W-KEYAKI FES.2021 感動と興奮をありがとう
「馬の歌くださ〜い!」
ブレないゆっかーとキャプテンのゆるふわMCから始まった後半戦。両チームのキャプテンが揃って…そろそろ何か来るか?暗くなった会場に立ち込める怪しげなスモーク。その向こうにどっしり構える櫻坂。力強いイントロとともにゆらりと動き出す。
「Nobody's fault」だあああああああああ!!!!!
ほんわか空気が一変する。パソコンの前でもわかる。そしてもう一つ。ここからが本番だ。言わずともわかる。センターのるんるんの目がそう訴えてくる。彼女だけじゃない。画面が切り替わるたびに映るメンバー全員からそれまでとは違う覇気が伝わってくるっ...!
「人のせいにするな」
「うぬぼれてんじゃねえよ」
「それならいっそ孤独を選びな」
強い言葉が違和感なく飛び込んできてはグサグサと胸に突き刺さるっ...!うぐ!!ぐはっ!!はうっ!!けどこれが、また気持ちいい!!!!!!
強い強い強い強い強いいいいいいいいいいい!!!!この強さこそが櫻坂だああああああ!!!!!!パソコンを見つめる僕の心がどよめく。おいおいこの後どうなるんだ……やっぱりここからが本番じゃねえか……
余韻に浸ろうとしたその時である。
「へいへいへいへーい!!!!!」
聞いたことのある声…日向のじゃじゃ馬娘こと富田の声がする!!!!そうだよなここは富田だよなあああああ!!!!!櫻坂に圧倒された空間を斬り裂けるのは切込隊長の富田しかいねえよなあああああああああ!!!!!煽りが上手いメンバーは多いし、もちろん大黒柱キャプテンもいる。けど、けど!やっぱりここに我先にと飛び出してくるのは富田だよなあああああ!!!!!!せっかく余韻に浸ろうと思ってたのによお、よくも邪魔しやがって!このやろーくっそー、最高だぞ富田!!!!!!!!!!
先陣を突っ走る富田に続いて日向坂がなだれ込んでくる。その姿はまるで、出走を今か今かと待ちわびて鼻息を荒くしている競走馬のようだ。普段声を荒げないひなのの声が裏返る。国民の妹が叫んでいるっ!!ひなのおおおおおおお!!!
櫻坂一色になりそうな空気を頼もしすぎる後輩がぶち抜きやがった…!!キャプテン…見てるか…!すぐそこで見てるよな!!感じてるよな!!!!憧れ続けた先輩のパフォーマンスにも臆せず立ち向かった2人の勇姿をよお!!!!!!
キャプテン「まだまだここからいけるよなあ!!?」
俺「いけますともおおおおおおおおお!!!!」
♪ドゥットゥルットゥルットゥ ヘーイ!!
♪トゥルトゥルトゥルットゥ コーン!!
待ってましたよ「キツネ」さあああああああああああんんんんんんんんん!!!!!!なるほど、この時の対抗策としてここまで温存していたわけか!そりゃぶつけるなら、すっかり対決ナンバーとしてお馴染みになったキツネしかないよなあああああああああ!!さあ今こそ!!キツネの牙を見せてやれ!!!!あのダサダサフォントは?くる?こない?
K I T S U N E
きたああああああああああああああああああ!!!!!!
待ってましたああああああああ!!!!!!こいつがいなきゃ始まらねえええええええ!!!!!!見える、見えるぞ俺には!!暗い夜空に燦然と浮かび上がる「KITSUNE」の7文字がはっきりとよお……
櫻に吸い込まれた観客を簡単には渡さない。そっちがその気ならこっちもやるわよ?欅のパフォーマンスに圧倒されていたなんて過去のこと。自分たちも早く踊りたい!負けない!!次はこっちの番!!!!これが日向坂の力!!!!!抑えきれないコンコンコンコーン!!!!キラキラ笑顔の向こう側で、挑発的な女狐たちの闘志はグツグツと煮えたぎっている。
櫻坂の先制パンチを受けてバッチバチに牙を向いた日向坂。ワクワクするねさせてくれるね、こちとらスーパーハイテンション!さあこれを受けて櫻坂はどうするんだい!!??
天ちゃん「(ふふっ?)」
優しく天ちゃんが微笑んでいる…だと…?
