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2024/9/5(木)の宿題:福島第一原発では何人くらいの人が働いているのか
『今日の宿題』(Rethink Books編、NUMABOOKS)に毎日取り組んでみる47日目。本日は開沼博さんからの出題。
福島第一原発では一日あたり何人ぐらいの人が働いているでしょうか?
この宿題、まずは何も調べずに想像してみたけれど、全く見当がつかなかった。難しくてどこから取り掛かっていいかわからないレポートに取り組んでいるときのあの感覚。なので、どういう道筋で調べて、答えにたどり着いて、どう思ったかを記しておきたい。
まず「福島第一原発 職員」で検索した。すると2011年の東日本大震災の際に起こった事故のことが出てきた。被ばくにより亡くなった方はいないというような情報だった。
安直な検索ではよくわからなかったので、いったん「福島第一原発」を調べ、その規模とか今の状況を調べようと考える。恥ずかしながら、そういったことも全然知らなかった。
手始めにWikipediaを見てみる。
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目次をざっと見ていると「発電所の運営」という項目があった。開いてみると「人員数」があるので、期待を胸にその項目を見てみる。
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書かれているもので最後の時点の人数は、2010年で6000名近くとのこと。しかしこの後、2011年に震災と事故が発生しているので今は違うはずだ。規模を縮小しているのだとしたら人数も減っているのだろうか。
今、福島第一原発がどうなっているのかというと、「現在は全ての原子炉において廃炉作業が続けられている」そうだ。
廃炉作業にはどれくらいの人が必要なんだろう。そもそも廃炉作業ってどういう作業なのか?
東京電力のサイトによると、
福島第一原子力発電所における廃炉作業とは、原子炉施設の解体等を進めていくことです。それに向けて、まず、使用済燃料プールに保管されている核燃料を取り出し、その後、炉内に溶け落ちた燃料(燃料デブリ)を取り出す作業が必要となります。事故により発生した放射性物質によるリスクを継続的に下げるため、主に4つの作業(「燃料取り出し」、「燃料デブリ取り出し」「汚染水対策」「原子炉施設の解体等」)に取組み、期間としては、30〜40年かかる見通しです。
やめるためにもこんなに時間がかかるのか。恐ろしいことだ。
廃炉作業を安全かつ着実に進めるために、国が定めた「中長期ロードマップ」を踏まえて作業の目標行程や安全対策が定められているらしい。
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その中に「作業・労働環境」の項目があった。作業員の被ばく線量の低減も図られているらしく、2024年7月の作業員の被ばく線量と分布のグラフが掲載されていた。
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あった! 作業員の人数! 2024年7月時点で、福島第一原発では一日あたり7000人くらいの人が働いているのだ。稼働中じゃなく、廃炉作業にあってもこの人数。しかも働いている人たちは被ばくのリスクにさらされている。そんなに多くの人たちが関わっているなんて知らなかった。
今回このような宿題が出たことで、自分が普段調べないような領域を調べることができてよかった。原発ともなると廃炉だけでこれだけの人数が必要で、そのうえとても長い時間かかるということもわかったし、東京電力が廃炉作業についてわかりやすいサイトを作成していることも知れた。自分が見えているものの外側から問題を出されると、その分だけ少し視野が広がる気がする。