見出し画像

選手の心を高めるリーダーに学ぶ

 オリンピックで日本のメダルラッシュが続いています。コロナで暗いニュースが続いていた中で、オリンピックから勇気をもらっている人は少なくないはず。私もその一人です。

 アスリートは、大会に向けて身体や心を整えていくものですが、今回の大会は、1年延期になり、さぞ、その切り替えや調整が大変だったと聞きます。選手自身もそうですが、選手を支えるコーチや監督、トレーナー、食事を作る人なども、きっといつも以上に難しいことがあったのではないでしょうか。選手と監督、コーチが涙を流して抱き合う姿をみると、その試練の過去が浮かび上がってくるようです。

 いろんな競技が活躍する中で、いちばん金メダルが多いのが柔道。今回、「全階級メダル」を目標にその選手を支えてきたのは井上康生監督を始めとするコーチ陣ですが、先週、向選手が敗退してしまった時に「しっかり課題を埋めてあげられなかったのは私たちの責任だ」と反省の弁を述べられていました。これまで井上監督は選手の合宿地を足蹴く周り、声をかけたり、励ましたり、科学的なトレーニングを導入したり、「全選手にメダルを獲らせてあげたい」と誰よりも愛情を注いでこられたと聞いています。だからこそ、こうしたリーダーの言葉は選手たちにも、よし、自分がもっと頑張らねばと思うようになるのでしょう。
柔道は個人競技ですが、私はチームのスポーツのように感じながら見ていました。

 リーダーの役割はしっかりとビジョンを示し、戦略を立て、チームメンバーと共にその目標に向かっていくことですが、いくら戦略やビジョンの立案がしっかりしても、いかに科学的なトレーニングを実施したとしても、最後はメンバーがリーダーを信じてついていこうとしているか。メンバーとリーダーの間に「信頼」があってこそ、本当に強いチームになるのではないでしょうか。このオリンピックでも優勝するチームの勝利後の様子を見ていると、リーダーとメンバーの間に強い「信頼」を感じます。

 どんな時も選手を愛し、選手を信じ、励まし続け、どんな時も指を自分に向ける井上康生監督のリーダーとしてのあり方・姿勢。困難な時代に求められる理想のリーダーの姿のような気がしました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?