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愛犬・外飼いトイプードルの思い出05

トイプードルの15歳は、人間に換算すると76歳ぐらいだそう。

今、ネットで調べてみた。
平均寿命は12〜17歳というから、一応、平均寿命は生きたんだな。決して短命ではなかったんだな。でもあんなことさえなければ、もっと長生きしたんだろうな……。ギネス記録も狙えたかも?トイプードルの長寿ギネス記録は20歳だそうだ。

老化は耳からやってきた。
耳が遠くなり始めたのはいつごろだったろうか?最近とみに症状が進み、呼びかけてもまったく反応しないことが多々あった。昼寝をしている時などは近づいても、呼んでも、大きな声で呼んでも気がつかない。様子を観察するとお腹が上下しているから、生きてはいるみたい。犬小屋の屋根をトントンと叩くと、ようやく目を開けノソノソと小屋から出てくる始末だ。

家の高齢家族も同じように耳が遠くなってきて、犬だろうが人間だろうが、誰に話しかけるのも大きな声を出さないといけないのが、目下の悩みだった。大きな声を出し続けていると、自分まで耳が遠くならないだろうか?人間は補聴器という手があるけれど、犬の補聴器というのは聞いたことがないな。

目も白く濁り始めていた。白内障だ。高齢家族は数年前に白内障の手術をしていたが、愛犬は獣医で処方された目薬をさしていた。改善はしなかった。進行が遅くなっただけだろう。

それである時、犬用の視力活性サプリを与えてみたら、次の日、ゴミ出しに行った家族を遠くから見つけたということがあった。サプリの効用か、たまたま偶然かはよく分からない。結局、それ以上の効果が感じられなかったので、サプリは一袋飲みきったところで止めてしまった。

境遇が似ているからだろうか、高齢家族と愛犬は互いにいたわり合って日々を過ごしていた。しわくちゃの手でボサボサの頭をなでられ、嬉しそうに目を細める様子は、見ていてほっこりするものだった。

愛犬の死から数日後……。庭の犬小屋を見ながら、高齢家族がポツリと言った。「もう犬は飼えないね」と。



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