見出し画像

ゲーミングPCの寿命は5年

「せっかくだから」
「どうせだから」
「高い買い物だから」
「10年使うから」
「一生ものだから」
などなど、初めてゲーミングPCを買う人ほど奮発する傾向があります。
「ネットで失敗談を見たから」
「妥協するなと言われたから」
「安物買いの銭失いになりたくないから」
「10万円を超える高額商品の購入が初めてだから」
「絶対に失敗したくないから」
などなど、不安をお金で解決しようとしますが、高価なPCなら長く使えるかというとそうでもありません。


10年前のパソコンとは

 「一生もの」「10年は使う」と期待する人がいますが、本当に10年も使えるものでしょうか。
 2022年現在、インテルのCPUはCore i7-12700Kなどの第12世代です。
 10年前といえばCore i7-2700Kなどの第2世代です。
 CPUは毎年のように新製品が出るため、10年で10世代違います。
 CPUと同様にゲーミングPCに欠かせないグラフィックボード(GPU)は、NVIDIAのGeForceでいえばRTX30シリーズが現在発売中ですが、10年前はGTX500シリーズです。こちらも進化が繰り返され圧倒的な性能差があります。

PCの寿命とは

 10年前のi7-2700KとGTX580を搭載するPCを実際に所有していました。

物理的寿命

 2012年にi7-2700KとGTX580を搭載するPC購入しました。
 2015年にGTX580が壊れたので、ここでPCを買い替えていれば「PCの寿命は3年」ということになります。
 しかし実際は、それ以前に使っていたGTX460に交換することで延命しました。
 故障や不具合で買い替えるか、修理をするかで寿命は変わります。
 PCの寿命を「修理できず破棄する以外にない状態」と定義すれば、恐らく10年かそれ以上でしょう。

性能的寿命

 ゲーミングPCの使命は「やりたいゲームを快適にプレイできる」ことです。動画視聴や文書作成ができても、ゲームの動きがカクカクならゲーミングPCとしての寿命を迎えたことになります。
 i7-2700KとGTX580のPCはGTX460に交換することで延命しましたが、新しいゲームをインストールしても最高画質に設定するとカクカクするため画質設定を落とさざるを得ません。
 その後、ブルースクリーンが頻発するようになり、HDDも異音を発するようになりました。前述の「修理できず破棄する以外にない状態」ではありませんが、総合的に考えて買い替えることにしました。
 2012年に購入し2016年に買い換えたため、性能的寿命は4年9カ月程度でした。

寿命を感じるとき

 「ゲームの要求スペックが年々上がる」は言い過ぎですが、それでも徐々に上がっています。
 10年前のゲームを遊び続けるなら10年前のPCを使い続けることができます。今でもi7-2700KとGTX460のPCで10年前のゲームは遊べます。
 2016年に買ったi7-6700とGTX1060のPCも5年を経過しましたが、最新のゲームをプレイしていないため性能不足を感じません。
 新しいゲームを始めて、画質やフレームレートに物足りなさを感じた時がPCの寿命です。

壊れやすいわけではない

 普通のノートPCを10年近く使っている人は「ゲーミングPCの寿命は5年」と聞くと壊れやすい印象を持つかもしれませんが、物理的な寿命のことではないため「壊れやすい」は当てはまりません。
 車に例えると、ノートPCは軽自動車です。近所の買い物に行くだけなら10年落ちでも問題ありません。一方でゲーミングPCはスポーツカーです。サーキットで競い合うためには最新のスポーツカーに劣らぬ性能を維持しなくてはいけません。
 移動手段としては現役でも、レースでライバルに負けることが続けば引退を考えます。故障がなくても買い替えを考える時期、それがおよそ5年ということです。

価格の差は寿命の差ではない

 「一般的なゲーミングPCが5年なら、もっと高額なPCを買っておけば10年使えるのではないか」という発想は危険です。
 値段が高いPCは性能も高いと言えますが、寿命が長いとは言えません。
 i7-2700KとGTX580は発売当時のハイエンドCPUとハイエンドGPUの組み合わせですが、CPUもGPUも進化し続けるためハイエンドパーツも翌年には型遅れになり相対的な性能が下がります。
 30万円のPCが15万円のPCの2倍の寿命ということはありません。
 30万円のPCを10年使おうとするよりも15万円のPCを5年で買い替える方が賢明です。「5年後の最新ゲームを最高画質でプレイ可能なPC」を求めても5年後のゲームのことは誰にもわかりません。それよりも「今やりたいことができ、5年後には性能不足で買い替えたくなるくらいのPC」を買う方が気が楽で財布にも優しく済みます。
 なお、30万円を超えるPCは「長く使いたい人向け」ではなく「今ある最高性能を求める人向け」です。常に最高を求め、5年も使わずに買い替えるような人向けです。

CPUとGPUの進化

 ニコニコロニーの用語解説のページでCPUとGPUについて説明しています。
 CPUとGPUの進化の項目ではCPUとGPUの各モデルを発売時期別に一覧表にしています。これを見れば時代が進むにつれ加速度的に進化していることが視覚的にわかります。

今買うなら

 現在のゲーミングPCのCPUは、IntelのCore iシリーズの第10世代から第12世代の3世代が併売されています。
 第10世代のi7よりも第12世代のi5の方が性能が高いので、i7にこだわらず客観的に性能差と価格差を比較する必要があります。
 GPU(グラフィックボード)は、NVIDIAのGeForceのRTX30シリーズが主流ですが、GTX16シリーズも用途に見合っていれば候補になります。
 AMDのRyzenやRadeonもあるのでゲーミングPCの選択肢はたくさんあります。


いいなと思ったら応援しよう!