愛犬・外飼いトイプードルの思い出49
私が愛犬に初めて買ってあげたもの。それは散歩用のハーネスだ。
愛犬は長いこと、首輪にリードを直接つけて散歩に出かけていた。それだとグイグイ引っ張った時にノドが苦しいだろうから、高齢家族から朝の散歩を引き継いだ時にハーネスを買ったのだ。
ある日曜日の朝、メジャーで胴回りを測っていると、今は家を出て独立した家族がその様子を物珍しそうな顔で見ていた。
採寸後、まずは地元のペットショップへ。ハーネスの種類を確かめ、店員さんにアドバイスなんかを聞き、それから近くのドンキホーテに行ってペットコーナーをのぞき、いくつか触ってみてクッション性のある赤いハーネスを購入した。
早く付けさせたくて急いで家に帰り、愛犬に試着させてフィット感を微調整していると、朝、採寸の様子を見ていた家族が顔をのぞかぜ、「なるほど」と納得していた。
愛犬は、ハーネスを気に入ってくれた。翌日からは、ずっと前からハーネスをしていたかのように、違和感なく散歩をしてくれた。犬のためを考えて作られた道具だから、当たり前と言えば当たり前か。
そのハーネス、時々洗いながら、ずっと使い続けていた。くたびれてはきたけれど、まだリニューアルするほどへたってはいなかった。だから今も、リードと一緒に袋に入れて庭の物置に仕舞ってある。
この前、その袋を開けてみたら……犬臭かった〜。その匂いが懐かしく、涙が出てきた。