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2024/8/31(土)の宿題:中野の境界線

 『今日の宿題』(Rethink Books編、NUMABOOKS)に毎日取り組んでみる42日目。本日は藤井治さんからの出題で、「あなたの町の境界線は(地図上の境界線とは無関係に)どこからどこまでだと思うか」について書く。

 上京して初めて住んだ、大好きな中央線沿いの中野で考えてみたい。中野に住んだのはそこに大学の寮があったからで、場所は自分で選んだわけではなかった。今思うと一人暮らしするには家賃面で贅沢な町だったと思う。寮だから安く住めた、それはとてもラッキーなことだった。おかげで私は中央・総武線が好きになった。

 中野の境界線を勝手に引かせてもらうとするならば、南よりは北を広く、東よりは西に広くとることになる。ここからはグーグルマップを見ながら読んでもらったほうがいいかもしれない。

自分で書いたひどい地図



 まず北側について。中野駅の北側にはサンモールというアーケードがあり、そこを歩いていくと中野ブロードウェイに入る。中野ブロードウェイは日本初のショッピングセンターと集合住宅の集合体建築らしい(Wikipedia参照)。入ってみるとわかるが、中野ブロードウェイの特に2階以上には異質な空間が広がっている。昔懐かしいアニメキャラのフィギュア、ポスター、プラモデル、ぬいぐるみ、マンガ、本、怪しげな占い、マッサージ、なぜか高級な時計店……。様々な店が狭くて全く日の差さないビルの中に雑多に詰め込まれている。少し不気味だけど結構好きだ。大部分を占めるまんだらけは品揃え豊富で、一昔前の漫画を集めるのにお世話になった。また、地下1階にある8段ソフトクリームの店で短期間アルバイトをしていたことがあり、ソフトクリームを巻くのが得意になった。
 文化財レベルのへんてこで面白いビルであり、また個人的な思い入れもあるため、北の境界線は中野ブロードウェイまでとしたい。

中野ロープウェイで購入した
海を詰め込んだロマンチックで懐かしのキーホルダー

 

 次に南側について。中野の南側は正直あまり栄えている印象がない。レンガ坂というところはこじゃれた酒場が並んでいるようだが、お金のない大学生の頃は近寄ったこともなかった。というか中野の南の方ではやばい酔っ払いに絡まれた記憶しかなく、いい思い出がない。
 しいて言えば最近行ったカフェハイチというお店がとてもよかった。こってりしたキーマカレーで、苦いようなもはや甘いようなという味わいが独特だった。コーヒーもおいしかった。ということで独断と偏見すぎるが中野の南の境界線はカフェハイチまでとする。

カフェハイチの激うまカレー


 次に西側について。中野の西側は個人的に広い。しかしなにか特別なものがあるわけではない。オフィスビルと警察病院に挟まれて四季の森公園といういい感じの緑の広場がある。その奥の2校ほどある大学のキャンパスの前に寝そべれるほど大きなベンチがあって、そこで友人としゃべりながらアイスを食べたりぼーっとしたりしていた。寮生活が嫌で部屋に戻りたくないあまりそういうことをしていたので、懐かしくて良い思い出としてずっと残っている。寮は1年と少しで出て、一人暮らしを始めることができた。
 この四季の森公園では最近(?)盆踊りが有名らしい。私が中野に住んでいた頃はやっていた記憶がないのだが。ということで中野の西の境界線は四季の森公園の西側までとしよう。

 最後に東側について。北口側の東は狭い。居酒屋が並ぶ通りがあるのだが、ここまでだろう。それはもう様々な飲み屋が並び、玉袋筋太郎や江頭2:50もよく飲んでいる(いた?)らしい。しかし通りを外れると案外すぐに住宅街があるので、そこを通るたびにそのあたりに住んでいる人たちは夜中までうるさかろうなと思ったりもする。
 南口側の東の方にはなかのZEROがあってその近くかその中に200円で見られるプラネタリウムがあり、金欠デートにはぴったりであるが、ほぼ行ったことがないのでそのあたりの記憶がかなりおぼろげだ。なので東側は飲み屋通りまでとさせてもらう。

 町の境界線を考えると、私の中野での過ごし方があぶりだされてなんだか恥ずかしい。しかしその町の境目の認識と生活とは切っても切り離せないものだから仕方ないだろう。駅が大きかったり、その町に長く住んでくまなく歩きまわったりすれば、町の境界線なんて感じなくなるだろうか。好きな町ならそんなふうに思えるくらい歩き回りたいものだ。


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