新しい時代を味方にする経営
先週金曜日、ブロックスの新しいオンラインセミナー「未来×幸せ経営フォーラム」(開催記念無料公開セミナー)を開催しました。全国各地、約270名の方をオンラインで結んだ初の試み。大規模なイベント開催が難しく、移動が制限される中で、何かお役に立てることはないかと議論を重ねてきたのですが、ようやく実現することができました。
今回のセミナーの主旨は、先行きがますます不透明になるこれからの時代に、どう経営の舵を切っていけばいいのか、リーダーは何を大事にしていけばいいのかを、皆さんで考え、気づきや行動を生み出していこうというもの。一方的な講義形式ではなく参加者も発言できる双方型にしたのは、そんな思いから生まれてきたものです。
特別記念セミナーでは、コロナ禍に挑戦をし続けるバグジーの久保社長と王宮(道頓堀ホテル)の橋本専務をゲストにお迎えし、逆境に負けない経営のあり方について2時間近く対話をさせていただきました。
どんなに素晴らしい経営をされている企業でも、やはりコロナ禍での状況は厳しく、両社とも苦しみながらも様々な工夫をされています。特にホテル業界はインバウンドが激減し、テレワークや自粛で国内も冷え込むダブルパンチ。美容業界は自粛の対象外業種でしたが、3月~5月は大きく客数が減ってしまったそうです。
しかし、そんな状況の中でもバグジーさんも、王宮さんも社員やアルバイトさんが人の役に立とうと必死になって働かれています。コロナ禍で経営者と社員の間に溝が生まれてしまう会社も多い中で、なぜ、そんなにいきいきと働けているのか。やはり、その奥には社員のことを第一に考える経営者の存在があるようです。社員の健康と生活を守り抜こうというトップの思いがひしひしと伝わるからこそ、みんなが危機を乗り越えていこうと力を発揮する。新しい挑戦にも意欲をもって挑んでいく。普段から理念や思いが一致する組織を作ってこられたからこそ、危機の中でも輝くことができるのだと思います。
また、こんな客数減の時代に何をしていけばいいかという議論では、もちろん新しいことに挑戦することも大事だが、久保社長は、「こんな時だからこそ実力をつけること」が大事だと仰っておられます。例えば、これから先、お客様が行きたいのは、やはり「本業」がしっかりしている店。レストランで言えば美味しい料理、美容室であればカット技術。客数が少なくなると、つい小手先の販促策などに走りがちですが、やはり大事なのは本質のところを磨き上げること。まず、コロナ対策など衛生面を徹底して安心の土台をつくることが基本の基本。その上で、美味しい料理、素晴らしいカットを提供する。これが次の時代に求められるだろうということでした。他と違う発想と行動がこの先を変えていくのかもしれません。
対談はこの他にも様々な議論が出てきました。ここでは紹介しきれませんが、どんな時代になったとしても、その波を乗り越えていけるのは、社員の幸せを第一に考えるリーダーの情熱と信頼で結ばれるチームだけではないでしょうか。その真ん中にあるのが理念やミッション。全員が自分事として全力でオールを漕いでいるチームだからこそ、波が来ても倒れないのでしょう。
「未来×幸せ経営フォーラム」は今後9月から第1期(4回シリーズ)がスタートします。4つのキーワード「リーダーシップ」「社員の絆」「自律的組織」「働く人の幸福」を手掛かりに、様々な業界の実践者と共に、これからの時代の経営の鉄則、未来を幸せにするためのヒントを見つけていきたいと思います。