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容姿も景色も、どこまでが本当?

加工された世界で生きる私たち──
朝のニュース番組で、プリクラ機の進化が流れてました
聞き流していたのですが、「目の位置を変えられる」というワードが耳に残り
「え!目の大きさではなく位置まで変えられるとは」
驚いてしまいました
何十年か前、写真はその場で確認ができず、現実そのままを切り取るものでした。
思い出を残すもの。
「うつるんです」を現像したときは、ほぼ同じ写真で、ほぼ使えないという苦い経験を何度もしましたが、それも今となればいい思い出です。
そこから月日は流れ現代は技術の発展とともに、瞬時に確認し、選び、さらに加工を加えることができる時代になりました。
写真が「記録」から「理想を形作る手段」へと進化したとも言えるかもしれません。

1. 「理想」を追い求める時代
今、私たちは理想を作り出すことが簡単になり、普通の写真や風景さえも「そのまま」では満足されなくなっています。
SNSで見る景色や人々の写真には、加工が加わっていることがほとんどです。
プリクラやアプリで自分の顔を作り替えるのも、旅行先の写真にフィルターをかけて「非日常感」を演出するのも、その延長線上にあります。

2. 「容姿」への加工──理想の自分を作るということ

人は多かれ少なかれ、自分の容姿に「こうだったらもっといいのに」と思う部分を持っています。それは誰にでもある自然な感情です。
プリクラや加工アプリが進化して、目の大きさだけでなく位置まで変えられるようになった今、それが「どんな自分になりたいか」を気軽に試せるツールになっています。
でも、こうした加工は私たちの「本当の自分」を否定しているのでしょうか?
むしろ、一時的にでも「なりたい自分」を体験することで、自信を持つきっかけになる場合もあります。

3. 「景色」への加工──現実と幻想の狭間
風景写真の加工技術もまた、日常を非日常に変えるツールとして広がっています。
実際に訪れてみると「SNSで見たのと違う」と感じることも少なくありません。
例えば、空の色が過剰に鮮やかだったり、建物がきれいに見えるよう影が調整されていたり。
旅行先で見た「真っ青な空と黄金のビーチ」の写真。実際に訪れると、曇り空でビーチは茶色く濁っていた、なんて経験があるかもしれません。
これらは「現実を少し理想的に見せたい」という気持ちから生まれるものです。
しかし、こうした加工された写真に期待しすぎると、実際の景色に失望を感じてしまうこともあります。そこで問われるのは、「その場で感じる本当の価値」と「写真の美しさ」のバランスです。

4. 「本当の姿」と向き合うために
加工は私たちに「理想」を見せてくれる一方で、現実を忘れさせてしまうこともあります。
容姿も景色も、まずはそのままの良さを認め、愛すること。
それが、加工時代の新しい自己肯定感につながるのではないでしょうか。

加工は現実を変える手段ですが、私たちが生きているのは加工された世界ではなく、本当の現実の中です。
その現実には、加工では作れない価値がたくさん詰まっています。
容姿も景色も、まずはそのままの良さに気づくこと。
それが、本当の意味で自分や世界を好きになる第一歩なのかもしれませんね。

※掲載している画像は、使用許可をいただいているものですが、加工の有無については確認しておりませんので、予めご了承ください。

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