天ちゃん「Yo! 元気かい?君に逢いたかったよ」
「buddies」の登場かああああああああああああ!!!!!!キツネの牙すら優しく包み込んでいくというのかああああああああ!!!でかい、でかすぎるうううううううううう!!満開の桜の花びらは輝くためでなく包むためでもあったんですねえええええええ!!!!
天ちゃんが、そして櫻坂のメンバーがセンターステージで楽しそうに舞い躍るっ!!白い衣装は羽のごとく、乱れた髪は絹のごとく、照らす照明は後光のごとく、先ほどの力強さとは対照的に、温かい優しさが伝わってくる。あったけえ、あったけえよおぉおぉ……。
「We are buddies.
We are friends.」
初めて聞いたときはその大きすぎるテーマに、ちょっと背伸びし過ぎじゃないですかね...と思っていたけど今は違う。壮大な言葉が等身大の言葉となって自分の中に染み渡っていくのを感じる。肩を組むメンバーの延長線上にはファンのみんなが見える…今はみんな仲間でみんな友達…そう信じていいんですよね、天さん?
天さん「これからも一緒に坂をついてきてくれますよね?大好きー!!!」
モチのロンですよ天さあああああああああん!!!!
気がつけば泣いていた。溢れる暖かさでくすんだ心が浄化されていく。
しかーーーし!!!涙を拭く暇なんて無い!!だって次は日向坂だから!!どこだ?どこから出てくる?あれ、なんかカメラワークに違和感が……メンバーも気持ち少ないような…はっ!!
まさか分裂しているのか!!?花道の両サイドにいるのか!!あのサイドステージをたった11人で埋めるというのか!!??この神出鬼没の遊撃部隊め!!!く〜〜〜〜現場が羨ましい!!あっち向いても日向坂、こっち向いても日向坂じゃないか!!コンチクショーーーーーーーめえ!!!
「NO WAR in the future」のリズムに合わせて腕を上げ声をあげ跳び回り、笑顔振りまき花道を駆け抜ける姿が勇ましすぎる...ああ、これだよ...俺が見たかった日向坂は...俺が好きになった日向坂は...!!!
日向坂「さ〜あ みんなで声を♪」
俺「あげようぜ!!!!」
日向坂「NO WAR 愛し合ってる〜か〜♪」
俺「へい!!!!!!!」
ライブの定番曲。何度も聞いてきた。何度もぶち上げてきた。でも今日はいつもと何かが違う。ハイテンションなんてレベルじゃない。もっと大きな、もっと壮大な…それはきっと「buddies」の後だからだ。世界の人と愛し合う、友よ歩こう、僕たちはここにいると声を上げよう……別の時代に生まれた2曲が!今この瞬間!!時空を超えて!!!!!1つになったってことでいいですかねええええええ!!!!!!!
櫻と日向を行来していた感情も、徐々に一つへ収束されていくのを感じる。人類補完計画が現実にもあったらきっとこんな感じなのだろう。しんどいけど心地いい。
次はきっとあの曲だ。あれしかない。何度も歌番組で見てきたあの曲だ。
紫の照明をバックにセンターステージに構える櫻坂。かっこよすぎる。所狭しと駆け回り、荒声を轟かせたハッピーオーラ全開の空気を前にしても微動だにしない。会場を走り回って客を迎えに行くのが日向坂なら、センターステージから動かずに全視線を向けさせるのが櫻坂。これがうちらのやり方だ。そう言わんばかりの佇まい。があああああああ痺れるぜえええええええええ!!!!!!!熱い、アチいよおおおおおおおお!!!!!!
???「ぎゃあぎゃあうるせえなあ...理屈じゃねえんだよ...黙って見てな...!」
俺「わっっっっっかりましたあああああああ!!」
声無き声が聞こえた気がしてパソコンの前で正座する。さあ見せてください櫻坂。己が歩んできた坂の頂を!ただひたすらにい!目の前の曲に潜っていくぅ!!今のあなたたちのぉ!!!最高傑作「BAN」を!!!!!!
「Hey!!!!!!」
声でわかってしまった。今までとは違う「BAN」が来るぞ…鳥肌が立つ。ここで前言を撤回したい。日向坂の空気を前にしても動じないと言ったが、
めっっっっっっっっちゃくちゃ刺激受けて気合入ってるやんけえええええええええええええええええ!!!!!!!!バッチバチやないかあああああああい!!!!!!でもそれがいいいいいいいいいいいい!!!!!!!そういうのを待ってたんですよこちらはああああああああああああああ!!!!!!!!
