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2025/1/30(木)の宿題:チラシのウラ

 『今日の宿題』(Rethink Books編、NUMABOOKS)に取り組んでみる77日目。本日は名久井直子さん〈ブックデザイナー〉からの出題。

あなたは、これから、
どこかで拾った紙を表紙にして、あなたの本を作ります。
どんな紙で作りますか?

『今日の宿題』Rethink Books編,195頁

 小さいとき絵を描くのが大好きだった。しょっちゅう遊びに行っていた祖母の家では裏が白いチラシや過ぎた月のカレンダーをためてくれていて、私はいつも何かしらの裏紙にお絵描きしていた。

 拾ってきた私らしい紙で表紙を作るならそれはチラシかもしれない。その当時、裏が白いチラシはパチンコ店のものである場合が多かったから、パチンコ店のチラシがいいだろう。

 チラシの裏にお絵描きをしていた人は多分そんなに珍しくないはずだ。

 昔、Twitterでとても興味深い漫画を投稿している人がいた。その人は自分のウェブサイトに創作したものを載せていて、それも全部読んで、大好きだった。
 その人の名前が「チラシのウラ」で、ああこの人もチラシの裏にお絵描きをしていたクチですね、という仲間意識めいたものを感じていた。ただのチラシのウラからこんなにおもしろい漫画が生まれたんだと思うとかっこよすぎる。

 その人はそのうち漫画を出版することになって、そのときに「チラシのウラ」から「詩野うら」という名前に変わってしまった。
 出版の際にはちゃんと「姓」と「名」っぽくする必要があったんだろうか? 『女の園の星』などの和山やまさんも、最初はただ「和山」だったような気がする。元の名前を少し変えて、あるいは足して、もとの名前を奪われるとき、私は少し寂しくなる。その人自体は変わっていないはずなのに、なんとなく。

 それはそれとして、詩野うらさんの『有害無罪玩具』がとても好きです。有害であるけれど罰することはできないおもちゃ、そんなタイトルだけでもわくわくしませんか。

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