「アレクサ、電気消して」ってゴロゴロしながら言いたい
「アレクサ、電気消して」
有名なCMのセリフ。
子供とお父さんが一緒に部屋で何かの準備をし、横になりながらこう言って電気が消える。すると、部屋中に星のような光が点々と浮かび上がり、子供とお父さんが歓声をあげる。自宅でプラネテリウムを作成しているのですね。
なるほど、素敵な家庭だ。アレクサがいれば、素敵な時間を過ごせますよ、とでも言いたいんだろう。
しかし僕は、このCMターゲットを間違えていると思います。
子供と一緒に自宅でプラネタリウムを作るようなアクティブな家庭は、電気を消すことなんて屁でもない。
アクティブなので、電気のスイッチの場所まで余裕で歩ける。離れたところから電気を消せるのがメリットだとするならば、それはリモコンが担ってくれている。これだけアクティブな家庭ならリモコンで消せるタイプの電気のはず。紐でカチカチっと何度もする古い懐かしいシステムではないはず。
この家庭では、アレクサに電気を消す仕事を任せる必要はありません。
じゃあアレクサに電気を消して欲しい人々とはどんな人か。
家でオンラインゲームを何時間もする人。
休みの日にゴロゴロする干物系の人。
夜にぬくぬく布団に入ってもう出たくない人。
部屋が散らかりリモコンを見失いがちの人。
トイレに行くことすら面倒くさがる人。
こういうダメ系な人にこそアレクサの助けが必要なのだ。彼らは電気を点けたり消したりすることを大変めんどくさがる。立ったり移動したりするのが嫌なのだ。わかります。ひじょーーーにわかる。そういう人こそ、アレクサの補助がつくことで、ゴロ活が捗るのだ。
アレクサは家庭を豊かにするものではない。ゴロ活の加速スイッチだ。
アレクサ開発陣へ。
あなたがたはおそらく、立派な会社でテキパキと仕事に取り組んでいるのだと思います。時間管理もメンタルコントロールも自己管理もスケジュール管理もタスク管理も身のこなしもスタイルも家庭も趣味もなんでも充実させている人でしょう。つまりアクティブマンです。スーパーマンです。
そんなあなたがたは、ゴロ活なんぞしたことがないでしょう。おそらくは、見たことがない人種だ。
着る毛布に身を包みながら洗濯物を干す。
食べたものは机の上に置きっぱなしでコタツで横になる。
一歩も外へ出ず化粧もせず寝たままの格好で休日を過ごす。
そんな風にゴロ活に励む我々の気持ちがあなたがたにわかるでしょうか。いえ、わかるはずがありません。
あなたがたは勘違いしている。アレクサはアクティブをサポートする道具ではありません。ゴロ活推進道具です。着る毛布、ソファコタツ同様、人間をダメにする機械なのです。
そこを見据えて販促活動をすれば、Google Homeもアレクサももっと売れるのではないでしょうか。
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