イントロ、Aメロ、サビとどんどんボルテージが上がっていくのが手に取るようにわかる。乱れる髪から覗く視線、曲にハメて振り回す腕、見上げた時に伸びる首筋、舞台を踏みしめる力強い足音。細かい所作の全てに引き寄せられていく。照明、音響、スモーク、火花、夜空。全てが櫻坂に味方しているっ…!予定調和な無機物さえもが共鳴し声を上げているっ…!!
圧 巻。
欅で培ってきたもの、櫻で新たに見つけたもの、それら全てを詰め込んだ今日ラストの曲が最新シングル。今の私たちを目に焼き付けろ。これからも過去最高を更新していく。その姿勢こそが櫻坂だ…!!魂の震えが止まらねええええええ!!!!!!
次の曲もわかってる。聞かれなくてもわかっている!準備はとっくにできている!!かとし、おたけ、みーぱんにこれでもかと煽られる。高まる期待に胸打つ鼓動。そしてカメラが捉えたキャプテンの顔。くるぞ…くるぞっ…!
キャプテン「誰よりも!高く!!!跳べええええええええええええ!!!!!!!!!!!」
ひゃっはあああああああああああああ!!!!!!!号令を背に受けてメンバーが四方八方へと駆け出していくっ!一人一人の笑顔が弾け飛ぶっ!!トロッコに乗り、配信カメラを独占し、随所にこさかなの恐竜ポーズを取り入れながら、今日に関わる全ての人を迎えにいくっ!!そうそうそうそうそうなんだよ、誰も見捨てないんだよな日向坂はああああああああああ!!!!
圧 巻。
最後はメンバーが一堂に会し、ステージに一列に並んで「いつもの」隊列でフィニッシュ。3年前、天高く掲げた拳は少ない持ち時間への抵抗の一撃だったかもしれない。アウェイでもやるぞと意気込んだ反撃の狼煙だったかもしれない。しかし今回は違った。メンバーが、現場のファンが、そして自分が掲げたその腕は、決して何かをぶち破るためではなく、みんなここにいることを示す友情の証だっ…!おまけでしかなかった彼女たちが、ラストにふさわしいパフォーマンスで夜を一つにした。
ついに一つになった。そしてついに櫻坂と日向坂が同じステージに並んだ。その手にはペンライト。ああ、本当に歌うんですか?それを聞いていいんですか?でもここしかないですよね?ゆっかーの合図に合わせてメンバーが声を揃えた。
櫻坂・日向坂「W-KEYAKIZAKAの詩!!」
日向坂が歌わせてもらえず、櫻坂が歌わなかった歌だ。一面に広がる緑はそれはもうとても綺麗で。いろいろあった2組が、今こうして肩を並べて歌っている。笑顔のメンバーに泣いてるメンバー。当事者にしかわからない想いが溢れている。なんて素敵な夜なんだ…。もう画面越しだなんて忘れている。こんな時間を過ごしていいのか?こんな夜があっていいのか?こんな幸せを噛み締めてもいいのか?画面がぼやけるのは放水のせいか?
終わった後も、それどころか数日経っても余韻は消えない。櫻坂と日向坂が集まって見せてくれた奇跡のような景色。しかし奇跡はそれだけではない。数日前にロッキンが中止になり東京で緊急事態宣言が発令されることが決まったのに開催できたこと。ずっと大荒れの雨予報だったのが、初日は少しの雨、2日目は快晴、そして3日目の雷雲は現場付近を避けて通り抜けていったこと。ぐずつく天気のリハ期間と急な猛暑で肉体的に、咀嚼が難しい位置付けのライブで精神的にもハードだったが3日間を通して怪我人も体調不良者も出ず参加した全員で駆け抜けたこと。幾多の奇跡の上に成り立ったのが今回のライブだったのだ。こんなこともう二度と起こらないだろう。だが、「W-KEYAKI FES」は来年も開催されるかもしれない。くみてんはこう言った。
くみてん「また、来年も集まってくれますかー!?」
あたぼうよ!!!!!!!!!!!!!!!
櫻坂46、日向坂46、素敵な時間をありがとう!!!!!
今ライブで両坂の良さを知った人、そのまま乃木坂も追っちゃいましょう!!!!!3つの坂を登るのは大変だけど、喜びは、
3億倍だ!!!!!!!
サポートくださいましたら執筆時の喫茶店のアイスコーヒーをカフェラテにさせていただきます!