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「ピンチはチャンス」は本当か?

 昔から、「ピンチはチャンスだ」という言葉があります。「こんなのは、モチベーションを高めるだけの精神論ではないか?ピンチはやっぱりピンチだよ」という人もいるかもしれません。私も昔はそう思っていた一人です。
今回の緊急事態宣言の影響で、商品やサービスが売れなくなると、いつか景気が良くなり、元に戻るだろう、今は我慢しようという気分になります。ただ、いつか景気が良くなるだろうと環境変化をあてにしていると、そうならない時に不満や不安が増してきます。「もっと政府が補助してくれたらいいのに」「対策が遅い」という感情が生まれるのは、こんな時からもしれません。私は、これがピンチはピンチだと思っている人だと思います。

 しかし、このコロナ禍で、この逆境でやれることはないかと考える人もいます。景気回復を待つのではなく、自分達で新しい商品を生み出している企業や、この状況変化を機会に新しいスタンダードを作りあげていこうという企業はたくさん見受けられました。「ピンチをチャンスにしよう」という積極的な発想は、失敗もついてくるので、我慢する、静観していることより確かにリスクが高い。最終的にどちらがうまく行くかはわからないのですが、私は、もし失敗をしたとしても、後者の企業の方が、たくさんの経験を蓄積できるので、その後が少し強くなっている気がします。

 また、個人的な視点で考えてみても、ピンチをチャンスにしようと思っている時は、人間の脳も鍛えられるのではないでしょうか。今回、夏に向けて通気性のいいマスクが続々と登場していますが、ニーズの変化は新しい需要も生み出すのも確か。例えば、今後、家にマスクを忘れてきたり、予備をもっていない人のために、自販機でマスクが販売されるかも。さらに、美容にいいマスク、日焼けむらがなくなるマスク、自動着脱式のマスク、マスクしながら食事ができるマスク(笑)など、様々な不満が解消されたマスクも出てきそうです。マスクだけでもいろんな想像が生まれます。

 これは、自分自身の体験ですが、困っていることに目を向けて、解決策を考えていくときは、脳が気持ちよくなっています。その間は、前向きな気分になります。前向きな気分になると、失敗が怖くなくなります。そうすると「やってみよう」という気持ちになり、行動が生まれます。今まで動いていなかった脳細胞が活性化していくような気がします。ブレーンストーミングの発散時期のワクワク感は、人間の本能に会っているからなのではないでしょうか。

 ピンチはチャンスは本当か?まだ精神論の世界かもしれませんが、そう考えていくほうが気分がよくなるのは間違いありません。コロナ時にどう動いたか、その後どうなったかが、いつか科学的に検証されれば、面白いですね。


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