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お店を始めて丸3年。変わったことと変わらないこと。

2023年7月9日。
「こうじ専門店24koujiya (にしこうじや)」を開店して今日でちょうど丸3年がたちました。


3年前の今日、ドキドキしながら開店したあの日のこと。。。
正直あんまり覚えていません。
必死すぎて、じぶんで何をしていたのか全く思い出せません。

ただ、こうして3年お店を続けていられるのは、いつも支えてくださるお客様のおかげです。本当に、いつもありがとうございます!!


3年が経って、改めてお店を始める前と、あとで、変わったことと変わらないことをちょっと振り返ってみたいと思います。
しばしお付き合いを。

麹屋がお店を始めて変わったこと。


①米麹を少量ずつ購入するお客様が増えた!

お店を始めるタイミングで、麹の購入単位を最少1kgから最少200gに変更しました。少量から購入できるようにしたところ、開店してからの新しい常連さんが増えています。

若い方も、一人暮らしの年配の方も、少ない量だと安心して購入できるようです。
確かに、1kgってなかなか一人では使いきれないですもんね。

少量でも気軽に購入いただけるのは間違いなく良いことなのですが、ただ、正直なところ、お店の運営的には(商売的に)これが正しいとは言い切れないのかも…とも思っています。
確実に売上は下がるのに対して、販売の手間はかかっていると言う現実。。。

計算したらちょっとやばいかも!と焦っちゃうやつ。

でもね、自分がお客様の立場だったらそんなに使わないものを沢山いらないよと思ってしまうので、これは対策を練りながら続けていきたい。


②手作りに移行する常連さんが増えた!

同じようなことですが、
始めてお店で塩こうじを購入。

どんな料理にも塩こうじを使うようになる

小さいサイズだと足りない!

大きいサイズで買う!

もっとたくさん使いたい、欲しい!

自分で仕込んでみる!

ちょっとめんどくさいな…

今回はできたものを買おう!

小さいサイズだと…に続く

この無限ループにハマる方多数!


正直なところ、麹を購入して仕込んでもらうより、できた商品をどんどん買ってもらう方が儲かります。
単に売り上げを上げたいという気持ちだけなら、最初から出来上がった商品をどんどん進めているはずです。

私たちがそうしないのは、お店をやる一番の目的が決して『儲け』ではないから。
もちろん、商売ですから儲けがないとやっていけないので、近江商人の三方よしを目指して。
作りたい!作ってみたい!という方には迷わず原料の購入をお勧めしてます。

ただ、原料としての麹だけを購入される方が多くなれば、その分利益は少なくなるので、この点も、運営としては正直バランスが難しいところ。

③ギフト需要が増えた!

お歳暮、お年賀、お中元、内祝い、返礼など大事な贈り物としてご利用いただくことはもちろん、ちょっとした手土産としてご利用いただく機会も増えました。

ちょこっとした手土産に喜ばれるということで、最近では企業様からの依頼も増えています。
とある住宅展示場で企業さまの手土産に使っていただいたり、読者アンケートのプレゼントとしてご利用いただいたり。

一番多いギフトはやっぱり母の日ですね。
遠方の義母、実母に送るお嫁さん、娘さんが一番多いです。
麹の調味料は料理が簡単になる上に、健康的に美味しく食べられますからね。進めたくなる気持ち、わたしもすごくわかります。


④お客様の幅が広くなった!

お店を構える前、メインのお客様は60代〜の女性でした。
同じの子育て世代のご家族にも麹の魅力を知っていただきたいという思いから、麹=和風ではなく、もっと身近で親しみやすいようなお店にしたいな…と考えて今のお店のデザインになったわけですが。。。

丸3年経って、お客様の層はガラッと変わり
30代〜の女性が多くなっています。
さらに、驚くことに男性だけの来店も増えてます。

予定が合えば家族みんなで揃って。
予定が合わなければ、来れる人だけが来店する。

常連のお客様だと、お父さんがお子様と麹を買いにきたり、
お父さんだけで味噌を買いにくる。

そうやって、家族でもそれぞれに買い物に来てもらえることがとっても増えました。

先日、一人のお客様がいつも一緒の常連様とは別の常連様と一緒にいらっしゃったので、
(ものすごく似ているだけで他人の空似なのかもしれない…でも、ものすごく似ている!どうしよう、声をかけるべき?と悩みつつ)
声をかけてみたら、なんと常連さん同士が姉妹だった!という事実が発覚しました。

一緒に暮らしている家族だけじゃなく、離れている家族でも共通して使っていただいているというのが、なんだかもう本当に嬉しいことです。

番外編》ご飯の支度をしなくなった

個人的に一番変わったことは食事の支度をしなくなったこと。
始める前は、朝はお手伝い、昼と夜は4〜10人分用意してたのが、それをやる余裕がなくなりました。
お店の営業時間後に片付け、会計の処理や、翌日の準備やオンラインショップの対応などしていると我が家はもう夕ご飯の時間。

