答:c
喉頭癌
治療方針
T1/2:照射単独
T3/4:基本は手術だが、CRTも選択肢(ケモはシスプラチン)

放射線治療
声門癌T2N0は喉頭(声門)に限局した照射野、70Gy
声門上癌は上・中・下内深頸リンパ節を含める(鎖骨上リンパ節は不要)

a 頚動脈が照射野に入るため動脈硬化のリスクがある
b 喉頭軟骨への照射で壊死のリスクがある
c 口腔内は照射野に入らない
d 甲状腺への照射で甲状腺機能低下のリスクがある
e 耳下腺への照射で耳下腺機能低下のリスクがある

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