愛犬・外飼いトイプードルの思い出27

散歩中の可笑しい写真といえば、これだ。

定番の散歩コースの一つに、地面スレスレの位置にミラーが取り付けられている家（のガレージ）がある。普段は素通りするのに、ある日、急にそのミラーに反応した。鏡に写る自分を見つけて立ち止まり、戸惑ったような表情を見せたのだ。

ほかの犬と仲良くなろうとしない愛犬が、唯一、唸ったり避けたりしないのが同族のトイプードルで、この時も、最初はちらっと見て通り過ぎようとしていた。しかし、なにかが変だと気がついたのだろう。ふと足を止め、少し後ずさって鏡の後ろをチェックし、再び鏡の前で立ち止まって目の前に居る犬を見つめた。

その間の時間は覚えていない。でも、スマホが取り出せるくらいの時間があったのだから、一瞬ではなかったはずだ。

鏡に向かって吠えるかな？と思った。でも吠えなかった。ただ、なんだか解せないという顔をしてから、プイっと横を向き歩き始めた。

まちがいなく、鏡の存在は理解できていないだろう。でも、自分には無害だと分かったようで、それ以降、ミラーの前で立ち止まることはなく、素通りするようになった。

ちぇっ、もうちょっと反応してくれれば面白かったのに。でも、その素っ気なさが愛犬らしかった。