2023年7月現在、我が家の夕飯は基本18時〜。
義父母とみんな揃って食べるのが基本です。
(すごいでしょ?THE昭和の家庭。
でも、このしきたり?ルール?があるお陰で、規則正しい生活から外れないから結構助けられている面もある)

18時に食べられるようにするには、お昼を食べたらすぐに夕飯の支度を始めないと間に合いません。遅くとも15時にはやり始めないと間に合わない。
今お昼は、空いてる時間で何かをつまむような生活なので、必然的に役割から離脱。お皿洗いと下ごしらえが今のわたしの仕事。

お店を始めてから3年。
今、我が家の3度のメシは義母が作ってくれています。

本当にありがたい!
感謝しかないです。

同居、相性や環境次第だとは思いますけど良いものですよ〜。

お店を始めても変わらないこと

①流行りだからやっているわけではない。

お店を始めてから、幾度も言われた「今流行っているもんね〜」という言葉。
うん。確かに流行っているとは思う。

しかし、わたしは開店当初から『流行っているから麹を売っているわけではない。』とずっと言い続けてます。

どうしても麹に触れたかったわけではないし、
どうしてもお店がやりたかったわけでもない。

流行っているからやるわけでも、
健康のためにやるわけでもない。

わたしがこのお店をやっている一番の理由はすごくかんたんで単純。
生活のため。家族のため。
正直なところ、これが一番根っこにある理由。
嫁いだ家が麹屋だったから。ただこれだけ。


こうしてお店を構えていると、ものすごく麹や発酵に情熱があってやっているように見えるかもしれないけど、全然そこまでじゃないです。

発酵とか、味噌とか。
料理も好きだし、仕込むのも使うのも好き。

だけど、好きだからやってるわけではない。
売れるからやるわけでもない。

代々続いてきたものを、絶やしたくない。だからやる!
そういう気持ちの方が強い。

ただそれだけ。


すごーく情熱を持って、麹に向き合う方が増えている中、わたしは麹屋の人間なのにそこまででもなくて、これは麹屋としてどうなのかなーと思ったこともあります。

でも多分、わたしの使命は、
麹屋という文化をこの地域に残して、次の代に繋げることだと思うのでまぁそんなもんかと思ってます。

ここだけは3年経っても全く変わらずブレないところ。


さて4年目、どんなお店にしようか!

「これからどんなことがしたいですか?」
「どんな挑戦をしていきたいですか?」

お店を始めてからの3年間。テレビや新聞の取材をしていただくと必ず最後に聞かれるこの定番の質問群。
必ず聞かれるのだから、考えておけば良いのに「どうしてもやりたいこと」は特にないので、きっとこの先もうまく答えられず困り続けると思います。笑


どんなお店にしたい?と聞かれたらすぐに答えられる。
『買い物に来たお客様も、働く私たちも心地よいお店にしたい。』

お店を始めたことは新しい挑戦がしたくてやったわけではないし、必要だと思ったことをできる範囲でやろうとした結果がお店という形になっただけ。
だから、この先も何か新しいことを求めていくんじゃなくて、今〜この先に必要にだと思うことを、できる範囲でやっていきます。

わたしは、どんなことでも最終的には『人』だと思っていて、
お店の雰囲気、心地よさもその場にいる人みんなが作り出す一過性のものだと思います。

だから、心地いいな〜と思ってもらえる時間を過ごしてもらうには、スタッフ全員の接客も底上げしたいし、同じように感じてくださるお客様との交流も深めたい。

少し前に、始めて当店でお買い物をする方で、自分だけの特別待遇を望む方がいたのですが、こういう方がいると『心地よいお店』は作れないとわかりました。
すごく、空気が澱むんです。電話だけで。

その方の対応に追われた2週間。
電話が鳴るたびに本当にネガティブな気持ちになっていたし、電話した後には、手が震えて他の仕事ができなくなってしまいました。

だから、本当に申し訳ないですが、一方的な要求ばかりで対話のできない方にはこれからは遠慮していただくようにしていきます。
人と人の対話ができない方に、一生懸命作った大事な商品を渡したくないです。
なので、今後、そのような方には購入をご遠慮願います。


そんなこんなで、4年目。
今まで以上に、みなさんが心地よく使ってくださる商品、空間を大事に守るお店にしたいと思っています。

すでにご来店いただいている方も、まだの方も、ぜひご来店いただいて
わたしたちと一緒に心地よい空間を作っていただけたら嬉しいです。

4年目もよろしくお願いいたします♪

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