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2024/8/6(火)の宿題: すごい青

 『今日の宿題』(Rethink Books編、NUMABOOKS)に毎日取り組んでみる17日目。本日は武田砂鉄さんからの出題で、「関門海峡」について書く。

本州から九州への関門

 最初に断っておくが、これは私の幼いころの記憶に基づいて書いているため、事実と違う部分があるかもしれない。その点はご容赦願いたい。

 国境の長いトンネルを抜けると雪国だった、というけれど、本州から九州に行くときの風景はトンネルひとつでそこまで変わりはしない。
 しかし、私の記憶の中で明確に「九州に入る!」と心が躍る風景がある。それが関門海峡だ。
 関門海峡は本州と九州の間にある海峡で、橋がかけられるほど狭い。とはいえ海ではあるので、かなり大きな河のような雰囲気がある。車で本州から九州に向かうとき、必ずここを通った。車内で退屈しながら空や山の木々を見たりCDプレーヤーにイヤホンをつなげて音楽を聴いたりしていた最中、突然「青」が現れる。記憶の中のあの風景はいつも晴れている。空の青が上から押しつぶしてくるような感覚に加え、下から海の青がせり上がってくる感覚。私たちは橋の上を走っているけれど、それがとても心許ないような、それでいて青のなかをすごいスピードで駆け抜けている爽快感があるような。そこに「九州に入るぞー!」という謎の興奮も相まって、本州と九州間のドライブの一番の見どころだった記憶がある。
 川端康成ならその青のことを描写するのではないかと思ったりする。

 今回の宿題はとんでもなく難しかった。これで許してください。夏休みの宿題の読書感想文みたいに、取り組みたくなくてそれはもうじたばたした。無理!といいながらそのへんを転げまわったりした。私は川端康成大大大先生ではないので大変おこがましい。ただ、川端康成なら実際どう描写するのか知りたい。文豪の頭の中の引き出しにはどんな言葉が仕舞い込まれているんだろう。

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