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セシボンといわせて(十四、十五、十六日目)
〈十四日目〉
今日は先だってセシボンの名前の意味を尋ねてくれた知人が尋ねてくる日だ。
早朝から、猫をケージごと軒下へ。緩やかとは言え斜めに下っている為、母が工夫して古いまな板や板切れをかませてなるべく平らに近づける。その甲斐あって、午後になってもカタカタ揺れるケージの音がしない。前回は猫も緊張していたのだろう。震えているのは緊張しているのだと、保護猫の世話をしているタレントさんが話すのを見たばかりだ。
ただ、ジョイントマットは咬みちぎられていたし、トイレの位置も変わっていた。 エサのカリカリはメーカーを変えてみたら、食べるようになってきた。
知人が帰る際に、段ボールのフラップをあげて顔を見ると、それまで静かだったのが、ナーナー、としゃべり出すのが、文句を言っているようでもあって、ちょっと面白い。
夜、ケージの掃除をしていると、母から、このままじゃいつまでたっても慣れないから近いうちにケージを玄関に引っ越すという話が出る。やっと希望が叶うので勿論賛成する。
〈十五日目〉
起きると、母が玄関を片付け始めている。いつもながらの実行力に脱帽する。朝のうちなら車も少ないので、重たいトイレだけは出した上で、ケージを道路づたいで移動させて くる。
玄関にケージを収めると予想通り、急な環境の変化にセシボンが激しく鳴く。車庫からトイレを取ってくる間に床に降りていて、一所懸命訴えている。
夕方、帰宅。トイレは半分ひっくり返り、その上にジョイントマットが被さっている。
玄関へ移動したので、夫の帰宅に間に合うように、トイレの砂の入れ替えや掃除を頑張って行う。
セシボンは夜中中、ずっと鳴き続けた。
〈十六日目〉
5時に起きて玄関へ。
ジョイントマットはズタズタ、ケージ内はトイレの砂にまみれ、餌もない。
すごいなあ、と漏れてしまう。母からマットをかみ切ってる所を見た、と聞く。 「ストレスかぁ......」「マット、どうしようか」「ストレス解消出来た方がいいから入れたままにしようか」
夫を送り出す前になんとか片付ける。
セシボンは一日中大人しかった。玄関を通りがかりに「ん~」などと小さな声で言うくらいで特に騒ぎもしなかった。夕べの疲れもあるのだろう。
そして私も抱えている足の不調から来る疲労が激しく、八時頃、仮眠だけのつもりで横になり、そのまま朝を迎えてしまった。
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☆☆☆見出し画像はみんなのフォトギャラリーより、にきもとと様の作品『 。 』を拝借しております。いつもありがとうございます😊☆☆☆☆☆